ほぼ日テレビガイドシリーズ

秋の連ドラチェック2016

あややとふたりのプロフェッショナル
ほぼ日刊イトイ新聞
新しい連ドラがスタートする頃、
歩みを合わせるかのようにスタートするのが
この「連ドラチェック」シリーズです!
‥‥って、あかんやろ。遅いやろ。
はじまる前にスタートしろっちゅう話や。
ああ、すみません、編集者の作業が遅くて。
それはさておき、お待たせしました!
ほぼ日刊イトイ新聞が誇る、
超弩級テレビッ子、あややが
脚本家、森下佳子さんと
マンガ家、荒井清和さんといっしょに
今クールの連続ドラマについて
たっぷりこってりまったり語ります。
語ったのはドラマがはじまる前ですから
願望、予想、妄想などが交錯しますが、
脱線上等の心持ちでのんびりと
たのしんでいただければと思います。
進行は、テレビドラマについての造詣が
まったく深くならない
「ほぼ日」の永田が担当します。
味わい深いイラストと、魂の漫画は、
「沼のハナヨメ」でお馴染み、
「気仙沼のほぼ日」のサユミが描きます。
じゃ、はじまりますよー!


第4回

安定感あるラブコメにガッキー主演!
深夜枠の人気シリーズ第3弾。
海外で大ヒットした嗅覚のドラマ?

逃げるは恥だが役に立つ

TBS系●火曜日午後10時


あやや
『逃げるは恥だが役に立つ』。
ガッキー、ガッキーですよ。
新垣結衣ちゃん。
相手役の星野源くんも歌にお芝居に、
いま、絶好調ですけど、
でもやっぱりガッキーですよ。
新垣結衣ちゃんですよ。
し・か・し!
このドラマで私がいちばん注目しているのは、
新垣結衣ちゃんでは、
ご・ざ・い・ま‥‥せん!
──
ひとりでなにを言ってるんだ。
あやや
注目しているのは、脚本家の野木亜紀子さん。
『重版出来!』、おもしろかったですよね。
荒井
おもしろかったですねぇ。
あやや
そのほかにも、『空飛ぶ広報室』、
『掟上今日子の備忘録』、
映画の『図書館戦争』など、
ここのところおもしろいドラマを
たくさん手がけている方なんです。
これはある意味、
森下佳子さんのライバル出現?!
森下
ん? どうしたの(笑)。
あやや
ああ、いやいや、でも大丈夫!
まだまだこれからの人ですから、
森下さんとはぜんぜん違います!
森下
んん? どうしたいの(笑)。
あやや
ふふふふ、わたし‥‥
マネージャーっぽくないですか?
森下
ん?
荒井
誰の?
──
なんの?
あやや
脚本家、森下佳子のマネージャー。
ふふふふ。
──
こんなマネージャー、おれへんやろ。
あやや
なんか、そういう、
スターを支えていくようなことがしたい!
励まして、いい仕事をさせたり、
サクセスストーリーをつくったりしたい!
森下
えー! そうだったの!?
してよ! 私をスターにしてよ!
何やっても褒めてくれる
陽だまりのようなファンクラブとか作ってよ!
ほぼ日手帳に思わず私のドラマにチャンネルを
リアルタイムで合わせてしまう
サブリミナルな何かとか仕込んでよ!
あの枡目のとこに!
荒井
一回、休憩しましょうか?
──
そうッスね。
あやや
悪かったです、悪かったです。
ドラマの話に戻りますってば。
森下
でも、野木亜紀子さん、うまいかたですよね。
荒井
『重版出来!』はほんとよかったですよ。
あやや
1話の中でちゃんと盛り上がりをつくりながら、
ドラマ全体の中で最終回に向けて
大きな盛り上がりもつくる。
連ドラのセオリーをきちんと守って
丁寧に、着実にやられるかたですよね。
森下
うん、うん。そう思う。
あやや
これ、原作は漫画ですかね。
荒井
そうみたいですね。
ええと、お話としては、
院卒だが、仕事なし、彼氏なし、
誰からも必要とされてないつらさを抱え、
そのはてに草食系男子と
契約結婚する女性を描く社会派ラブコメディー、
とあります。
森下
よさそうです。
あやや
キャストもいいですよね。
石田ゆり子さんが
ガッキーの伯母さん役で出ますね。
森下さんは、もしも生まれ変われるなら
石田ゆり子さんになりたいんですよね。
森下
そうなの。
こんなに願ってるのに、
一向に生まれ変わらないのはなぜなんだろう?
あやや
じゃあ、私は、アンジェリーナ・ジョリー!
──
この展開は、昔たっぷりやったので
くり返しません。
荒井
古田新太さん、大谷亮平さんも出ますね。
いや、手堅いです。
あやや
原作、脚本、そしてキャスティング、
なんというか、今クールは
これを看板にしてやっていくぞ、
というテレビ局の気概を感じます。
力入れてますね。
──
僭越ながら意見を言わせていただくと、
ぼくはこのコンテンツの参考にするために、
話題にのぼったドラマの公式ページは
かならずチェックすることになるんですが、
この『逃げるは恥だが役に立つ』のページ、
すごく、きちんとしています。
準備が行き届いている感じで、
コンテンツもそろってるし、読みやすいし、
とってもいいと思います。
あやや
ちなみにプロデューサーの那須田淳さんは、
糸井重里の古い知り合い。
森下
え、そうなんだ。
荒井
糸井さんがTBSのドラマの
プロデューサーと知り合いというのは
どういう流れからですか?
あやや
ええとね、糸井はずいぶん昔に
TBSの看板番組をつくっておりまして、
そのとき、いっしょにやっていた
スタッフの方だということです。
──
あ、わかった。埋蔵金だ。
あやや
そうそう(笑)。
荒井
あーー!
森下
徳川埋蔵金伝説!
あやや
あのとき、糸井と一緒になって
赤城山を掘っていた人たちが、
TBSでだんだん偉くなってるんですって。
宮藤官九郎さんの『流星の絆』の
プロデューサーが那須田淳さんで、
そういうキャリアが「おもしろいなぁ」と、
糸井がしみじみ言ってました。
荒井
星野源さんは、いま、
『真田丸』でもいい味出してますね。
──
いまいちな将軍の役で、いいですよね。
森下
「これは‥‥怒ってもいいのか?」って
お目付役に聞くところとか、おかしかった。
荒井
歌のほうでも大ブレイクしちゃいましたけど、
もともと大人計画の人ですよね。
あやや
そうですよ。
あの、変な言い方ですけど、
しょっちゅう「ほぼ日」にも
遊びに来てくださってましたよね。
会議室でライブやってくれたり。
いやぁ、すごいですよ。
紅白に出たり、大河に出たり。
そしてガッキーの相手役ですからね。
──
以前は端っこのおいしい役だったけど、
最近、真ん中の役もね。
森下
でも、今回の役は、
もともとの星野さんの持ち味が出そうな?
あやや
あ、そうですね。
森下
星野さんって、
ど真ん中の主役を張るというよりも
変な人だらけの中の一服の清涼剤って感じで、
ふつうの人っぽいところが
逆におかしかったりするんですよね。
あやや
そうそうそう、やっぱり味があるんですよ。
このあいだの『コウノドリ』もよかった。
荒井
ああ、よかったですね。
あやや
『逃げるは恥だが役に立つ』、
どこをとっても安心できる感じですね。
ガッキーファンとしては、
久々に王道のラブコメの主役を
演じてくれるところがうれしいです。
荒井
TBSの火曜10時は、枠のイメージを
うまくつくってきた感じがしますね。
あやや
あー、そうですね。
森下
『ダメな私に恋してください』。
荒井
そして『重版出来!』。
森下
女の子が主役のラブコメ枠。
ふつうに観てたのしめそうでいいですね。

レンタル救世主

日本テレビ系●日曜日午後10時30分

あやや
続きまして、『レンタル救世主』です。
日テレの日曜日10時半。
ここって比較的新設の枠ですけど、
がんばってますよね?
森下
そうですね。
荒井
前クールの『そして誰もいなくなった』、
けっこう印象に残りましたね。
後半の謎解きが若干破綻気味でしたけど、
前半、伏線をはりめぐらせるあたりは
興味をひかれました。
あやや
秦建日子さんの脚本でしたよね。
『アンフェア』の原作の人。
脚本も書くし、小説も書くし、
舞台もやってらっしゃるし、
なんというか、実力がありますよねー。
──
で、その枠でスタートするのが、
『レンタル救世主』です。
あやや
脚本は、渡辺雄介さんですね。
最近だと、海老蔵さんの
『石川五右衛門』とか。
──
資料によりますと、ほかには、
『未来日記-ANOTHER:WORLD-』
『ST 警視庁科学特捜班』
『相棒season7』
『映画 20世紀少年』などなど。
あやや
へぇーー。
──
まだまだありますよ、
『アニメドラゴンボール』
『ガッチャマン』
『進撃の巨人』‥‥。
荒井
幅広いですねー。
原作ものが得意な方なんでしょうか。
あやや
で、「レンタル救世主」って?
──
一度レンタルされたら、
依頼者のために救世主となって命をかける、
それが「レンタル救世主」、だそうです。
あやや
「レンタルおじさん」みたいな感じなのかな。
森下
「レンタルおじさん」って
ほんとにいるんだってね。
あやや
いるいる、「レンタルおじさん」、いる。
『ゆとりですがなにか』で
吉田鋼太郎さんがやってましたよね、
「レンタルおじさん」。
ほんとにあるんですって、あの仕事。
荒井
そういうえば『ゆとり』もこの枠ですね。
あやや
あ、そうだ。
いま、勢いのある枠ですね。
荒井
日曜日の夜って、大河もあるし、
家でちゃんとテレビを観る
時間帯でもあるんでしょうね。
あやや
たしかに、沢村一樹さんがこういう、
クセのあるヒーロー役を演じるドラマ、
日曜日の夜に観たいかもしれません。
家族でもたのしめそうですし。
ほかのキャストでいうと、志田未来ちゃん、
あ、藤井流星くんが出ますね。
森下
ジャニーズの。
あやや
なんか、いい感じの顔ぶれですね。
へぇー、勝地涼くん出るんだ。
森下
中村アンちゃん。
あやや
中村アンちゃん、きれいですよね!
森下
きれいだねー。
荒井
稲森いずみさん、大杉漣さん。
けっこういい感じですね。
あやや
うん、うん。
ところで、
『はじめまして、愛しています。』
の最終回を観た人−?
はーい!
──
ひとりでなにを言ってるんだ。
あやや
『はじめまして、愛しています。』の
志田未来ちゃんがよかったんですよー。
森下
たしか、すごく若いお母さんの役。
あやや
そうそうそう。
すばらしい演技を見せてくれました。
志田未来ちゃんって、
どうしても子役のイメージが
ついて回るじゃないですか。
それはもう、志田未来ちゃんに限らず、
子役で有名になった俳優さん、
すべてに言えると思うんですけど。
一人前の役者さんとして
立派に実績を残している方でも、
どうしても、つい、
「子役のイメージ」が頭をよぎってしまう。
荒井
あれですね、福原愛選手が
オリンピックで活躍するようになっても、
いまだに「愛ちゃん」と‥‥。
あやや
そうそうそうそう!
──
目上の人を指さすんじゃありません。
あやや
試合観てたら引き込まれるから、
「泣き虫愛ちゃん」を忘れて、
「福原選手すごいなぁ」って思うんだけど、
毎回、次の試合になると、
「あ、愛ちゃんだ」
ってところからスタートする、あの感じ。
森下
そういう人、いっぱいいるよね。
神木隆之介くんとかもそうじゃない?
あやや
ああ、いい例を挙げてくださいました。
私、神木隆之介くんについては、
ついに乗り越えたんですよ。
最近はもう、完全に、いつ観ても、
「あ、神木隆之介くんだな」と思って観てます。
──
あ、それは、なんかわかる。
あやや
その志田未来ちゃんなんですけど、
『はじめまして、愛しています。』の
最終回の演技が、すばらしかったんです!
9時からはじまった1時間のドラマのなかで
なんと、9時31分まで一言もしゃべらず!
そして9時31分に語り出してから
エンディングまでの約20分、
ほんとうにすばらしい演技でした。
私、この最終回でついに
志田未来ちゃんに関しては
子役の先入観を乗り越えた気がします!
荒井
おおーー。
あやや
‥‥あ、でも、ウソ。
やっぱり、まだちょっとは、
よぎっちゃうかも。
──
どっちなんだよ。
あやや
いやー、志田未来ちゃんは、
デビューが鮮烈すぎたんですよ。
荒井
『女王の教室』の生徒役。
森下
たしかにあれは
かなり鮮烈なデビューでしたよね。
あやや
天才ですよ、志田未来さんは、ほんとに。
荒井
しかも童顔だし。
あやや
そう、あのあどけなさを
抱えたまま大人の女性に‥‥、
それはそれで、すばらしい役者さんです。
森下
まあ、濱田岳くんみたいに、
子役のままのルックスで
そのままおっさんに突入するという、
不思議な卒業パターンもありますしねぇ‥‥。
荒井
はははははは。
あやや
も、森下さん‥‥。
森下
応援してるんですよ!
まさに彼が子役のときに
たいへんお世話になったので!

勇者ヨシヒコと導かれし七人

テレビ東京系●金曜日深夜0時12分

荒井
あ、『勇者ヨシヒコ』、
またやるんですね。
あやや
‥‥私、『勇者ヨシヒコ』については
みなさんのお話をうかがいたいと思ってました。
なぜなら、じつは私、
『勇者ヨシヒコ』に乗り遅れております!
森下
私もです!
荒井
えーー。
あやや
「『勇者ヨシヒコ』はおもしろい」
という声を、多くの方々から耳にします。
森下
はい。しばしば耳にします。
あやや
私には合わない、という結論すら、
出ていないのです。
いつも、なんとなく観ないまま‥‥。
教えてください、このドラマの魅力を!
荒井
ええー、いまごろ?
おもしろいですよ。
あやや
ええ、ええ、
「おもしろいですよ」まではよく聞くんです。
森下
そうなんです。
──
でも、いままで、この連ドラチェックで
『勇者ヨシヒコ』が出てくることもありましたよね?
あやや
はい。じつはそのときは、
むにゃむにゃと誤魔化しておりました。
荒井
ははははは、そんな。
──
コンテンツの根本に関わるようなことを
さらっと言うんじゃありません。
あやや
正確にいうと、
『勇者ヨシヒコ』の話をするときは、
山田孝之さんという俳優を語ることで
しのいでおりました。
森下
そうそうそうそう(笑)。
あやや
しかし! その後もずっと、
このシリーズは好評で、
気がついたらもうシーズン3!
森下
そうなんだよねー(笑)。
あやや
なので、わたしもついに
スタートしようかなと思っています。
なにしろ、『勇者ヨシヒコ』が
ドラマの中でいちばん好きだ、
と言う人にも会ったことありますから。
森下
ええー、そこまで!
あやや
ほんとなんですよ。
これはもう、いよいよ観てみるかと。
──
えー、荒井先生、
『勇者ヨシヒコ』の魅力を
簡単にいうとどんな感じでしょう?
荒井
うーんとね、
ドラクエをコメディにしたみたいな感じ。
で、おもしろいんですよ。
──
軽っ。
あやや
あ、荒井先生、もうちょっとこう、
興味をかきたてるようなトークを‥‥。
森下
「おもしろい」っていうのは、
ずっと聞いてるんですよね。
あやや
私も、私も。
──
逆にいうと、いろんな人から
「おもしろい」って言われてるのに、
なぜ観ないんですかね?
あやや
うーん‥‥ゲームにまったく
興味がないからかな。
荒井
あー、ゲームのドラマ版だと
思っちゃったのかな。
そういうわけではないんですよ。
世界観の大きな元ネタにはなってますけど。
森下
あ、でも。私、1、2回は観ましたよ。
──
そのときはどうでした?
森下
印象としては、
ところどころすごいおもしろんだけど、
ずっとおもしろいわけじゃないの。
「おもしろ」待ちをするっていうか。
あやや
ひゃぁ!
──
なんてリアルな‥‥。
荒井
まぁ、たしかに、
ストーリーがどうしたというのでもないし、
観なきゃ観ないで済ませられちゃうような、
そういうタイプのドラマではある。
あやや
ああ、そういうことかもなぁ。
なんていうんでしょう、ドラマって、
おもしろいからといって、
ぜんぶは観てられない、
という部分があるじゃないですか。
荒井
ああ、そうですね。
あやや
じぶんは今回、これとこれを観るぞ、
というのを、シーズンごとに、
けっこうシビアに絞るんですよ。
そうすると、観なきゃ観ないでなんとかなる、
というようなものは、
たとえ観たらおもしろいとしても、
観るぞ、というリストからは外れていく。
森下
うん、うん、まさに、
そういうことかもしれない。
あやや
でも、ぼちぼち「観るぞリスト」に
入ってくるんじゃないかと。
これ、今回も、福田雄一さんですよね?
──
あ、そうですね。脚本・監督、福田雄一。
あやや
福田雄一さん、もともとおもしろいものを
たくさんつくる人なんですけど、
最近、さらにおもしろさに
磨きがかかっているように思えます。
──
なにをつくっている人?
あやや
『コドモ警察』とか。
森下
『変態仮面』とかもそうですね。
荒井
『アオイホノオ』も。
森下
舞台もめちゃくちゃおもしろいんですよ〜。
──
ははー、なるほど。
あやや
キャリアも長くて、
ずっとおもしろいと言われてる人なんですけど、
さらにおもしろくなっている印象があります。
ぜひ、最新シリーズからは、
観てみようかなと思っています。
‥‥ええと、今回は、
『勇者ヨシヒコ』について語りましたので
必要がないのかなと思いつつも、
いちおう、恒例ですので、
「山田孝之を語る会」も
軽くやっておこうと思います。
よろしくお願いいたします。
森下
よろしくお願いいたします。
あやや
ずばり、山田孝之さん、いま再びキテますね。
森下
そうですねぇ。
あやや
深夜のドラマとかもいろいろ引き受けて、
そのひとつひとつで、
期待を上回るお仕事を
されているように思えます。
完全にキテます、山田孝之さん。
いわゆる再ブレークです。
まぁ、数年前からキテましたけど、
本格的に、一般的に、キテます。
──
俺でも「あ、また出てる」って
思っちゃうくらいだからなぁ。
あやや
すばらしい活躍をなさってるのですが、
その一方で、おそらく、この方、
安定が嫌いなんだと思います。
最近、赤西仁さんと
ユニットを組んだりされてますが、
つい、変わったことやっちゃうんですよね。
荒井
まぁ、安住したくないんでしょうね。
森下
常に自分を奮い立たせる場所に行きますよね。
あやや
そんな山田孝之さんを見て、
我々も、以前は、
「もっとふつうの場所でやればいいのに」
などと思っていたのですが、
最近は、変わったことをする山田孝之さんに
すっかり慣れてきました。
なんていうんでしょう?
安住、安定を嫌う山田さんの変化を、
観る側が安定することによって
落ち着かせる、というか。
──
なにがなんやらわからんわい。
森下
無理して生やしているように見えた
無精髭にもすっかり慣れて、
単にヒゲの人として認識しているような。
あやや
そうそうそう、そういうことです。
荒井
応援してるんですよね?
あやや
もちろんです!
森下
ずっと応援してます!

スニッファー 嗅覚捜査官

NHK総合●土曜日午後10時

あやや
もう1本、行っておきましょうか。
『スニッファー』です。NHK。
森下
わたし、これ観てみたい。
ちょっとたのしみ。
あやや
たのしみです、わたしも。
荒井
うん、おもしろそうですよね。
──
特殊な重要犯罪にだけ、
事件解決のコンサルタントとして呼ばれる男。
彼の別名は「スニッファー(匂いを嗅ぐ人)」。
人並み外れた嗅覚を持つ彼が、
ひと嗅ぎすれば犯罪はもちろんのこと、
すべてのナゾを暴いてしまう。
‥‥つまり、すっごく鼻の効く人が、
難事件を解決していく。
森下
そういうことです。
荒井
もともとはウクライナで大ヒットしたドラマで、
世界60ヵ国以上が放映権を獲得しているそうです。
あやや
いや、これ、おもしろいでしょ。
森下
でもさ、これがおもしろいだとしたら、
わりと同じ構造を持つドラマ、
『神の舌を持つ男』が
いまいち振るわなかったのは、なんでだろう。
鼻か、舌か、って話なのかしら。
あやや
あっちはちょっと、
コミカルに振りすぎたんじゃないですか?
荒井
ほんのちょっとしたことに
ドラマのおもしろさって左右されますからね。
森下
そうかー、やることは似てても、
全体のトーンや、どこまでふざけるかで、
ずいぶん、違ったものになりますよね。
その意味でいえば、『神の舌』も
素材が悪かったわけじゃないと思う。
あやや
『スニッファー』に戻って言うと、
脚本の林宏司さん、ハマりそうですよね。
森下
きっとうまいと思います。
あやや
で、メインが阿部寛さんと香川照之さん。
しかも刑事もの。
荒井
このふたりの安定感はものすごいですね。
あやや
ドラマをおもしろくするものどうし。
キャラ濃い者どうし。
森下
濃いねぇ(笑)。
あやや
このおふたりは共演あるんでしたっけ?
同じ感じ枠のドラマによく出てるけど。
例えば、『半沢直樹』は香川照之さん、
『下町ロケット』に阿部寛さん、みたいな。
森下
どこかで一緒にやってそうだけどね。
荒井
枠は重なってるけどドラマは重なってない、
みたいな感じかもしれないですね。
あやや
そうかもそうかも。
だって、ふつうに共演させたら、
濃いキャラどうしで
バランス悪くなりそうですから。
森下
ふつうのキャスティングだと、
濃いの人の脇にライトな人を、
っていうふうになりますよね。
荒井
それを、あえて、このドラマでは
並べるんでしょうね。
あやや
いや、だから、これは
いろんな意味でたのしみですよ。
期待します!


(次回、最終回。おすすめの1本を選びます!)
2016-10-27-THU

(C) HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN