ほぼ日テレビガイドシリーズ

秋の連ドラチェック2017

あややとふたりのプロフェッショナル
第1回
まずは、森下佳子さんと、
『おんな城主 直虎』の話を!

民衆の敵
~世の中、おかしくないですか!?~

フジテレビ●月曜21時


あやや
じゃあ、月9から行きましょうか。
『民衆の敵』です。主演は篠原涼子さん。
『直虎』のところでもたっぷり話しましたが、
高橋一生くんもいます!
荒井
石田ゆり子さんもいますし、
古田新太さんもいます。
森下
トレンディエンジェルの斎藤さんもいるよ
あやや
(もたもたと起ち上がり、変なポーズで)
‥‥ええと‥‥斎藤さんだ‥‥。
──
うろ覚えのモノマネをするんじゃありません。
荒井
ここ数年、元気がなかった月9ですけど、
今回のキャストはわりと固めてますね。
森下
ええ、しっかりしてます。
あやや
前クールの『コード・ブルー』も
おもしろかったしね。
荒井
ガッキー人気もあるんでしょうけど、
平均で15パーセント近くまで
行きましたもんね。
『コード・ブルー』の前までは
正直、なかなか苦戦してましたけど。
あやや
で、今回の『民衆の敵』は
主婦が立候補するという話ですね。
──
こういう政治のドラマって
めずらしいんじゃないですか?
あやや
いや、なくはないですよ。
森下
むかし、中谷美紀さんが
こういうのやってなかったっけ。
荒井
『恋するトップレディ』かな。
中谷美紀さんは、市長をやってました。
あやや
あとあれだ、木村拓哉さんは、
『CHANGE』で総理大臣をやりましたね。
それから、政治がメインなわけじゃないけど、
『民王』とかもあるね。
荒井
ただ、まぁ、そんなに
うけるジャンルじゃないですよね。
やっぱりドラマと政治って、
そんなに相性がいいわけじゃない。
あやや
でも高橋一生さんと石田ゆり子さんは
いまそうとうキテますから、
まずは見ちゃう人がけっこう多いと思いますよ。
森下
そうですねー、
このキャストなら、まずは見てもらえそう。
荒井
高橋一生さんは大河のあと、
これが初なんですね。
あやや
待って、これ、高橋一生さんは、
篠原涼子さんの旦那じゃないんだね。
なんの役ですか?
森下
「ライバル」って書いてあるね。
「市政のプリンス」って書いてあるよ。
あやや
対立候補か。
森下
篠原涼子さんが素人主婦政治家で、
高橋一生くんが代々続く政治家一家の次男。
このライバル関係が、恋になるのか、
ちょっとそのへんはわかんないですね。
あやや
恋に落ちると、ゲス不倫になっちゃうよ。
政治と不倫ですよ。
森下
一線は越えてない、みたいなことに。
荒井
「男女の関係はありません」。
あやや
そのへんの風潮、わざと狙ってみたり?
荒井
風潮(笑)。
──
あれですか、世間で不倫が叩かれると、
脚本家は恋愛ドラマが
書きづらくなったりするんですか。
森下
うーん、関係ないかも。
『昼顔』って不倫ものでしたけど、
映画も、すごい、人、入ったんですよ。
荒井
そうでしたね。
あやや
まあ、ドラマまで「不倫、けしからん!」
とか言われたらちょっとねぇ。
──
たしかに。そんなこと言ったら、
「殺人、けしからん!」だ。
森下
「アリバイ工作、けしからん!」
荒井
「カーチェイス、けしからん!」
あやや
「ルームシェア、けしからん!」
──
ルームシェアは平気だろう。
あやや
あれ?
森下
なんの話でしたっけ?
荒井
世間が不倫に厳しくなると、
脚本が書きづらくないかと。
──
そうだ、そうだ。
あやや
ちなみに、このドラマの脚本は
黒沢久子さんという方で、
地上波ではじめて書くそうなんですが、
私は、この方が手がけた
Amazonのオリジナル作品のドラマ
『東京女子図鑑』を見ました。
主演が水川あさみちゃんで、
けっこう、連ドラの王道という感じで
おもしろかったですよ。
女の人の等身大のリアルな人生というか、
20代から40代までを、
水川あさみちゃんが見事に演じてて、
安心して見ていられました。
脚本もよかったですよ。
森下
まだ若い方なのかな。
──
経歴を調べてみると‥‥‥‥
新潟テレビでアナウンサーとして
3年勤務の末、退職。
あやや
へぇーーー。
森下
へぇーーー。
荒井
元アナウンサーの脚本家。異色ですね。
あやや
ちょっとコメディタッチなんですかね。
シリアスじゃないですよね。
荒井
政治ドラマをシリアスは難しいでしょう。
紹介文にも「エンターテインメント」という
ことばがありますし。
森下
とはいえ、まったく政治をしないわけにも
いかないでしょうからたいへんですね。
もし自分で書くとなったら難しいなと思うのが、
たとえば、保育園の話とかですよね。
たぶん「保育園落ちた日本死ね」みたいな話も
絡めてくるんじゃないかと思うんだけど、
ドラマの中だと、やっぱり主人公は
なんらかの形で解決しなきゃいけないでしょ。
でも、解決できたら、若干やっぱ嘘じゃん。
──
あーー、現実で、できてないから。
森下
そうなんですよ。
ドラマだからいいじゃんっていう部分と、
たとえドラマでも適当にできない部分と、
そのへんの難しさがありますよね。
あやや
そうですね。
まぁ、でも、篠原涼子さんはこれまで
さまざまな困難を解決してきましたよ!
森下
ああ、そうですね(笑)。
荒井
『ハケンの品格』。
森下
刑事だったときもあったよ。
あやや
『アンフェア』だ。
篠原涼子さんなら解決しそうな感じしますよ。
なんかあってません? 市議会議員。
森下
そんな気もしてきました。
あやや
そんな篠原涼子さんが真ん中にいて、
で、やっぱり、また語っちゃいますが、
高橋一生さんですよねー。
──
すみません、
高橋一生さんが現代人の格好をしていて、
激しく違和感があります。
あやや
わかる。
森下
わかる(笑)。
荒井
わかります。
──
こないだ死んだばっかりだし‥‥。
あやや
しかも高橋一生さん、
大河やって、この月9に出て、
そのあと朝ドラも決まったみたいです。
荒井
次から次へ、すごいですね。
あやや
しかし、みなさん! いいですか!
言ってもいいですか! みなさん!
──
新しいパターンだな、それは。
あやや
高橋一生さんが出すぎじゃないかとか、
俳優として飽きられるんじゃないかとか、
そういう心配は、まったく無用です!
大丈夫です! なぜなら!
森下
なぜなら?
あやや
最近、私の身近にいる、ある有名な方が、
高橋一生(たかはし・いっせい)さんのことを
「タカハシ・イッショー」と言ってました!
しかも、お客さんが入ってるトークショーで!
つまり、どういうことかというと、
高橋一生さん、まだまだ、大丈夫です!
「イッショー」と読んでる人もいるくらいです!
森下
ははははは。
──
あやちゃん、その、有名な人というのは‥‥。
あやや
ハイ、そうです、とあるコピーライターです!
──
ちなみにそれは、いつどこで?
あやや
先月、青山のスパイラルのトークショーで、
なにげなーく「タカハシイッショー」と。
お客さんはなんとなく流してましたが、
私は聞き逃しませんでした。冷や汗が出ました。
森下
まぁ、「阿部サダトラ」って言っちゃう人が
働いている会社の社長ですからねぇ。
あやや
げふん、げふん、げふん。
──
もう、ほんと、すみません。
あやや
ともかく、高橋一生さんも阿部サダヲさんも、
もっともっと露出して大丈夫ですよ!
荒井
すみません、「イッショー」ではないですが、
じつは自分もけっこう長い間、
「タカハシ・カズオ」だと思ってました。
森下
ははははは!
──
荒井先生‥‥。
あやや
ほらほら、まだまだです!
もっと出ていいですよ、高橋一生さん!
男性視聴者はまだまだ名前を覚えてない!
──
まぁ、でも、ほんとそうかもしれない。
荒井
うん(笑)。
あやや
しかもね、最近の売れてる俳優さんて、
みんな薄顔なんですよ!
だから、すごく出てるのに、
そういう印象がないというか。
そのへんも覚えられない原因かもしれない。
森下
それはつまり、坂口健太郎さんとか。
あやや
そうですそうです!
星野源さんを筆頭に、竹内涼真さんとか、
このドラマに出てる田中圭さんとか。
ディーン・フジオカさんだって、
顔だけみれば薄いですよ。
森下
あー、薄いね、みなさん、素敵に薄い。
荒井
それは、逆にいうと、
薄い顔のほうが長持ちするっていうこと?
あやや
そうかもしれません。
あとね、薄い顔のほうが、
「わたしが引っ張ってあげなきゃ!」って、
女心をくすぐるところがあるんですよ。
──
そうなの?
あやや
誰が見ても「二枚目!」っていう濃い人は、
自然と注目されていくんですよ。
でも、薄い顔の人だと、
「あれ? なんかこの人、いいけど、
 みんな、知ってるのかな?」と。
森下
「わたしが応援してあげなきゃ!」
みたいな気持ちになるのね。
あやや
そうそうそうそう。
濃い俳優さんはちょっと映ってるだけでも
画面のなかで勝手に目立つし。
もう、どこにいても
「橋本じゅん!」みたいな。
──
橋本じゅんさんと比べるのは、
軸が違いすぎるだろう。
森下
(笑)
荒井
「近藤どの」と比べたら
たいていの人は薄顔になってしまいますよ。
あやや
ともかく、時代は薄顔ですよ。
そして、それは女優さんにもいえるかもしれない。
なんですか、この、はかなさは!
石田ゆり子さん‥‥
なんですか、この生まれたてのゆり子は。
森下
ええのぅ、ゆり子は、ええのぅー。
あやや
生まれたてすぎる!
荒井
奇跡だよなぁ。
──
石田ゆり子さんのよさについては、
この連ドラチェックでは、
ブレイクする前から、
ずーっと言ってましたからねぇ。
あやや
「朝起きたら石田ゆり子になっていたい」
という森下さんの名言もありました。
森下
ハイ、もちろん、私、
ゆり子のメイク本、買いました。
あやや
えっ、じゃあ、もしかして、森下さん、
いま、ゆり子のメイクですか?
森下
うーん、ところがね‥‥
ゆり子のメイク、真似したいと思っているの。
いますぐにでも、ゆり子になりたいの。
そのための本も買ったの。
だけど、持ってるのを使い終わらないと、
ゆり子にはまだなれないの。
──
‥‥どういうこと?
あやや
あーー、なるほど。
つまり、化粧品やメイクの道具が。
森下
そうなの!
ゆり子のメイクブックに載っている
メイク道具がまだ買えないの。
なぜなら、前のがまだ残ってるから。
使い切ってないから。
──
そ、そういう問題(笑)?
森下
だって、いま使ってるの、残ってるし。
それ、捨てるの? 使い切るでしょ。
使い切ってから、ゆり子になるでしょ。
──
ははははは、ダメだ、おもしろい。
あやや
わかります、わかります。
森下
わかるでしょ? 当然でしょ? だから、
「今日からゆり子になるぞ」じゃなくて、
「これ使い終わったら、ゆり子になるぞ」という。
荒井
おもしろい(笑)。
あやや
それは完全に、ゆり子世代の考え方ですよね。
20代だと、新しいのすぐ買いますね、たぶん。
森下
ありえないから!
使い切ってカスカスになってから、
買い足していこうかなと思ってる。
──
ゆり子世代、
アクション起こすまでにタイムラグが‥‥。
あやや
あ、だから、これね、
化粧品メーカーの人に伝えてあげたいですね。
たぶん、ゆり子のメイクブックに
メイク道具が紹介されて、
品切れとか期待してたと思うんです。
たくさん準備してたと思うんです。
でも、おそらく、思った以上に動きが鈍い。
──
わははは、つまりそれは、
「前のを使い切ってない」から!
森下
40代は使い切ってから買いに行きます。
あやや
化粧品メーカーのみなさん、大丈夫です!
使い切ったら買うから、大丈夫です!
いま在庫抱えてるかもしれないけど、
いずれ動きます、それ。
長いスパンではけていきます!
荒井
ふははははは。
──
おもしろいけど、完全にドラマの話じゃない!
しかもまだ1本目だぞ!

奥様は、取り扱い注意

日本テレビ●水曜22時


あやや
これ行ってみましょう、
『奥様は、取り扱い注意』。
森下
綾瀬はるかちゃんだ。
あやや
広末涼子さんも出ますね。
荒井
本田翼さんも。
──
けっこう豪華ですね。
森下
そうですね。
あやや
豪華ですねぇ。全員、きれい。
荒井
主役級3人そろえたって感じするなぁ。
あやや
綾瀬はるかちゃんがセレブな専業主婦の役で、
「料理も掃除も超苦手、
 正義感が超強く、怒らせたら超凶暴」と。
ちょっとおもしろそう。
で、旦那様役が西島秀俊さん。
森下
「夫にも内緒の過去」があるらしい。
あやや
このドラマ、ちょっと気になりますよね。
荒井
本田翼さんって、いいんですよね、いま。
あやや
ね。
──
おお、「荒井の目」が作動している。
荒井
まえから活躍している人ですけど、
最近、いいんですよ、本田翼さん。
『わにとかげぎす』っていう
深夜のドラマがすごくよかったり。
あやや
わかります!
どのドラマに出ても安定してた頃から
完全にひと皮むけて、すごく存在感が出てきた。
演技もいいですし、顔の表情ひとつとっても
いままでと変わってきて、
「あれ? 誰だっけ、この子?」って、
一瞬「本田翼」を忘れさせてくれるような
瞬間があるんですよ。
森下
ああ、たしかに変わった気がします。
荒井
『わにとかげぎす』は相手役が
くりぃむしちゅー有田さんで、
男性視聴者はみんな嫉妬しましたよ。
有田、うらやましい、って。
あやや
ちなみに本田翼ちゃんって、
ゲーム好きなんですって、もう半端ないぐらい。
ドラクエマニアで休日はずっとやってるらしい。
森下
へぇ、ゲーマーなんだ。
荒井
そのあたりも男性視聴者にとっては
好感が持てるのではないかと。
あやや
そんな本田翼さんに注目しつつ、
この『奥様は、取り扱い注意』、
脚本家は金城一紀さんです。
前回は小栗くんの『CRISIS』でした。
『SP』もおもしろかったです。
で、わたし、金城さんのドラマが好きで
ずっと注目して見てるんで、わかるんですけど、
なんか最近、セリフが変わったんですよ。
こう、ポップになった。
これ、なんなんでしょう?
荒井
作風が変わったっていうことですか?
あやや
なんかね、いままでだったら、
言わないようなセリフを
出てくる人たちが言うんですよ。
──
それは、ドラマの設定が
変わったからということじゃなく?
あやや
そういうんじゃないんですよ。
──
文体が変わったっていうこと?
脚本でそういう変化ってあるんですか?
森下
あるんじゃないかと思いますよ。
脚本の場合、作風が変わるというよりは、
こう、心の中に別の人格ができるというか。
あやや
はーー、そうなんだ。
森下
たぶん、そういう人格がたくさんあったほうが、
いろんな物語が描けるんじゃないでしょうか。
あやや
たしかに、物語も変わってきた感じがします。
なんか、単純にたのしめるというか、
スコーンと抜けるようなおもしろさが
加わってきたというか。
だから、このドラマもたのしみです
綾瀬はるかちゃんもかわいいし。
森下
いま、ポスター撮影の
メイキング動画見てたんですけど‥‥。
はるかちゃん、顔、つやっつややなぁ。
あやや
もう、つやっつやですよ。
広末涼子さんも、きれいですねぇ。
荒井
いい感じでキープしてますよね。
あやや
キープしてる、キープしてる。
ほんと、全員主役級。
荒井
全員きれいです。
森下
いいですねぇ。
あやや
ほんとに助かります。
──
「助かります」(笑)。
あやや
あの、私ね、最近、結論が出たんです!
言ってもいいですか?
一同
言うんでしょ?
あやや
やっぱりね、芸能人は、「顔」です!
森下
ぶはっ。
──
ふはははは!
荒井
なにを、いまさら(笑)。
あやや
すみません、いままで、いろいろと、
さまざまな角度から、ことばを尽くして
芸能人について語ってきましたけど‥‥。
森下
あややの結論としては
「芸能人は見た目が100パーセント」?
あやや
はい、ほんとに、「顔」!
見ててラクなんですよ、正直言って。
もちろん、ドラマはいろんな個性の
役者さんがいてこそ成り立つんですけど、
メイン張ってる役者さんは、やっぱり「顔」。
顔がきれいだと、見てて、めっちゃラク。
なんでそう思ったかと言うと
『コード・ブルー』なんです。
山Pとか、ガッキーとか見てて、
ほんとに、心から、そう思ったんです。
もうラクだわぁ、いいわぁ‥‥って。
──
それは、「画が持つ」っていうこと?
あやや
そうっ!
森下
ストレスないもん、ってこと?
あやや
そうっ!
画面に大きく映っている「顔」がきれいだと、
いいわぁー、ほんと、いいわぁー、って、
ラクな気持ちでドラマを観れるんですよ。
荒井
うん、ある。
あやや
あるでしょ? そうなんですよ。
武井咲ちゃんの『黒革の手帖』なんかもね、
ラクですよー。
──
「顔がきれいだとラク」(笑)。
身もフタもないなぁ。
あやや
でも、ほんと、そう思うんです。
『直虎』の柴咲コウさんもラクですよー。
どんなにつらくても、きれいだと、ラク。
──
ここにお話をつくっている脚本家がいるのに。
あやや
いやいやいや、脚本のおもしろさとは、
もちろん別の話なんです。
森下
(笑)
あやや
でも、推測するに、森下さんも、
あと、岡本プロデューサーも、
主役はきれいな人がいい派でしょ?
森下
ああ、岡本さんは、とくにそうですね。
「私、女優は美人が好き」って言ってました。
男はそんなに美形が好きなわけではないと思う。
あやや
いや、ほんと、女優さんはとくに「顔」。
顔がきれいだと、らく。
そういう結論です。
──
じゃあ、主役級を3人そろえた
このドラマは勝ったも同然じゃないですか。
あやや
そうなんです!
みなさん、このドラマは
見ていてラクですよ!

水戸黄門

BS-TBS●水曜19時


──
もう1本行きましょう。
あやや
じゃあ、ちょっと変わったところで、これ。
『水戸黄門』。すごいですよ。
なんと、水戸黄門役が、武田鉄矢さんです!
森下
ああ、先生が!
あやや
武田鉄矢先生が黄門さまに!
荒井
これ、BS-TBSなんですね。
──
え、じゃあ、地上波では見られないってこと?
あやや
そうなんです。しかもね、
今回の『水戸黄門』、
じつはものすごく画期的なんです。
あのね、旅番組を足したんですよ!
──
どういうこと?
あやや
黄門さま御一行が地方に行くでしょ?
すると、その地方の伝統芸能とか、
名産品とかを紹介していくらしいんですよ。
森下
おぉーーー。
──
え、それは、ロケ地として行った場所で?
あやや
そうなんです。
何気なく御一行が郷土料理を食べたり、
お祭りに参加したり、たぶん、
黄門さまの蘊蓄なんかもたっぷり‥‥。
荒井
ありそう、ありそう。
あやや
旅番組としての『水戸黄門』。
これはなかなか新しい試みじゃないかと。
──
まさか食レポしたりとか。
あやや
あるかも(笑)。
森下
各地の伝統芸能や工芸品を紹介したあとに、
「その商品が買えます!」という
流れになっても不思議じゃないですよね。
あやや
不思議じゃない、不思議じゃない(笑)。
荒井
しかし、この『水戸黄門』、
レギュラーのキャストが少ないですね。
──
あ、たしかに。
武田鉄矢さん以外だと‥‥。
あやや
なるほど、ちょっと地味ですね。
助さんと格さんが、このふたり、ふむ。
ごめんなさい、知らない方です。
風車の弥七の津田寛治さんはわかるけど。
森下
まあ、でも、そこでお客さんを
呼ぼうとしてないでしょ。
あやや
そうですね。割り切ってます。
荒井
しかし、
うっかり八兵衛もいないですよ、これ。
森下
ああっ、それどころか!
重要なあの人がいない!
あやや
まさか?
森下
由美かおるさん的ポジションが
いないじゃないですか!
あやや
えーーーー、うそでしょ!
まだ明らかにはなってないですけど、
いるんじゃないですか?
森下
どうなんだろう。
でも、いまのところいないよね。
由美かおるさん的ポジション。
BS-TBSに聞いてみたい。
「いないけど、いいの?」って。
荒井
‥‥いなきゃダメですよ!
──
わははははは。
森下
納得しないよね(笑)。
あやや
美女がお風呂入んないと(笑)。
──
あっ、旅先にいるんじゃない?
森下
どっかで出会う的な?
──
つまり、毎週、お風呂に入る人が変わる。
旅先に都度、出会いが。
あやや
『寅さん』の要素も入れるってことですか!
森下
由美かおるマドンナシステム!
東北の旅先でばったり出会う、
週替わりの温泉むすめ!
──
「週替り温泉むすめ」(笑)。
あやや
あれ? そもそも、あの入浴シーンは、
どういう意味があるんでしたっけ?
黄門様が温泉で由美かおるさんに
鼻の下伸ばしませんよね。
じゃあ、誰が伸ばすんですか?
荒井
視聴者でしょ。
あやや
ああ、視聴者か、鼻の下をのばすのは!
森下
「第一話ゲスト『金八ファミリー』も出演」
って書いてあるんだけど、これは誰?
あやや
あれですよ。
加藤優が出るんですよ、加藤が。
──
えっ、加藤が出るの?
「腐ったミカン」の?
「松浦ーー! 加藤ーー!」の加藤?
森下
うそーー。
あやや
たぶんそうですよ、ほら、この写真。
──
‥‥どれが加藤?
あやや
真ん中。
──
えっ!
森下
ええっ! ああ、ほんとだ!
──
うわーー!
あやちゃんよくわかったね。
あやや
これ「腐ったミカン」の人ですよね?
荒井
え、世代的に、
『金八先生』は見てないでしょう?
あやや
リアルタイムでは見てないです。
でも、私、なぜ加藤がわかったかと言うと、
この加藤役の直江喜一さん、実は、
「あの人はいま」みたいな番組の常連なんです。
荒井
ああー、たしかに、ちょくちょく出てますね。
あやや
だから、じつはぜんぜん
「あの人はいま」じゃないんです。
けっこう常連なんですよ。
荒井
たしか、建設会社に勤めてて。
あやや
そうそう、けっこう偉い人。
──
一瞬歌手デビューしてたよね。
森下
そうでしたっけ。
──
え、じゃあ、また役者になったってこと?
あやや
ときどきやるみたいです。
出るのは嫌いじゃないから、加藤は。
だから、加藤は、じつは、
ぜんぜん加藤じゃないんです、実生活。
放送室に立てこもったりしないんです。
──
あの、このあたり全体のことが、
若い人たちにはまったく
わからないのではないかと‥‥。
荒井
まあ、若い世代は『水戸黄門』については
そもそも興味がないから、
このへんは読んでないかもしれません。
あやや
ともかく、加藤が出ます。
──
由美かおるさんは出ないが、加藤は出る。
森下
由美かおるさんは出ないが、加藤は出る。
荒井
由美かおるさんは出ないが、加藤は出る。


(まだまだ、のんびり、つづきます)
2017-11-03-FRI

(C) HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN