ほぼ日テレビガイドシリーズ秋の連ドラチェック2018 あややとふたりのプロフェッショナル
第5回
あの人が二枚目役で出演? 漫画原作2本!
さぁ、そして、おすすめの1本は?

大恋愛~僕を忘れる君と

TBS●金曜22時

あやや
TBS金曜日の10時、
『大恋愛~僕を忘れる君と』、行きましょう。
ムロツヨシさんが、ここまで上り詰めました!
──
主演なんですか?
森下
なんと、ラブストーリーの
メインの役なんですよ。
あやや
戸田恵梨香さんの相手役。
荒井
コミカルな路線ではなく?
森下
どシリアスですよ。
だって、奥さんがアルツハイマーになって
いろんなことを忘れていく‥‥というお話です。
あやや
純恋愛ですよ。
でも、これ、ちょっと切なすぎません?
残酷すぎません?
ムロさんがようやくつかんだ
高嶺の花なのに‥‥。
森下
いや、そういう役ですから(笑)。
──
戸田恵梨香さんがアルツハイマーを患う人で、
その恋人がムロさん。
あやや
そう。
荒井
けっこう話題になりそうな予感がしますね。
あやや
私もそう思います。
荒井
ムロさんがシリアスをやるっていうだけでも、
見たくなりますよね。
森下
たぶん、このドラマは、ムロさんの
ターニングポイントになると思うんです。
あやや
森下さん、すばらしいじゃないですか、
そのコメント。
きっと将来、引用されますよ。
森下
そう? じゃ、もいっかい言っとこうかな。
‥‥たぶん、このドラマは、ムロさんの
ターニングポイントになると思うんです。
あやや
いいですねー。
念のため、もう一回言っておきましょう。
森下
たぶん、このドラマは、ムロさんの
ターニングポイントになると思うんです。
荒井
何回言うねん。
──
何回言うねん。
森下
でも、ほんと、ムロさん、
がんばるんじゃないかと思っていて。
最初はムロさんがふつうに芝居するの?
ってびっくりしたんですけど、
いまはたのしみでしょうがなくて。
荒井
いや、たのしみです、ほんとに。
あやや
‥‥‥‥ああ、いや、いまね、
予告動画を見て、びっくりしました。
私、早くもびっくりしたんですけど、
ちょっとほんとうにびっくりしました。
──
あやちゃん、
「びっくりした」しか言ってないよ。
あやや
いや、しっくりきてるんですよ。
とてもしっくりきてます、ムロさん。
森下
ね、成り立ってるんですよ。
あやや
そう、ぜんぜん、成り立ってる!
荒井
「成り立ってる」というのも
失礼な話ですが(笑)。
森下
ムロさんって、おもしろい人扱いされてるけど、
横にすごいイケメンを置かなければ、
ふつうにイケメンなんですよ。
あやや
わかります、わかります。
じつはうちの会社に
ムロツヨシさんの大ファンの女の子がいまして、
とにかく、ムロさんの話をすると、
もう、涙目になるぐらい好きなんです。
お芝居を観に、なんと九州まで行ったり。
森下
「muro式」だね。
あやや
もう、ぜんぶ追っかけるんですよ。
その子が、もう、ほんとに真顔で
ムロさんはかっこいいと言ってて。
──
糸井さんも、よく言ってるよね。
俳優でテレビに出てるような人は、
基本的に全員二枚目なんだ、と。
三枚目や脇役を演じているような人も、
ふつうに街にひとりでいれば、
間違いなく二枚目なんだよ、と。
あやや
私ね、西田敏行さんの
高校時代の集合写真見たときそう思いました。
ほんとに、ひとりだけイケメンなんですよ。
それが福島にいたころの西田敏行さん。
つまり、やっぱり役者やる人って、顔がきれい。
森下
芸人さんもわりとそうだよね。
けっこうハンサムです、みなさん。
あやや
あと、ムロさんって、
私の勝手なイメージかもしれませんけど、
ちょっと悲しさというか、哀愁がありますよね。
すっごく器用にいろんな役やるし、
コミカルな役もやるんだけど、
目に憂いがあるというか。
森下
濡れてるんだよね。
あやや
そうそうそう。
ちょっと悲しげなんですよ。
それが、色っぽかったりもするので、
こういう恋愛モノで、
しかも相手がアルツハイマーで、
自分のことをだんだん忘れてしまうという‥‥
という役はすごくハマるんじゃないかと。
森下
あの、恐れ多いたとえになりますけど、
チャップリンって、おもしろさの中に、
物悲しさがすごいあるじゃないですか。
なんか、ああいうふうに
演じてくれるんじゃないかと思うんですよ。
あやや
あああ、なるほど、チャップリンかぁ‥‥。
いや、いまの森下さんの話で、私も思い出しました。
おもしろいんだけど号泣しちゃうっていう感覚を‥‥。
私がそれで個人的に思い浮かべる映画はね、
『ライフ・イズ・ビューティフル』。
森下
『ライフ・イズ・ビューティフル』ーー!
あやや
ですよねーー!
荒井
両者、手を握り合っています。
森下
そうなのぉー!
あと、『カッコーの巣の上で』とかーー!
あやや
あーーー!
‥‥ハンカチもらっていいですか。
森下
‥‥ティッシュ、ティッシュ。
荒井
なにもいま泣くことはない。
──
ははははは。
あやや
私、はじめてかもしれないです。
連ドラチェックで、
もう想像するだけで泣いてしまった。
森下
泣いてしまったね(笑)。
あやや
もう、ムロさんが気の毒で気の毒で‥‥。
──
そういう泣き方なの。
荒井
まだはじまってもないですから。
あやや
でも、このお話の構造は、
どうやっても泣いちゃいますよね‥‥。
──
同じ構造の話でいうと、
渡辺謙さんと樋口可南子さんの
『明日の記憶』とか。
森下
『きみに読む物語』とか。
あやや
『私の頭の中の消しゴム』ね。
森下
山田孝之くんと長澤まさみちゃんの
『50回目のファースト・キス』。
荒井
ここでこそ、
あのタイトルを言うべきでしょう。
『アルジャーノンに花束を』。
森下
あー、そうだ! ここだった!
──
ちなみに、ムロさん以外はどうでしょうか。
あやや
お相手は戸田恵梨香さんです。
ええと、いま動画を見たところ、
いい感じでムロさんに寄り添ってる感じがします。
雰囲気がいいというか、空気ができてるというか。
森下
そこはやっぱり、
ムロツヨシさんのナチュラルボーン営業的な、
天性の力なんじゃないですか。
ムロさんといるとね、ほんとなごむの。
まわりがぜんぶなごむんですよ。
気遣いもすばらしいし、
いちいちみんなにおもしろい話をふるし。
荒井
ああ、じゃあ、ムロさんを
みんなが自然に好きになってしまうというか。
森下
うん、みんな好きになっちゃう。
あやや
よく、俳優さんたちがトーク番組とかで、
ムロさんをほめてますものね。
森下
もう、天性ですね、あれは。
──
スタッフをのぞいてみると、
あ、脚本は、大石静さんです。
あやや
大石静さんなんだ、よかった、よかった。
でもこれヤバいな、
私、毎週泣いちゃうかもしれないです。
荒井
奥さんがアルツハイマーで
どんどん忘れていくという話を
大石静さんが書くのか‥‥。
うん、これはけっこう泣く。
森下
聞いた話なんですけど、今回、
大石さんの脱稿が早かったらしいんですよ。
だから、たいへん快調に書かれた作品、
ノッて書かれたということでじゃないかなと。
あやや
うわー、脚本家ならではの情報と分析。
説得力、あります。
──
ほかの役者さんを見ていくと、
TOKIOの松岡昌宏さんが精神科医役。
あやや
ああ、いいですね。
荒井
サンドウィッチマンの富澤たけしさんもいますね。
森下
私、サンドウィッチマン好きです!
あやや
私も好きです!
荒井
おもしろいですよね、サンドウィッチマン。
──
ぼくももちろん好きです。
サンドウィッチマンは
みんな好きなんじゃない?
あやや
そうそう、老若男女、
みんなサンドウィッチマンさんが好きですよね。
──
ちょっと何言ってるかわからない。
あやや
なんで何言ってるかわかんないんだよ!
荒井
夏樹陽子さんもいますね。
これは何の役ですか。
──
井原侑市の母親。
つまり、TOKIOの松岡さんの母親役ですね。
森下
あと、杉野遥亮くん。
TBS連続ドラマ初出演だそうです。
荒井
草刈民代さんもいいですね。
あやや
ああ、いいですねー。
森下
これ、人数少ないんですけど、
とってもいい感じでキャスティングされてますね。
あやや
そう思います。派手さはないけど、
すごく真面目につくってる感じ。
いや、ほんと、このドラマ、
泣いちゃいそうだなー。
荒井
これ、ポイントは、やっぱり、
ムロさんが真面目な役をやるということですよね。
ふだんコミカルな演技が多いムロさんが、
真面目な演技をすると
自然に引き込まれちゃうと思うんですね。
それでこういう内容だと‥‥
けっこう泣いちゃうんじゃないかな。
森下
こんなの泣くよー、って感じになるのかな。
あやや
大丈夫です、目が腫れても、
翌日は土曜ですから、誰も気にしないです。
森下
あ、そうか(笑)。
荒井
(笑)
あやや
あらためてこれ、
さっき森下さんもおっしゃいましたけど、
ムロさんにとって大きな転換点に
なるのではないか、というドラマですね。
森下
あのね、『直虎』で、
ムロさんとお仕事したときに
ちょっと真面目に話したことがあって、
役者として食っていけるようになることが
とにかく目標だったんですって、ムロさんの。
だから、いま役者として食えるようになって、
その先なにをすればいいか、
正直わからないんです、と。
あやや
ああー、そうなんだ。
荒井
正直ですねー。
森下
それ、僭越ながら、
私もすごくわかると思って。
私も脚本書いて食っていけたらそれでいいな
と思ってやっていたから、
まぁ、なんとか食えるようになったいま、
さらにビジョンはありますか、
と言われると、答えに困る状態なんです。
あやや
そうなんですか。
森下
そうなの。
あやや
なにか、私でよければ相談にのりましょうか。
──
!!!
す、すごい返し方するなぁ!
荒井
このシリアスな流れでその展開。
あやや
え、どういうこと?
森下
いや、相談にのってください(笑)。
荒井
すみません、いい話の続きを聞かせてください。
森下
いえ、ですから、お互いにつぎのビジョンが
なかなか見えなかったなかで、
ムロさんと、じゃあ、お互い
がんばらなくちゃですねー、
という話をしたことを、いま思い出して、
ムロさんがこのドラマをやるということに、
なんかすごく胸にくるものがあります。
荒井
いい話ですね。
ありがとうございます。
あやや
このドラマ、一気に本命感が出ましたね。
森下
私の思い入れが、ちょっとだけ強くて(笑)。
あやや
いやいやいや、
ふつうにたのしみです、このドラマ。
荒井
そうですね、おもしろそうです。

中学聖日記

TBS●火曜日22時

あやや
『中学聖日記』、行っちゃいましょう。
有村架純ちゃんです。
荒井
おっ、主演の連ドラは『いつ恋』以来かな。
──
『いつ恋』?
あやや
ええっとね、わかるよ、あのね、
『いつかきっと恋をいつか泣いてしまう』。
荒井
はい、違います。
『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』。
あやや
それ、それ。
──
ありがとうございます。
あやや
で、このドラマは人気漫画のドラマ化です。
ちなみに『中学聖日記』の「聖」の字は、
「聖(ひじり)」です。
森下
有村架純ちゃんが女の先生役ね。
あやや
片田舎の中学校に赴任してきた新人教師で、
ちょっとがんばったら手が届くかも‥‥と、
男子に勘違いさせちゃうような、
ふわふわっとした女性、という設定です。
キャスティング的には申しぶんないですね。
いま、お嫁さんにしたい女優、
ナンバーワンじゃないですか。
荒井
こんな先生が来たらたいへんです。
森下
これ、私、原作を読んでるんですが、
おもしろいんですよ。
ただ、この先生がどうもつかみきれなくて、
なかなか気持ちが入らなかったんですが‥‥
でも、お話自体はおもしろい。
あやや
あ、私もそれ、感じました。
でもあれが、逆にリアルなのかな、とも。
ふわふわっとしてる女性に
中学生男子が憧れるっていう。
森下
ああ、それは、そうかも。
あやや
そのあたりがドラマでどう表現されるかは、
ちょっと見どころですね。
荒井
脚本は、金子ありささん。
森下
『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』
とか書かれた方です。
あやや
あれ、おもしろかったです。
じゃあ、けっこう期待しちゃいますね。
有村架純ちゃんって、みなさん、どうですか。
私、嫌いじゃないっていうか、
『SPEC』の頃なんかはすごく好きだったんですよ。
森下
あ、かわいかった。
あやや
かわいかったですよねー。
荒井
下積み、けっこう長かったんですよね。
あやや
そうなんですよ。
みんな『あまちゃん』で知ったんだけど、
『あまちゃん』の前から出てるんです。
ただ、最近、あれ、この人のよさって、
そもそもなんだっけ、という感じになっていて。
荒井
かなりいろいろ出てますからね。
森下
うん、なんとなく、わかります。
あやや
だから、そういう感じのときに、
このふわっとしたキャラクターを演じるのが、
はたしてどんなふうに感じられるか‥‥。
荒井
このお相手の中学生男子は、新人ですかね。
森下
この子、ちょっと気になりますね。
わりといそうなんだけど雰囲気があるというか。
──
岡田健史さん、だそうです。
あやや
あ、新人ですね。
たしかに、いい顔してます。
森下
なんか、妻夫木くんに似てる感じ。
あやや
そうそうそうそう。
荒井
うん、かっこいいですね。
──
おお、全員が好印象。
あやや
だから、もしかすると、この子、
明日のスターですよ。
というか、1ヵ月後ぐらいのスターですよ。
森下
「明日」じゃなくて「1ヵ月」(笑)。
荒井
あ、誰かに似てると思ったら、
能年ちゃんみたいな顔してる。
──
あ、ほんとだ。
森下
あ、似てる、似てる(笑)。
あやや
ほんと、すっごい似てる。
能年玲奈ちゃん、復活!
──
違うから。
荒井
ドラマの筋としては、
この男子中学生とふわっとした教師が
恋に落ちる話なんですよね。
あやや
そうですね。マンガの原作は、
ラブストーリーがど真ん中にあるというよりも
14歳、15歳という、思春期の男子のね、
悶々とした感じが描かれてる感じです。
森下
そうそう。
あやや
そこの繊細さみたいなものが
うまく描かれたら見ちゃうだろうなあと思います。
ちなみに森下さんは、こういう、
切ない学園モノみたいなのやらないんですか。
森下
いまの私はやってるうちに
親目線になちゃいそう(笑)。
でもお話としてこの手のものは嫌いじゃないです。
もっとえげつない感じのとかも。
荒井
「えげつない感じ」(笑)。
森下
たとえば『先生の白い嘘』という
漫画があるんですけどね、
これも女の先生と生徒の話で、
こっちは高校生なんだけど、
先生がね、友だちの彼氏に強姦された
という過去を持っていて‥‥。
あやや
わあ。
森下
ある孤独な高校生にそのことがバレて、
そのことを通してふたりが、
いままでの人生を再構築していくという。
話はえげつないんだけど、
そこには孤独な魂の寄り添い合いがあるという。
あやや
私、それ、見たいです。
いつかドラマにしてください。
森下
読めばわかるけど、映像化は難しいと思うなぁ。
でも、このジャンルって、
行っちゃいけないとこに行くから、
恋の本質みたいなのが見えてそこがいいんだよね。
あやや
そういう禁断の学園の恋を、
森下さんの脚本で膨らませてほしいなぁ。
森下さんかシェイクスピアに。
──
「森下さんかシェイクスピアに」!
荒井
同じ、脚本家として扱ったんですね。
森下
光栄すぎて呪われそうだから取り消して。
あやや
あれ? なんか変だった?
──
大丈夫(笑)。
荒井
しかし、これ、まぁドラマなんですけど、
中学校に有村架純さんタイプの先生が来たら、
やっぱり男子はざわめきますよね。
──
っていうか、ないでしょ。
荒井
ないです。
だから、たとえばですけど、ほんとに来たら。
あやや
有村架純ちゃんの、
押しに弱そうな感じなんだけど、
ちょっと意志が強い、みたいなところは、
そういう意味でははまりそうですね。
ちょっとこう、行けそうな感じがするというか。
荒井
バカな男子が勘違いする感じだ(笑)。
森下
そういえば、むかし、うちの夫が、
メグ・ライアンとは付き合える気がする、
って言ってた。
一同
(笑)
森下
メグは俺のこと好きになってくるかもしれない、って。
絶対、ないのに。
荒井
「メグ」って(笑)。
森下
メグ・ライアンのどこを取ってそう思うの?!
って思うんだけど。
あやや
わかります、わかります。
でも、それを感じさせる人っているんですよね。
森下
「好きになってくれるかもしれない感」というね。
あやや
私が10代の頃で言うと、クラスの男子が
和久井映見さんとか、坂井真紀さんとかに、
おんなじことを言ってましたよ。
森下
ああー(笑)!
あやや
「なんで和久井映見、好きなの?」って訊いたら、
「なんか、ちょっとがんばれば落とせそうじゃん」って。
バカかおまえは、って。
荒井
ははははは。
あやや
「俺に振り向いてくれるかもしれない」って
ほんとうにクラスの男子が言ってたんですよ。
振り向いてくれるかっつーの。
森下
まぁ、振り向いてくれないですけどねー。
荒井
ヤング男子はバカだなぁ。でもわかる。
あやや
私ね、バカだなぁと思ってたけど、
でもそういうジャンルで人気のある人って、
いつの時代にもいますよね。
お嫁さんにしたい女優さんランキングとか、
もう、ほぼそれで選ばれてるような気が。
森下
ああ、そうかもしれない。
あやや
あと、じつはそのジャンルって、
男女問わずあるんですよ。
だから、女性から見て
「振り向いてくれるかもしれない」
っていう男優さんもいるわけです。
森下
あ、そうだね。
──
たとえば、誰ですか。
あやや
田中圭くんとかが、そうなんじゃないですか。
荒井
ああ、『おっさんずラブ』。
あやや
あと、星野源さんとかも
広い意味でそのジャンルなんじゃないかなぁ。
っていうか、いま流行ってる俳優さんは
たいてい、そのジャンルなんじゃないですか?
──
つまり、近寄りがたいかっこよさじゃなくて、
親しみやすさをベースにした魅力。
あやや
そうそうそうそう。
ちなみに私は、芸能って夢だと思ってるんで、
芸能人は、やっぱりスターであってほしい。
だから、木村拓哉さんとか、小栗旬さんとか、
斎藤工さんがいいんですよ。
だってそんな人、学校にはいないでしょ?
いるわけないでしょ?
だからこそ、スターなんで。
綾瀬はるかちゃんも、長澤まさみちゃんも、
上戸彩ちゃんも、みんな夢の領域の人なんですよ。
学校には決していない。いちゃだめ。
森下
わかる!
この話で、一晩中語れるよ、あやや。
──
その話は居酒屋でやっていただくとして、
ドラマの話をしてください。
あやや
生、おかわりー。
森下
あの‥‥言ってもいいですか。
荒井
おお、森下さんが。
じゃあ‥‥言うんでしょ。
あやや
言うんでしょ。
──
言うんでしょ。
森下
このドラマって、
男の人、見ないと思うんですよ。
完全に女性ターゲットでしょ。
荒井
う‥‥そうかも。
あやや
そうですよ。
森下
だってさ、『魔女の条件』のとき、
誰もタッキーの立場で
ドラマ観てないじゃない?
あやや
そりゃもう、松嶋菜々子目線ですよ。
森下
松嶋菜々子さんの立場から、
「タッキー来たら、どうしよう」
とか思って見るわけで。
あやや
同様に、江角マキコさんの立場から、
「山Pが来たら、どうしよう」って。
森下
あ、それも、
脚本は金子ありささんですよ。
山Pが来るやつ。
あやや
へぇー、そうなんですか。
『それは、突然、嵐のように…』ですね。
あれ、よかったですよね。
森下
そっか、金子さんはこの手の
歳の差モノ、書いたことありなんですね。
あやや
そうですね。
森下
で、話戻すと、女性視聴者からみて、
先生と男子中学生の恋がどう見えるか、
ということになりますよね。
荒井
ということは、この相手役の男子の
魅力次第ってとこがありますね。
森下
そこは大きいですね。
あやや
新人だし、期待しちゃいますね。
タッキーみたいになるといいけど‥‥。
森下
ということで、がんばれ、岡田くん!。
あやや
そういえば、タッキーのクレイジージャーニー、
見ました?
森下
火山の火口まで行っちゃうんだよね。
あやや
私、あれ見て
完全にタッキーファンになりました。
森下
わかる。あれ、好きになるよね。
あやや
もう、タッキー、
まじで仕事めっちゃできるし、
頭もいいし、気遣いもできるし、
顔もかっこいいし‥‥。
荒井
あ、また居酒屋モードに‥‥。
──
さあ、つぎが最後のドラマです!

今日から俺は!!

日本テレビ●日曜日10時30分

あやや
さぁ、最後はこれ、行きましょう!
日本テレビ、日曜10時半
『今日から俺は!!』。
森下
す、すごいビジュアルですね(笑)。
──
『今日から俺は!!』って
もともと漫画ですよね。
それも、けっこう古い漫画。
荒井
少年サンデーですね。
1990年代の連載だと思いますけど。
森下
これは、どういうジャンルの?
荒井
まぁ、こういうヤンキー漫画なんですよ。
ヤンキーたちが主人公のギャグ漫画。
あやや
読んでました?
荒井
読んではないですね。
──
でも、絵が特徴的だったから、
憶えてはいるというか。
荒井
そうですね。
森下
まあ、このドラマのトピックは
なんといってもこれでしょう、
脚本・演出、福田雄一!
あやや
(拍手)
福田雄一さんが漫画をドラマ化すると
おもしろいですからねー。
──
他にはどんな作品が?
荒井
『アオイホノオ』
『スーパーサラリーマン佐江内氏』
『銀魂』‥‥たくさんあります。
あやや
そして、なんか、だいたいおもしろい。
荒井
これ、どうやって実写化するんだ、
みたいなのをつくるのが上手なんですよね。
あやや
そうそうそう。
森下
だから、このドラマもきっと、
くだらないところはなんぼでも
ふくらますと思うんですよ。
あやや
そうですね。
森下
それがみんなにどこまで伝わるかはさておき。
あやや
あはははは。
──
あ! ムロツヨシさんがいるよ。
荒井
ほんとだ(笑)。
あやや
ええー、さっき、あんなにシリアスだったのに!
こっちでは‥‥ふざけた役を?
森下
まあ、絶対、ふざけた役でしょうね。
──
あ、ここに写真がある。
‥‥金八先生みたいなカツラかぶってます。
荒井
落差、はげしい(笑)。
あやや
真面目に演技するムロツヨシさんのことを
あんなに賛美した私たち‥‥。
森下
台無しだよ(笑)。
荒井
これやっちゃうんだね(笑)。
あやや
いえ、役者さんですから、
どんな役も引き受けるのが仕事ですよ。
むしろ、それがかっこいいといえますよ。
でも、でも、なんで、
同じクールでこれ引き受けたかねぇ‥‥。
森下
(笑)
あやや
どうですか、森下さん、
森下
まぁ、当然、わかってて
引き受けてるんでしょうから、
戦略なんじゃないですか。
──
両方できるぞ、という。
あやや
ああ、なるほど。
「なんかムロさん最近変わったねー」
「真面目になっちゃったねー」
とか言われないように。
森下
そうそうそう。
荒井
しかし、そのアピールは、
「真面目になっちゃったねー」って
言われてからでよかったのでは‥‥。
あやや
いえてます(笑)。
──
まぁ、でも、さっき森下さんが言ったように、
両方同時にやってることに
意義を見出しているんじゃないですかね。
あやや
男子はそうやってすぐ、変な意義を見出す!
荒井
すみません。
──
すみません。
森下
まぁ、そのあたりもムロさんっぽいです。
そういう個性なんですよ。
あやや
でもね、森下さん、考えてみてください。
TBSですごく真面目に演技して
それを見て私たちは金曜日の夜に
おそらく泣いて目を腫らすわけですよ。
で、翌々日の日曜日に、これを見るわけですよ!
荒井
ははははは。
あやや
混乱しませんか?
視聴者のみなさまは?
森下
でも、まぁ、こっちには、
ちょっと顔を出すだけっていうかさ、
そんなにたくさん出ないんじゃない?
──
いや、ムロさん、
人物相関図のけっこう重要な位置に
どーんと載ってますよ。
森下
え、そうなの!
わ、主人公の真下じゃないの!
あやや
思いっきり主役たちと
赤い線でつながってますよ。
荒井
はははははは。
あやや
どうなんですか、森下さん。
森下
‥‥永田さん、さっきしゃべった、
シリアスなムロさんの話は、
ぜんぶ削除してもらってかまいません!
──
落ち着いて、落ち着いて。
荒井
ム、ムロさん以外の話をしましょう。
あやや
ええと、キャストがですね、
じつは、かなり豪華なんですよ。
清野菜名ちゃんと橋本環奈ちゃんとか、
あと個人的な超注目株の伊藤健太郎くん!
森下
矢本悠馬くんもいますね。
──
あ、山岸がいる。
『ゆとりですがなにか』の山岸。
荒井
太賀さんですね。
──
吉田鋼太郎さんもいます。
ほんと、豪華ですね。
あやや
やっぱ、福田組って、
集まってくるんですね、人が。
森下
いいチームなんでしょうねぇ。
あやや
あと、ドラマとは無関係なようで、
じつは重要な要素として、
公式サイトがよくできてます。
──
うん、重要!
荒井
これまでドラマをチェックしてきた経験上、
そこは無関係じゃないんですよね。
丁寧につくっているドラマは
公式サイトも丁寧につくってる。
あやや
『おっさんずラブ』がまさにそうでした。
森下
準備期間とか、予算とか、スタッフの数とか、
いろんなことがきちんとできているかどうかが、
公式サイトの品質に表れるんですよね、
あやや
だから、やっぱり、このドラマ、
ちゃんとつくってあるな、と。
荒井
まあ、ふざけたように見えるどんなことも
「わざと」そうしてるってことですよね。
森下
古いヤンキーマンガを
いま持ってくるということ自体、
あえてそうしてるんでしょうから、
これで勝負したい何かがあるんだと思うんです。
あやや
なるほど、そうですね。
これ、福田さんの持ち込み企画なのかな。
森下
それはわからないけど、
やっぱり、勝算あっての企画だと思うので、
おもしろいところは、
おもしろくなるんじゃないのかな。
荒井
あ、テーマソング、ひょっとして横浜銀蝿?
──
『男の勲章』は嶋大輔さんですね。
荒井
あ、そうか。
それを出演者みんなでカバーしてるのか。
こういうところも丁寧ですね(笑)。
森下
『男の勲章』(笑)
もー、なつかしすぎます。
──
なんというか、いろいろ、動機がないと、
やる意味、ほんとにないでしょうから、
その意味ではすごくしっかりと、
丁寧につくってあることは間違いない。
あやや
私、これ、けっこうたのしみですよ。
森下
そうですね。
ムロさんも、きっとたのしいでしょう。
荒井
(笑)
あやや
さぁ! それでは!
おすすめのドラマを決めましょう!

2018年秋、おすすめのドラマは?

──
それでは、今日話したなかから、
おすすめの1本を選んでいきます。
まずは、それぞれ、
自分のおすすめを3本選んでください。
あやや
‥‥はい、決めました!
今回はわりと、迷わず決まった。
──
では、行きましょう。
まずは、あやちゃんのおすすめから。
あやや
行きますよ!
『まんぷく』
『あなたには渡さない』
『大恋愛』。
──
朝ドラ、連城三紀彦さん、
そして、ムロさんのシリアス。
はい、森下さん、どうぞ!
森下
私は‥‥
『まんぷく』
『大恋愛』
‥‥うーん‥‥どっちにしようかな。
あやや
どれとどれで悩んでるんですか?
森下
『あなたには渡さない』か
『獣になれない私たち』か‥‥。
あやや
ああ、私もまったく一緒だった。
森下
じゃあ、獣にしちゃおう。
『獣になれない私たち』。
──
新垣結衣さんと松田龍平さんの
いまどきのラブストーリーが3本目に。
では、最後、荒井先生、お願いします。
荒井
ええーっと、
『獣になれない私たち』
『大恋愛』‥‥。
あやや
おー。
森下
おおおー。
──
もう1本、お願いします。
荒井
『あなたには渡さない』。
あやや
おお!
森下
おお!
──
おおー、すっごい重なってます。
あやや
2票ずつが3本? 4本?
──
いや、『大恋愛』は3票、満票です。
このままいくと『大恋愛』です。
あやや
え、大丈夫ですか。
ムロさん、『今日から俺は!!』で
金八やっちゃってましたけど。
『大恋愛』は真面目にやります?
ちゃんと真面目に演じきってくれます?
森下
わからん‥‥。
──
「わからん」て(笑)。
あやや
ちょいちょいふざけたりしないですよね。
森下
日本のチャップリンに
なってくれるといいんだけど。
あやや
金八になる可能性も‥‥。
荒井
ははははは。
あやや
でもまあ、ムロさんだけじゃなく、
ふつうにドラマとしての期待を込めて。
──
うん、『大恋愛』ですね。
森下
そうなっちゃいますね。
あやや
だって、連ドラチェックで
はじめてですよ、
想像するだけで泣いてしまったのは。
荒井
『大恋愛』、いいんじゃないでしょうか。
でも今回、粒ぞろいというか、
これ以外も接戦でしたね。
──
『あなたには渡さない』2票、
『獣になれない私たち』2票、
『まんぷく』も2票です。
あやや
わりと、その3本のほうが
ドラマとしては派手で。
森下
おすすめの『大恋愛』のほうが地味かも(笑)。
荒井
ラブストーリーですし、
ふつうっちゃふつうですね。
でも、それがいいんじゃないかなあ。
森下
まあ、前回のおすすめの
『おっさんずラブ』が
濃すぎたということで(笑)。
あやや
インパクト凄かったですね。
──
では、今回は、こちらでいいでしょうか。
あやや
はい、『大恋愛』に決まりました!
(拍手)
森下
ありがとうございましたー。
(拍手)。
荒井
いいと思います!
(拍手)
──
ありがとうございましたーー!
おつかれさまでしたー。
あやや
また春にお会いしましょうーー。


( お し ま い )
2018-10-09-TUE

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