クレオパトラな女たち
日本テレビ系 水曜日午後10時
あやや 『クレオパトラな女たち』、
行ってみましょうか。
最近、勢力的にお仕事されている
大石静さんが脚本です。
森下 大石さんは、いま、人間の怖いところを
思いっきり掘っていってる感じですよね。
『ギネ』とかもそうだけど、
いままであんまり人が触ってなかった
怖いところに、どんどん、どんどん。
荒井 榮倉奈々さんと菅野美穂さんの
ダブル主演で禁断の三角関係を描いた
『蜜の味』も大石さんでしたね。
医科大学附属病院が舞台の話。
あやや この『クレオパトラな女たち』も
美容外科医のお話ですね。
女性を理解することができない
男性美容外科医が、
「美」を求める女性たちに翻弄されていく。
なんか、あの、暗い話ではないですね。
森下 「ヒューマンコメディ」って
書いてありますからね。
暗くて重い話にもできるんでしょうけど、
これはけっこう明るいみたい。
荒井 そういえば、ちょっと前に、
「顔取り替えます」
みたいなドラマありましたね?
あやや ああー、深夜の、
永井大さんの『FACE MAKER』。
森下 あれはけっこう怖い整形でしたね。
「別人にしちゃいます」みたいな。
一周まわってギャグ、
っていう見方もあるでしょうけど。
でも、このドラマは
そっちには、行かないんでしょうね、
「ヒューマンコメディ」ですから。
あやや そうですね、だから、1話完結タイプで。
荒井 笑わせて、泣かせる、みたいな。
あやや うーん、ちょっと読めないですね。
ただ、読めないからこそ、観たくなるというか、
たしかめるつもりで観てたら、
おもしろくて、けっきょく
最終回までぜんぶ観ちゃった、
なんてことになりそうな予感もある。
森下 あるある。
荒井 水曜10時ってことは『Mother』の枠か。
もともとは、シリアス枠でしたよね。
あやや 安定した、堅めのドラマをやる枠ですよね。
だから、ものすごく冒険したり、
大きくはずしたりはしないと思いますよ。
脚本が大石静さんだということもありますし、
1話、1話、しっかり観られるんじゃないかと。
毎回、整形する事情のある女性が
やって来て‥‥みたいな。
森下 むかし『ビューティ7(セブン)』っていう
エステの話があったんですけど。
あやや ああー、あったあった。
荒井 ありましたね。
森下 あのドラマって、当時、
早すぎたとはいわないまでも、
わりと新しい感じがしたんですよ。
というのも、エステとか美容整形って、
観てる人が「そうよそうよ」って
なかなか共感しづらいジャンルじゃないですか。
あやや ああ、そうか、そうですね。
でも、いまはかなり身近になっているような。
森下 そう、そこが、おもしろいなぁと思って。
もう、ほくろ取るのと、しみ取るのは
整形とみなさないですよね。
あやや ああ、脱毛と同じようなものですよね。
森下 だから、けっこうライトに
たのしまれるんじゃないかと。
あやや そうですね。
あと、けっこうドラマにおいて重要な
「若手イケメン」という切り口で
語らせていただきますと。
森下 いいね!
あやや 『クレオパトラの女たち』という、
女性メインのタイトルであるにもかかわらず、
かなりのイケメンたちがそろってます!
綾野剛さん、三浦翔平さん。
いま、この2人はけっこういいです。
思えば、大石静さんのドラマで
ブレイクするイケメンは多いんですよ。
── たとえば? と訊かざるをえませんね。
あやや よくぞ訊いてくださいました。
最近の代表例はやはり、
『ギネ』の長谷川博己さん。
藤原紀香の元旦那役っていうことで
「この人誰だろう」って全員が思って、
そのあと『セカンドバージン』でも出てきて、
女性ファンのハートをわしづかみ。
もう、ものすごい敬意とともに
言わせていただけるなら、
わりと大石静さんは、北川悦吏子さんばりに、
お気に入りのイケメンを見つけるのが
たいへんお好き、そして、
お嫌いじゃないのね、みたいな。
森下 ははははは。
あやや 違う言い方をすると、
大石さんはイケメンを見る目がたしかだと。
もっと違う言い方をすると、
ありがとうございます! と!
森下 若干、神経質そうな人が
お好きなんですかね。
あやや 筆頭が綾野剛さんですね。色っぽいです。
『カーネーション』の周防さんですよ。
森下 髪の毛切ってぐっとよくなったよね。
あやや ものすごくよくなった。
ちょっと悪そうなところが魅力です。
荒井 言われてみると、
綾野剛さんと長谷川博己さんって、
涼し気な顔という点で似てますね。
森下 ちょっと爬虫類系?
あやや そうそうそう、
そのあたりがお好きなんですね、
っていうか、ありがとうございます!
荒井 逆に、女性陣は、手堅いというか、
安定感重視というか、
とくに、新しさのようなものはなく。
森下 ヒロインは稲森いずみさんになるのかな?
あやや あの、わたし、女優さんとして、
稲森いずみさんってすっごい‥‥。
森下 好きなんだよね。
あやや もう、好きっていうより、興味深すぎて!
── 「生き様」?
あやや 生き様、生き様。
だって、『アイシテル〜海容〜』っていう
自分の子どもが別の子どもを殺しちゃう
重い役をやって、それが視聴率よくって、
それを機に、本格派な、シリアスな
女優でいくのかなと思ったら、
つぎの『怪物くん』では、
なんか、すごい格好をした悪魔になってて。
森下 デモリーナになってましたよね。
あやや それで、ついこのあいだは、
芦田愛菜ちゃんといっしょに
たかの友梨ビューティークリニックの
CMに出てたじゃないですか。
いま、人気絶頂の子役である
芦田愛菜ちゃんとそんなCMに出たら、
どうしてもちょっと引き立て役みたいに
なっちゃうじゃないですか。
そのへんを、あっさり引き受ける
懐の深さというか、なんというか、
ほんと、すごいな、えらいなって
思ったんですよ、わたし。
ふつうは、とてもできないですよ。
── つまり、稲森いずみさんの「生き様」が。
あやや はい、かなり興味深いです。
「生き様」ファンとしてはたまりません。
── またしても「芸能人、生き様論」、
ありがとうございました。
Wの悲劇
テレビ朝日系 木曜日午後9時
あやや そろそろ、残りも少なくなってきました。
『Wの悲劇』は、いかがでしょう。
荒井 これって、むかし、
薬師丸ひろ子さんが映画でやってた
あの『Wの悲劇』ですか?
あやや そうなんです。
わたしもびっくりしたんですけど、
やっぱりあれでした。
荒井 原作、夏樹静子さん。
ああ、ほんとですね。
あやや 脚本は寺田敏雄さん。
ベテランの方ですよね。
森下 もう、大ベテランです。
最近では、朝ドラ『てっぱん』を
お書きになりました。
荒井 映画の『Wの悲劇』は
個人的にはおもしろかったんですが、
あれをそのままドラマにしても
10回分とか、できないですよね?
森下 あ、でも、そもそも
映画の『Wの悲劇』と原作の小説は、
設定がかなりちがうらしいです。
あやや あ、そうなんですか。
森下 だから、これはこれで、また
ちがったアレンジをするんじゃないかと。
あやや じゃあ、まったくちがう話?
荒井 まったくちがうわけじゃないでしょうけど、
けっこう、自由に変わるんでしょうね。
森下 有名なセリフありましたね。
「おじいさまを殺してしまった」
荒井 番宣みると、
「おじいさまを殺してしまった」
ってやってますよ。
そういう意味でいうと、
どこが残ってどこがアレンジされるのか、
みたいなところも観るときの
ポイントかもしれないですね。
森下 うん。
あやや で、全体的なこととしていうと、
実もフタもない言い方ですが、
これは、武井咲のための、武井咲による、
武井咲のドラマととらえていいのではないかと。
森下 そうですね。
あやや そして、さらに、
実もフタもない言い方を重ねるようですが!
森下 なによ。
あやや 武井咲ちゃん、
ほんとうにかわいいです!
荒井 ははははは。
森下 きれいですよねー。
ちょっと、「きれいな人」として
認知され過ぎてる感じもしますが。
ほら、あややが前に言ってた、
「このきれいな子、誰だろう?」って
みんなが思う期間がもっとあったほうが
たのしめたのにっていう。
あやや あー、「ミステリアス期間」ですね。
荒井 ああ、あれは、なかなか名言でしたね。
あやや 芸能人ファンにとって
「ミステリアス期間」は重要なんですよ。
その期間に個人的な思い入れ
みたいなものは培われますから。
まぁ、単なるわがままなんですけどね。
武井咲ちゃんは、あのグッチと
日本人ではじめて契約されたそうですよ。
森下 すごいよねー、イオンとグッチだよ?
そのふたつを同時期に当たり前に
こなせる人って、ちょっといない。
あやや そして、主演ドラマが『Wの悲劇』ですから。
ひとり、二役ですから。
森下 もう、こうなると、あえて、
前時代的なドラマを観たくなりますね。
「大映ドラマ」みたいなのを。
あやや あーーー、いいかも!
武井咲ちゃんで「大映ドラマ」、
観てみたいかも!
── 「大映ドラマ」っていうのはあれですよね、
『スチュワーデス物語』みたいな。
あやや そうそうそうそう、
『不良少女とよばれて』とか。
森下 『ヤヌスの鏡』とか。
荒井 『スクール☆ウォーズ』とか。
── 『Wの悲劇』をコテコテの、大げさな演出で?
森下 まぁ、ムリですけれども、
そういう感じの路線もなくはないかなと。
荒井 それ、やったら、
間違いなく話題になりますね。
あやや あの、まわりのキャスト的には、
けっこうアクが強めで、
コテコテの大げさ路線への転向は
意外に大歓迎かもしれないですよ。
森下 ええと、野際陽子さん、
若村麻由美さん、松下由樹さん、
わぁ、たしかに‥‥。
あやや ここの女性3人は、けっこうアク強いです。
森下 濃いですねぇ。
ぜひ、コッテコテの濃度でやってほしい。
荒井 そういえば、一人二役っていうのも、
かなり「大映ドラマ」っぽいですね。
あやや そうそうそう、むかしって、
一人二役のドラマ多かったですよね。
森下 ああ、そうですね、
最近は見かけなくなったかも。
あやや ああ、なんか、ほんとに観たくなってきた。
武井咲ちゃんで「大映ドラマ」。
森下 もう、雷鳴とか轟いてほしい。
ドーン、ピシャーン! みたいな。
荒井 うん。いいかも。そういうの合いそう。
あやや ほんとの話、これ、観るか観ないかが、
第1話で決まりますね。
「ああ、こういうことね」って
すぐにわかっちゃったら観なくなって、
「あ、そうくるんだ」って引き込まれたら、
そのまま最後まで観ちゃう。
ま、わたしはいずれにしても、
武井咲ちゃんだから観ちゃいますけど。
森下 そんなに好きなんだ。
あやや 好き。
つい、追いかけちゃうんですよ。
── 今後の「生き様」にも期待してる?
あやや それもある。
一同 (笑)
都市伝説の女
テレビ朝日系 金曜日午後11時15分
あやや 『都市伝説の女』です。
刑事ものと都市伝説をからめた
ちょっと変わったドラマみたいですが。
森下 ええと、長澤まさみさんの役どころとしては
「警視庁捜査一課の美しすぎる刑事。
 都市伝説おたくで、どんな事件も
 都市伝説に結びつけて考える」だって。
荒井 ははははは。変。
あやや おもしろそうですね。
荒井 これ、原作があるわけじゃなくて、
オリジナルですよね?
あやや オリジナルです。
脚本は後藤法子さん。
森下 後藤法子さんの脚本は
おもしろいですよ。
荒井 金曜日の夜11時15分。
深夜の、いわゆる『トリック』枠ですね。
森下 これはけっこう、いいような気がしますね。
あやや うん。いい感じですよね。
また、長澤まさみちゃんが、いまいいから。
森下 荒井先生が今クールで
会いたい人のひとりですから。
荒井 美人刑事役なんですね。
あやや たぐいまれなる「美貌」と
天然の「色気」って書いてあります。
ああ、お色気たっぷりですねー。
森下 いいですねー。
軽い気持ちで観てもたのしそう。
うわ、足きれー。
あやや ほんと、足きれー。
── ‥‥オヤジがふたり。
荒井 ‥‥ええ、いますね。
あやや まーちゃん、足なげー。
森下 日本人の足じゃねーぞ、これは。
── 居酒屋か。
あやや まじめな話、長澤まさみさんは、
映画『モテキ』への出演が
ほんとによかったですよ。
荒井 『モテキ』以前と以後で明らかに違いますね。
森下 振り切った感じがします。
あやや キャラクターも清純派から完全に一皮むけて。
色っぽくなったというよりは、
20代の女の子、そのまんまの役が、
自然にできるようになったというか。
森下 そうですね。
あやや 『モテキ』以後は、
どっちにもいけるおもしろさがあるんですよね。
きれいなお人形さんみたいな役もできるし、
小悪魔的で、はじけた役もできるようになって。
すごく女優さんとして
おもしろいところにいる時期だなぁと思います。
荒井 一方、男性陣は、溝端淳平さん、平山浩行さん‥‥。
あやや 平山浩行さん、けっこう売れっ子ですよね。
何気に、ドラマにたくさん出てますよね。
『ジョーカー 許されざる捜査官』とか
森下 実は『JIN-仁-』にも出てくださってます。
あやや ああ、出てた、出てた!
あと『ドクターヘリ』とか‥‥。
森下 あと、ママ友地獄の旦那役の、えーっと。
あやや 『名前をなくした女神』!
木村佳乃さんの旦那さん役ですね。
森下 そう、そう。いい役者さんですよー。
控えめなんだけど、実はかっこいいっていう。
あと、何気にスタイルもいい。平山浩行さん。
あやや そんな平山浩行さんと、
いま伸び盛りの長澤まさみさんが
登場するわけですから、
男性視聴者も女性視聴者も
たのしめるのではないかと。
森下 異論はございません。
荒井 出演したいくらいです(笑)。
あやや ちなみに、わたし、
長澤まさみちゃんの使い方として、
『モテキ』より前にいいなと思ったのが、
『GOLD』なんですけど。
森下 あ、あれね!
『GOLD』で長澤まさみさんは
けっこうトクしましたね。
あやや ほんと、ほんと。
荒井 「そぉんな〜」ってやつですよね。
あやや 「しゃちょ〜」ってやつですよ。
森下 天海祐希さんに縦横無尽につっこんでもらって
なんておいしいんだって感じで。
あやや そうそうそうそう。
あのキャラクターに、
このきれいな足があればね。
森下 そりゃ人気も出ますよー。
荒井 うーん、どうして長澤まさみさんを語ると
オヤジになってしまうのか‥‥。
── ええ‥‥。
あやや まーちゃん、ええなー。
森下 ええなー。


(つづきます)

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2012-05-06-SUN



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