コンフィデンスマンJP
フジテレビ●月曜21時
あやや
さあ、次はわたし的に大本命!
『コンフィデンスマンJP』行きましょう。
荒井
あ、じゃあ、これがハイセイコーですか。
あやや
はい、今クールのシンザンです。
──
古いって、たとえる馬が。
森下
でも、このドラマは、本命だよね。
あやや
本命ですよー。
なんといっても、脚本、古沢良太さん!
主演が長澤まさみさん、
そして、東出昌大さん、小日向文世さん!
──
あー、なるほど。
荒井
フジテレビの力の入れ方がすごいですよね。
はじまる前に特番みたいなの、
いっぱいやってましたよ。
森下
この枠の生命を賭けて、
ぐらいの意気込みを感じます。
──
「この枠の生命」(笑)。
あやや
まあ、これはたぶんおもしろいですよ。
それだけ言って終わりにしてもいいくらいです。
──
そこをなんとか、もうちょっと。
あやや
語ってほしい?
──
ナニサマだ。
あやや
すみません、語らせてください。
まずは、やっぱり、
脚本が、古沢良太さんです!
荒井
『リーガル・ハイ』など、
おもしろい作品をたくさん書いてます。
あやや
ドラマは『鈴木先生』『デート』、
映画は『ALWAYS 三丁目の夕日』『キサラギ』、
どれもほんとにたのしませてもらいました。
連ドラは3年ぶりぐらいじゃないかと。
森下
『デート』はもう3年前なのかー。
『鈴木先生』もおもしろかったねー。
あやや
古沢さんの脚本は、
とにかくテンポがいいんですよね。
あと、設定やキャラクターは突飛でも、
取り上げるテーマは
けっこう日常的で共感できる。
そして、ありきたりの結論にしない。
『リーガル・ハイ』がまさにそうでした。
──
『リーガル・ハイ』は
ほんとにおもしろかったなぁ。
荒井
『キサラギ』も名作です。
あやや
どんな題材を取り上げるにしても、
アイディアがあるし、
重いテーマでも軽やかに仕上げるし、
すっごくクリエイティブですよね、脚本が。
だからいつも満足感が半端ない。
──
今回は、詐欺師のお話。
主要キャストが全員詐欺師の
エンターテイメントコメディだそうです。
荒井
主演の長澤まさみさんが、
予告ではものすごくハイテンションで、
『リーガル・ハイ』で堺雅人さんが演じた
古美門先生を思い出しました。
あやや
『リーガル・ハイ』のときって、
ガッキーの魅力を古沢さんの脚本が
最大限に引き出してましたよね。
それは堺雅人さんが座長だったことも
大きいと思うんですよね。
森下
『リーガル・ハイ』はそういう
キャストのバランスもすごくよかったね。
あやや
そういう意味で言うと‥‥
東出昌大くんがガッキーの役割?
森下
そうだね(笑)。
あやや
うわー、おもしろーい。
あの、私、思うんですけど、
堺雅人さんって、屈託ある人なんですよ。
で、屈託ないガッキーを横に置いて、
魅力を最大限に引き出して
『リーガル・ハイ』がすごくうまくいってました。
そうやって見てみると、
屈託「ある」と「ない」の組み合わせって、
けっこううまくいくんじゃないかと。
森下
長澤まさみさんは?
あやや
屈託あるんですよ。
──
ここで「屈託」がなんだか
よくわからなくなっちゃった読者のみなさんへ!
【屈託(くったく)】
あることだけを気にかけること。
そのことにだけとらわれてくよくよすること。
【屈託ない(くったくーな・い)】
気にかかることが一つもないさまで
さっぱりしている。
‥‥ワンポイント豆知識でした。
あやや
一方、東出くんって、
じつは「屈託ない」じゃないですか。
森下
ああ、そうかもしれない(笑)。
あやや
屈託ある長澤さんの横に
屈託ない東出くんを置くと、
これはいい感じなのでは、と!
森下
なるほどー。
荒井
その法則は、
合ってるのか、合ってないのか(笑)。
あやや
ついでに言うと、
東出くんの実生活の妻である杏さんって、
「屈託ある」じゃないですか。
つまり、妻は屈託があって、
夫は屈託ないという組み合わせなんですよ。
ほらほらほら、どうです、
やっぱり合ってるんじゃないですか、
この仮説?
──
でも、屈託の判断がそもそも
あやちゃんの主観じゃないか。
あやや
‥‥む、さすが!
でも、はずれてないと思いますよ。
ちなみに、永田さんちも、
永田さんが思いっきり屈託あって、
奥さんが屈託ないじゃないですか。
──
うちの屈託の話はいいんだよ。
あやや
どうしよう、これ、私、得意かも!
新番組とかはじまるんじゃないですか?
「あややの突撃となりの屈託!」みたいな。
──
ドラマの話に戻りなさい。
あやや
屈託Tシャツとかつくったりして。
「KUTTAKU!!」って書いてある。
──
つまみ出すぞ。
あやや
はーい、戻りまーす。
このドラマ、一話完結型で、
毎回、ゲストが軸になるみたいなんですけど、
豪華な顔ぶれがどんどん登場するとのこと。
荒井
発表されているだけでも、
江口洋介さん、吉瀬美智子さん、石黒賢さん、
佐野史郎さん、かたせ梨乃さん、
そしてウッチャンこと内村光良さん。
森下
濃いですねー。
あやや
すごいね。
荒井
こういう顔ぶれを俯瞰してみると、
やっぱり、小日向さんが効いてますよね。
あやや
効いてる、効いてる。
森下
コヒさん、いいですよね。
あやや
コヒさんがバランス保ってますよ。
ゲストが毎回濃くて、
長澤まさみさんが、屈託あって、
東出くんが、屈託ない。
で、ここに小日向さんを置いてみてください。
これは見ていて、めちゃくちゃ安心ですよ。
軽い文鎮ですよ。
──
「軽い文鎮」(笑)!
あやや
文鎮って、ふつう重いじゃないですか。
でも、小日向さんって、軽い文鎮。
──
急に大喜利の模範解答みたいなことを
言い出すからびっくりする。
あやや
え、どういう意味?
──
なんでもないなんでもない。
あやや
あと、この顔ぶれをざーっと見渡すと、
やっぱり「ラク」ですね。
前回もたっぷり語りましたが、
俳優さんたちの顔がいいと、
「見るのがラク」です。
荒井
ああ、画的に。
森下
きれいだと「画が持つ」から「見るのがラク」。
あやや
そうです。芸能人は顔が命です。
森下
揺らがないね。
あやや
もうね、顔ですわ、芸能人。
とくに主演の女優さんの顔がいいとラク。
長澤まさみさん、助かります。
ありがとうございます。
森下
もともと、あややは好きだよね、
長澤まさみさんが。
あやや
はい、もうね、すごい好きなんです。
顔だけじゃなく、女優さんとして。
もっというと女優さんとしてだけじゃなく、
その、なんていうの? ‥‥生き様?
──
出た。
森下
出た(笑)。
荒井
生き様の話(笑)。
あやや
はい。「芸能人生き様評論家」として
ひとこと言わせてもらうとですね。
──
そんな職業はありませんけどね。
あやや
長澤まさみさんの魅力って
「危うさ(あやうさ)」なんですよ。
こう、すぱーっと気持ちよく
階段をのぼってきたわけではなくて。
森下
まっすぐのぼると思っていたら、
踊り場から別の階段のぼりはじめた、みたいな。
あやや
そうなの、そうなの、そうなの。
こんだけ容姿端麗で、
こんだけかわいくて脚もきれいなのに、
もう私は清純派じゃないとか言い出して、
もう、ぜんたいに「危うい」です。
この人、次はどうなっちゃうんだろう、
大丈夫かな、なにやるんだろう、
という、先の読めない魅力、
そんな「危うさ」で目が離せないんです。
荒井
わかります。
つまり、屈託があるんですよね。
あやや
長澤さん、屈託、あるんですよー。
そこを屈託のない東出くんでカバー。
堺雅人&ガッキーのコンビに匹敵する
長澤まさみ&東出昌大に期待します。
──
あ、そういえば、思い出したけど、
『リーガル・ハイ』のどこかで、
堺さん演じる古美門先生が
ガッキーの色気のなさをからかうとき、
「あーあ、長澤まさみだったらなー!」
って叫ぶシーンがありましたよね。
あやや
あーー、あった!
じゃあ、古沢さん、ふたりの個性を知ってて
あえて対照的なキャスティングに
してるってこと?
荒井
うわ(笑)。
森下
おもしろいねー! それ!
あやや
ともかく、このドラマで
長澤まさみさんの新たな一面が見られたら、
私はとてもうれしいです!
森下
長澤まさみさんって、
コメディエンヌとしても実力あるから、
すごくたのしみですね。
ただ、ちょっと心配なのは、
やっぱりコメディって、
男性のほうがつくりやすい気がするんですよね。
女性のコメディはけっこう難しい。
荒井
ああ、それは視聴者としてもよくわかります。
今回は『リーガル・ハイ』と
男女が逆になってるのが、どう出るか。
あやや
おもしろくなるといいなあ。
もう、テーマとか社会性とか気にせず、
つくってる方も見てる方も
たのしく見られるようなものに。
森下
あの、世の中には、
「どうでもいいけど、おもしろいから見ちゃう」
というものと、
「どうでもいいから、
どうでもよくなっちゃって見ない」
というものの2種類があると思うんです。
で、ふつう、当然、
「どうでもいい」とは思われたくないので、
私たちは必死で共感が見込める
テーマや素材を探すわけなんだけど、
この『コンフィデンスマンJP』は
そこは確信犯的に捨ててきてると思う。
それって、すごい勇気あると思うのよ。
なのでね、「どうでもいいもの」でも、
「どうでもいいけど、
めっちゃおもしろけりゃ見ちゃうんだよ」って、
この際、高らかに歌い上げてみせつけてほしい。
そういうものが出ないと、
すごく不自由になっちゃうから。
まあ、とにかく見ます。たのしみです。
あやや
その話、すごくわかります。
私も、非日常的なテーマの、
自分に関係ないどうでもいいドラマが大好きです。
だって、私、いまだに
『古畑任三郎』見てますもん。
あれ、私には、まったく関係ない世界ですからね!
荒井
たしかに(笑)。
あやや
私にまったく関係ない世界だけど、
いつ見てもおもしろい。
──
あやちゃんそれ、
いつ、どのタイミングで見てるの?
あやや
家事しながら、パソコンで。
オンデマンドで。
『古畑任三郎』見ながらネギとか刻むんですよ。
──
それって、つまり、
人が音楽を聴くように、ドラマを見てるわけだ。
あやや
そうですね。
家事、嫌いなんですけど、
ドラマがついてると、苦にならないんです。
だからずっと見てるの。
ええと、BGMならぬ、BGD?
森下
BGD(笑)。
荒井
バック・グラウンド・ドラマ?
あやや
いいドラマはBGDになります!
──
荒井さんは、このドラマは、いかがですか。
荒井
おもしろいと思いますよ。
ただ、スケールを大きくしすぎると
やり過ぎ感が漂ってしまう気もしますが。
実は、東出くんの出るものって、
これまでハズレがないんですよね。
あやや
おっ、いい視点!
荒井
東出作品にハズレなしなんです。
『あなたのことはそれほど』もそうです。
あやや
たしかに、『聖の青春』もよかった。
東出くんが、羽生善治さんですよ。
森下
あれも、よかったよねー。
荒井
だからこれも期待してます。
月9ですし。
──
荒井先生は、月9の枠を
地道にずっと応援してますね。
荒井
なんか、気にしちゃいますね。
あやや
はいはい! 月9については、
私、ちょっと言いたいことがあります。
議長、私、言いたいことがあります。
──
誰が議長やねん。
はい、あややさん、どうぞ。
あやや
なんかね、最近の月9、
ダメになった枠みたいな感じで、
悪く言われすぎてると思うんですよ。
視聴率のことばっかり言われてて、
ドラマの内容がきちんと
語られていないような気がして。
あの、前回の『海月姫』って、見ました?
荒井
見ました。
あやや
あれ、私はよかったんですよ。
キャストのみんながたのしんで競い合って、
東村アキコワールドを再現しよう、っていう、
すっごく熱量があったと思うんです。
もちろん、万人受けするものじゃなくて、
賛否はあると思うんですけど。
森下
私、途中から、見なくなった。
ごめん。
あやや
いえいえいえ。
荒井
そのへんは意見割れると思いますね、
あのドラマ。
あやや
意見は分かれていいと思うんです。
ていうか、それが当たり前で。
私はあのドラマ、大好きでした。
──
荒井先生はどうだったんですか?
荒井
好きですよ。感動する場面もあったし。
森下
私も1話は見たんですけど、
ちょっと視点がガチャガチャしすぎて
おばさんついていけなかった。
荒井
最初の1話、2話、きついですよね。
でも見てるうちにあのテンションに慣れました。
慣れるとおもしろいんですよ。
あやや
そうそうそう。
で、そういうドラマってあって、
乗りこえる人と最初でつまづく人と、
両方の意見があって普通というか。
森下
そうですね。おっしゃる通り。
あやや
こうやって賛否両論でいいと思うんです。
で、私はいまの月9、
こういう賛否両論が起こるようなことに
真面目に取り組んでいていいなと思うんです。
だから、「最近の月9はダメだー」って、
思い込みで言われてるとしたら、
ちょっともったいないな、と。
荒井
正直、合わないとかピンと来ないという
ものもありますが、
真摯な姿勢でのチャレンジは
伝わるんじゃないかという気はしますね。
この真剣な取り組みを続けていけば、
まあ、数字は爆発しなくても、
月9の評価はそんなに下がらないと思います。
あやや
そうそうそう。
そういうことをちょっと言いたかったんですが、
すみません、真面目でしたか?
──
いえいえ、大丈夫です、
月9へのエールという感じで、
いいと思いました。
あやや
森下さん、いつか月9、やってください!
森下
月9かあ‥‥私、もういい年だし(笑)。
あやや
いやいや、その考えこそ、
月9の枠にとらわれてますよ。
森下
‥‥私、『渡鬼』みたいなドラマ、
いつか挑戦してみたいんだけどな。
月9で『渡鬼』やらしてくれるかねぇ。
あやや
やりましょう、挑戦してこそ、月9!
ね、荒井先生!
荒井
月9でわざわざ『渡鬼』に挑戦しなくても
いいんじゃないかと‥‥。
──
(笑)
正義のセ
日本テレビ●水曜22時
あやや
『正義のセ』行ってみましょう。
日テレ、水曜日の22時。
ここは、働く女性枠ですね。
森下
『ハケンの品格』『働きマン』
『花咲舞が黙ってない』などなど。
あやや
これはなんと、
阿川佐和子さんの小説が原作です。
阿川さんって、小説もお書きになるんですね。
荒井
エッセイのイメージが強いですけど。
あやや
そうそうそう。多才。
森下
しかもこの『正義のセ』シリーズ、
4冊も出てるんですね。
知らなかった。
──
どういうドラマなのかというと‥‥
主人公の吉高由里子さんは、
横浜地検で働く2年目の検事。
あやや
あ、検事モノ?
森下
そうですね。
あやや
法廷モノのドラマって、
主人公が弁護士側と検事側と、
両方ありますよね。
で、弁護士側のドラマだと検事が敵で、
検事側のドラマだと弁護士が敵で‥‥。
森下
見てるドラマが変わって
設定が逆転したりすると混乱するよね(笑)。
あやや
そうなんですよー。
なんか、このあいだまで松本潤さんの
『99.9-刑事専門弁護士』見てたから、
ちょっとそれを引きずってて‥‥。
森下
わかるわかる、
検事は全員悪いやつなんじゃないか?
って疑って見る癖がまだ抜けない(笑)。
──
それを払拭するために‥‥
っていうわけじゃないんでしょうけど、
検事の人たち、
人の良さそうな人たちが並んでますね。
塚地さんとか。
荒井
たしかに、すごい笑顔(笑)。
検事って、容疑者を有罪にする人っていうか、
キツいイメージがありますからね。
あやや
そうですね。
だから、検事がドラマになるときは、
「巨悪と戦う!」みたいな感じになることが
多いと思うんですけど、
この、吉高由里子さんの元気な感じは、
それじゃないですよね。
荒井
巨悪と戦う感じじゃないですね。
パッと見、弱者を助ける弁護士っぽいとさえ。
森下
そういう意味では、
新しい検事ドラマなのかもしれない。
あやや
いや、ほんとにそうかもしれないですよ。
だって、ここにヒロインの特徴が
ばーっと書かれてるんですけど、
キーワードがすごいですよ。
ちっとも巨悪と戦いそうにない。
「下町生まれ、豆腐屋育ち、
横浜地検で働く新米検事凛々子。
小さい頃から思い込んだらまっしぐら。
まっすぐすぎるから、よくぶつかる」
森下
朝ドラのヒロインのみたい(笑)。
あやや
「上手くいかない恋愛にヤキモキし、
仕事では自分の未熟さに凹む。
不器用なりに一生懸命。
よく笑い、よく泣き、よく怒る」
荒井
オフィスを舞台にしたドラマに出てくる
元気なヒロインの典型じゃないですか。
あやや
おまけに、よく食べ、よく飲み、よく働く!
どんな困難にもへこたれず前を向く。
前だけ見るからよく転ぶ。
転んで、転んで、強くなる!
これはまさに朝ドラの主人公‥‥
っていうか、阿川佐和子さんじゃないですか。
森下
私もいま同じこと思いました(笑)。
荒井
まあ、素直に書けば、そりゃ、
著者の人柄は出ちゃうでしょう。
あやや
元気でまっすぐな検事って、
どういう感じなんだろう?
荒井
木村拓哉さんの『HERO』は検事でしたよね。
森下
型破りの検事でしたね。
荒井
あんな感じだと思えばいいのかな。
あやや
でも、ああいう感じでもないみたいですよ。
この人物相関図を見てください。
まったく「法廷感」がありません!
ひりひりしてない。
荒井
ほんとだ(笑)。
──
印象としては、ホームドラマですね。
森下
「横浜地検」の文字よりも、
「竹村豆腐店」のほうがインパクト強いです。
あやや
だって、キャスティングも明らかに
竹村豆腐店にウェイトかけてる感じですよ。
お父さんが生瀬勝久さんで、
お母さんが宮崎美子さん、
妹が広瀬アリスちゃんですからね。
──
家族の場面、多そう(笑)。
森下
あれじゃないですか、
法廷劇として話が進むわけじゃなくて、
わりと自宅に案件を
持ち帰ったりするんじゃないですか。
荒井
自宅に持ち帰るんですか(笑)!
──
証拠品とか、写真のコピーを
コタツで見ながら、
「お父さん、これどう思う?」って。
あやや
アットホームな検事モノ。
かなり新しいですね。
森下
だから、まあ、検事モノというよりも、
たまたま職業が検事というふうに
考えたほうがいいのかもしれませんね。
水曜10時、いつもの「働く女性枠」という感じで。
あやや
そうですねー。
阿川佐和子さん原作で、
主演が吉高由里子さんですから、
もう、明るく元気、元気、
って感じなんじゃないですかね。
荒井
家族で見るような明るいドラマ。
あやや
そうそう、やっぱり春ですから、
明るく行きたいじゃないですか。
森下
でも、吉高由里子さんって、
とずいぶんイメージ変わりましたよね。
最初はこんなに「明るくて元気!」
っていう感じじゃなかった。
あやや
あ、ぜんぜん違いますよね。
だって、『蛇にピアス』のときは
ものすごく重い役だったじゃないですか。
いまはむしろ軽い役が多いですもんね、
荒井
日テレは特に、そういう使い方してますよね。
あやや
『東京タラレバ娘』とか。
荒井
今回も完全にそのイメージですね。
一般的にもすっかり定着している感じ。
森下
いつの間にか切り替わりましたよね。
やっぱり、『花子とアン』からかな。
──
ぼくはそれで知ったので、
明るいイメージしかないんです。
あやや
前は、もっと癖のある役やってましたよ。
森下
むかしの小悪魔っぽい感じも、
すごくよかったですよね。
あやや
そうそうそうそう。
『蛇にピアス』なんて、
すごくどろどろした、
闇を抱えた感じの役でしたから。
もしかして、大竹しのぶさんみたいな
存在感のある女優さんになるのかな、
みたいに感じさせるものがありましたよね。
荒井
若いころの秋吉久美子さんみたいな雰囲気も。
森下
あー、そうそうそう。
あやや
ありました、ありました。
荒井
小悪魔なエロさもあって。
森下
ちょっと舌っ足らずでね。
あやや
だから、そういう意味で言うと、
吉高由里子さんはこの先がおもしろいですよ。
そろそろ30代になるでしょうから、
これからどういう女優さんになっていくのか。
舞台とか、映画とか、
いろんな吉高さんが見たいですよね。
荒井
小悪魔に戻れと(笑)。
森下
また、癖のある感じが見たい。
荒井
本来、もっと癖のある人ですからね。
あやや
そうなんですーー。
もっともっと幅を広げてほしいなと。
荒井
エロい愛人役とか。
森下
あ、いいっすねー。
あやや
エロい、いやらしい役とか
やってもらいたいです。
森下
ま、エロくなくてもいいけど(笑)、
「ヘンな役もやってね」ということですかね。
あやや
見たいです。
──
という感じで、つぎのドラマに行きましょうか。
あやや
あ、すみません、ひとつだけ。
この流れで言うのもなんですけど、
このドラマの寺脇康文さんの役、
亡くなった大杉漣さんが
演じるはずだったんですよね。
荒井
あああ、そうでしたか。
あやや
ドラマファンとして
ご冥福をお祈りします。
森下
はい。
シグナル 長期未解決事件捜査班
フジテレビ●火曜21時
あやや
さあ、もう1本、行きましょう。
坂口健太郎くんの
『シグナル 長期未解決事件捜査班』。
荒井
フジテレビの火曜9時。
前クールは、亀梨くんがやってた枠ですね。
森下
そうです、『FINAL CUT』の枠です。
あやや
このドラマ、
私、びっくりしたんですけど、
なんと、ジャンルが「SFサスペンス」!
荒井
SFサスペンス?
あやや
つまりあれですよ、
『Xファイル』みたいなことですよ。
森下
時間を超えて犯人がわかるみたいです。
荒井
え、そうなんですか。
めずらしいジャンルですね。
あやや
SFサスペンスって、
どういうことなんでしょうね。
実は、犯人が宇宙人だったりするってこと?
──
「犯人が宇宙人」!
荒井
宇宙人が犯人だったら、
もう、なんでもありですよ。
あやや
だって、SFサスペンスですよ!
──
仮に、SF部分が宇宙人だとして、
サスペンスはどうなるんだ。
あやや
宇宙人が‥‥なかなかつかまらない。
──
うーん、えすえふさすぺんす!
言うてる場合か。
森下
まあ、宇宙人はないんじゃない、さすがに。
時空を超えてヒントを教えてもらえる、
みたいな感じじゃないかと。
荒井
『BORDER』みたいな感じですかね。
あやや
あ、『BORDER』か‥‥。なんだ。
──
なんでちょっとがっかりしてるの。
あやや
てっきり宇宙人が出てくるのかと。
──
とにかく、宇宙人を忘れてください。
あやや
宇宙人要素のないSFが思い浮かばない。
荒井
SFの解釈の問題ですね。
どこからどこまでをSFと呼ぶのか。
森下
そうですね(笑)。
──
クリストファー・ノーラン監督の
映画みたいな感じに
したいんじゃないですかね?
森下
ああ、『インセプション』とか。
荒井
この、サブタイトルにある
「長期未解決事件」っていうのも
ポイントなんでしょうね。
基本的にずっと解決してない事件があって、
迷宮入りしているからこそ、
そこにSFの助けが入るわけですよね。
あやや
ああー、そうかそうか。
──
なるほど。
未解決事件をSFの力で解決していく。
あやや
でも、どうして人は
未解決の事件が好きなんでしょうね。
しょっちゅうやってるじゃないですか。
未解決事件の2時間特番とか。
森下
やってるねー。
未解決事件の指名手配犯人の情報を呼びかけたり。
あやや
そう、グリコ・森永事件とか、三億円事件とか、
定期的にドラマ化もされてるし。
あれはなぜ? どうして?
森下
どうしてって言われても‥‥。
──
人々は謎が好きなんじゃない?
荒井
そうでしょうね。
あやや
ああー、そうなのかぁ。
私、推理小説はいちばん後ろの
犯人特定のページから読むからなぁ。
荒井
それは‥‥超めずらしい人ですね。
──
非常識にもほどがある。
あやや
人々はそんなに謎が好きなんですか。
──
好きですよ。
だから毎年、ピラミッドの特番が組まれて、
たいてい視聴率を稼ぐんです。
あやや
でも、未解決事件もピラミッドも、
特番を見たところで
謎は絶対解明されませんよね?
──
解明された試しがありませんね。
あやや
でしょ? でしょ?
ピラミッドの謎はわからないし、
未解決事件の犯人はつかまらないでしょ?
だったら、なぜ、見るの???
──
人々は謎が好きなんじゃないですかね?
森下
その話はループするのでは。
荒井
(笑)
あやや
ああ、すみません!
じゃあ、SFも謎もいったん忘れて。
ええと、主演は坂口健太郎さんです!
坂口健太郎さん、ついに主役まで来ましたね。
森下
ねー。でも、はやかったねー。
あやや
いままでは、準主役とか、
ヒロインの相手役ばかりでしたよね。
連ドラの主役ははじめてなんじゃないかな。
荒井
たしかに、連ドラの主役は記憶にないですね。
あやや
坂口健太郎くんって、不思議な魅力ですよね。
なんというか、すごく、色がないというか、
ふつうっぽいというか、自然すぎるというか。
遊んでない感じがするどころか、
向こうが透けて見えそうなくらいで。
若手俳優で、こんだけ透明感あるって、
けっこうすごいっすよ。
あんまりいないですよね、この透明感。
荒井
あっさり系ですよね。
森下
いわゆる、塩顔?
あやや
そう、塩顔。
森下
それにしても、癖、なさすぎません?
荒井
もう、塩味さえしないっていう。
あやや
無味? 水?
森下
ははははは。
──
「水」って(笑)。
あやや
塩顔を通り越した、水顔。
芸能界の最新流行。
──
言わないだろう、水顔。
荒井
しかし、これ、坂口健太郎さんの相手役は?
ヒロインは不在なのかな?
森下
吉瀬美智子さんがいるけど‥‥。
荒井
吉瀬美智子さんは、
坂口くんの相手役というよりも
上司って感じですよね。
あやや
ああ、これ恋愛要素ない感じしますね。
森下
むーー、ラブ、なしか‥‥。
──
どんな形でもいいからラブが入ってないと
ドラマに興味を持てないというのが
森下さんの特徴です。
あやや
ラブもないし、宇宙人も出てこないし。
──
だから、宇宙人のことは忘れなさい。
森下
ヒロインはいませんけど、
共演者の顔ぶれはかなり濃いですね。
あやや
ほんとだ!
主人公が透明なぶん、まわりが濃い(笑)。
荒井
北村一輝さん、渡部篤郎さん、
甲本雅裕さん、木村祐一さん。
森下
北村一輝さんとバディ的ラブとかでも
私はぜんぜんいいんだけどなー。入れてー。
──
こらこら。
あやや
渡部篤郎さんの刑事部長が効いてますねー。
森下
背広似合うねー。いいよねー。
あやや
渡部さんはスタイルもいいし、
なに着ても似合いますね。
荒井
この年令で、こういうタイプって、
あんまりいないのかもしれないですね。
あやや
いない、いない。
おしゃれで、かっこいい、あと渋い。
森下
さすが、歌舞伎町で産湯をつかった男。
あやや
え、そうなの?
森下
らしいですよ。
出身、歌舞伎町なんですって。
家が料理屋さんかなんかで。
だから、「歌舞伎町で産湯をつかった男」。
あやや
そのプロフィールいいですね。
私もどこかで産湯をつかえばよかった。
──
なにを言ってるんだ。
あやや
いまから、どこかの産湯をつかえないかな?
荒井
意味がわからないです(笑)。
(もう少し、つづきます!)
2018-05-11-FRI
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