モンテ・クリスト伯
フジテレビ●木曜22時
あやや
ええと、ですね、
これ、最近のドラマの傾向なんですけど、
わりと手堅いものが多くて、
「なんじゃこりゃー」的なものって、
かなり少なくなってます。
森下
ああ、少なくなりましたねー。
荒井
昔は、何本か必ずありましたよね、
奇抜な設定のものとか、
変わった原作をドラマ化したものとか。
あやや
はい。とくに今クールは、
手堅いドラマが多いんです。
そんななか! これ、なかなか異色です。
ディーン・フジオカさん主演の
『モンテ・クリスト伯』!
森下
『モンテ・クリスト伯』‥‥?
荒井
たしかに、タイトルがなんじゃこりゃですね。
森下
あ、これ、『巌窟王』ですか。
原作は『巌窟王』と、ここに。
荒井
え、『巌窟王』そのもの?
あやや
そもそも『巌窟王』って、
どんな話でしたっけ?
冤罪でずっと牢屋に入ってる話だっけ?
──
ちょっと待ってくださいね。
ええと、『モンテ・クリスト伯』というのは‥‥
原作アレクサンドル・デュマ、1841年。
日本では『巌窟王』の名称でも知られている。
主人公エドモン・ダンテスが
無実の罪で監獄に送られ、
そこで長い年月を過ごした後、
脱獄して巨万の富を手にし、
モンテ・クリスト伯爵を名乗って
自らを陥れた者たちの前に現れ、
復讐する物語である。
あやや
おもしろいんじゃないですか?
森下
それだけ聞くと、すごいおもしろそう。
あやや
いい、いい。
──
いや、あの、これ、
『巌窟王』のあらすじを言っただけです。
あやや
じゃ『巌窟王』がおもしろいんだ。
森下
『巌窟王』はおもしろい、と。
荒井
『巌窟王』、おもしろそう。
──
あの、ええと、すみません、
『巌窟王』がおもしろいぞというのは、
きっと世界中で有名なことで‥‥。
あやや
なんで『巌窟王』って呼ばれてるの?
──
なんで『巌窟王』って呼ばれてるのか?
ええと、ちょっと待ってくださいね‥‥。
日本では、明治時代に黒岩涙香が
『史外史伝巌窟王』の題名で翻案し、
1901年から『萬朝報』に連載。
以後、日本では長く
『巌窟王』(がんくつおう)の名で
一般に親しまれることとなった。
なお、黒岩涙香の『巌窟王』は、
当時の日本人がなじみやすいように
人名や船の名前を日本風に変えているが、
舞台はヨーロッパのままであり、
ストーリーも原作とほぼ同じである、
‥‥とのことです。つまり、明治時代に、
日本風にアレンジして翻訳したわけですね。
そのとき、日本人に馴染みやすいように
人名や船の名前を日本風に変えたわけです。
森下
なるほど。つまり、
「モンテ・クリスト伯爵=巌窟王」なわけですね。
荒井
でも、このタイトル、すごいですね。
いきなり『モンテ・クリスト伯』って
言われてもなー。
あやや
私、吸血鬼の話かなと思った。
──
それは、ドラキュラ伯爵。
森下
ははははは!
──
「伯爵」が一緒なだけじゃないか。
ひどいぞ、それ。
「伯爵」がつく物語が
ぜんぶ吸血鬼の話になっちゃうぞ。
あやや
思うでしょ、「伯爵」がついてたら。
ドラキュラかな? って。
──
「ドラキュラかな?」じゃないよ(笑)。
荒井
これ、なんでタイトルを
日本のドラマ用に変えないんですかね。
森下
これ、日本風に変えたらどうなるの?
──
いや、だから『巌窟王』。
荒井
ふはははは。
森下
ああ、違う、そういう意味じゃなくて。
あやや
『巌窟王』はドラキュラっぽくない。
──
そりゃそうだよ、
「伯爵」がついてないんだから。
ていうか「王」だから!
荒井
なんの話でしたっけ?
──
ええと、森下さんが‥‥なんでしたっけ?
森下
原作だとモンテ・クリスト伯と名乗ったんでしょ?
それを日本風に訳したとしたら、
その名前はなんだったのかな、と。
あやや
だから『巌窟王』。
──
違う!
荒井
違います。
あやや
なんで、なんで?
なんで私だけ違うって言われるの?
森下
(笑)
──
『巌窟王』は、つまり、作品の邦題。
原作の『モンテ・クリスト伯』は、
主人公が脱獄後に名乗った名前がタイトル。
だとすると、日本語訳したときの、
主人公の脱獄後の名前はなんなんだ、と。
森下
そうそうそう。
──
ちょっと待ってください調べます‥‥。
ええと、原作だと主人公の本名は
「エドモン・ダンテス」で、脱獄して
「モンテ・クリスト伯爵」になるんですが、
明治時代に翻訳された『巌窟王』では、
主人公の本名が
「團友太郎(だん・ゆうたろう)」。
荒井
「だん・ゆうたろう」!
森下
「エドモン・ダンテス」が
「だん・ゆうたろう」。
「ダン」で結んであるわけですね。
──
「モンテ・クリスト伯爵」は‥‥
あ、わかりました。
「巌窟島伯爵(いわやじまはくしゃく)」です!
荒井
いわやじまはくしゃく!
森下
「モンテ・クリスト伯爵」が
「巌窟島伯爵」!
荒井
じゃあ、日本でのタイトルは、
『巌窟島伯爵』になるべきなのか‥‥。
あやや
「巌窟島伯爵」は、
ドラキュラっぽくない!
「伯爵」がついてるのに!
──
なにがなんだかわからなくなってきた。
荒井
このドラマだと、
名前はどうなってるんですか。
役名は、日本人の名前に?
──
ええとね、主人公の
ディーン・フジオカさんの役名は、
柴門暖(さいもん・だん)。
森下
さいもん・だん!
「エドモン・ダンテス」が、
「だんゆうたろう」になって、
このドラマでは、柴門暖(さいもん・だん)!
3人あわせて、だんだだんだね!
荒井
脱獄したあとの名前は‥‥?
──
ええと‥‥‥‥わっ!
脱獄したあとの名前は、
モンテ・クリスト・真海
(モンテ・クリスト・しんかい)!
荒井
モンテ・クリスト・真海!
あやや
どうしたらいいんでしょうか。
──
どうしたらいいんだろうね。
森下
とりあえず、タイトルは、
『モンテ・クリスト伯』より、
『巌窟王』のほうがよかった気がする。
──
(笑)
荒井
そういえばフジテレビは、前に、
『カラマーゾフの兄弟』で
同じようなことをやってますね。
あやや
ああー、そうだそうだ。
森下
そうか、それと同じ構造なんですね。
荒井
タイトルそのまんま、っていうシリーズ。
あやや
そっか、そういうことだったんですね。
──
ここまでの話はなんだったんだ。
森下
フジテレビで思い出しましたけど、
前にやってた『FINAL CUT』も、
こういう、復讐劇でしたよね。
あやや
あ、そうですね、あれも復讐劇だ。
過去の自分を苦しめた人たちに
復讐していくっていうお話。
フジテレビは復讐劇が好きなんでしょうか。
荒井
『FINAL CUT』、見ましたけど、
なかなか内容的には厳しかったですね。
森下
私も‥‥2話で挫折してしまいました。
荒井
ぼくは、いちおう、ぜんぶ見ました。
森下
荒井先生、
そういうところすごいですよね!
愛があるよね。
荒井
ぜんぶ見たけど、中盤ちょっときつかったかも。
──
あ、そうか、荒井先生のその姿勢は
古いゲームファンといっしょですね。
いまいちかな、と思うゲームでも
最後までやってみる、と。
荒井
ああ、そうかもしれません。
いちおう最後までやる(笑)。
あやや
そうなんだー。
森下
愛ですよ、愛。
荒井
まあ、なんですかね、
これは、『FINAL CUT』だけじゃなく
全体にいえることなんですけど、
「復讐劇」って単調になりがちなんですよ。
森下
そうなんですよね。
私が2話で挫折した原因もそこでした。
おもしろくないわけじゃないんだけど、
ずーっとこの調子なのかなーって。
荒井
どうしても展開が同じになってくるんですよ。
誰かに、前にこんなことやられた、
コンチクショーって言って、
だんだん相手を追い込んでいく。
まあ、それが復讐劇というものですから
しょうがないんでしょうけど、
やっぱり同じ感じになりがちなんですよ。
あやや
わかります、わかります。
森下
そういう意味ではこのドラマ、
ちょっとたのしみなのが、
脚本が黒岩勉さんなんですよね。
黒岩さんの書くドラマ、おもしろいですから。
ある意味、展開も見えている復讐劇を
黒岩さんがどう料理していくのか。
あやや
あ、黒岩勉さんなんですね。
それはたしかにたのしみです!
──
どんな脚本を書かれた方ですか?
森下
『僕のヤバイ妻』とか、
『ようこそ、我が家へ』とか。
あやや
『ストロベリーナイト』とか。
荒井
いい意味で驚きのある脚本を書かれる方です。
あやや
うん、うん。
ドキドキさせてくれる、
来週どうなるんだろう系の話、書かれますよね。
森下
となると、原作が『巌窟王』という古典なのも、
俄然たのしみになってきました。
荒井
そうですね。どういう復讐劇になるのか。
──
ちなみに、主題歌もディーン・フジオカさんです。
あやや
わー、そうなんだ!
しかも歌のときは英語表記なんだね、
「DEAN FUJIOKA」。
荒井
一時期の織田裕二さんを思い出しますね。
主役の人が一緒に歌もうたうという。
森下
いろいろと、話題は多いドラマですね。
──
たしかに。
あなたには帰る家がある
TBS●金曜22時
あやや
つぎは、中谷美紀さん、行きましょうか。
『あなたには帰る家がある』。
森下
私、今クールの二押しはこれです。
あやや
なぜ、二押しなんですか。
森下
イチ押しは、古沢さんの
『コンフィデンスマンJP』だから!
──
だから、最後に訊くんですから、
先にそういうこと言わないでください。
荒井
(笑)
あやや
このドラマを二番目におすすめする理由は?
森下
まず、中谷美紀さんです。
こういうふつうの女性を演じてるときの
中谷美紀さんが好きなんです。
『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』
っていうドラマで、
理想の結婚をめざすアラフォーの役を
中谷さんがやってたんですけど、
ああいう身近にいる感じの女性を
やるのがすごくお上手で。
実際は芸能界でも滅多にいないような
鬼のような美貌の持ち主なんですけどねー。
あやや
たしかに、あのドラマの中谷さん、
ちょっとコミカルでよかったですね。
森下
そうそう、で、このドラマも
うまくハマるんじゃないかな、と。
あやや
『あなたには帰る家がある』って、
意味深なタイトルですけど、
これは、どういう話なんでしょう。
森下
夫婦をわりとリアルに描いた話みたいですよ。
「夫婦あるある」みたいなことも、
たくさん盛り込まれているらしい。
あやや
え、不倫? 不倫? 不倫?
森下
不倫もちょっと絡むっぽいです。
──
公式ページを見てみると‥‥。
平凡な主婦が恋に落ちたのは、
些細なことがきっかけだった。
二組の家族の運命がぶつかり合う、と。
あやや
えっ、そうなの? 不倫?
相関図、見ていいですか。
えーっと、中谷さんは‥‥。
森下
玉木さんが中谷さんの旦那なんだけど。
もうひと組の夫婦の旦那さんが、
「イヤな役をやらせると怖いくらいイヤな」
ユースケ・サンタマリアさんなんです。
あやや
きゃーーー、イヤーー。
森下
『火の粉』のときのユースケさん、
イヤでイヤで、ほんと最高でしたねー。
あやや
ああ、これは、イヤな感じですねー。
森下
イヤな感じでしょー。
あやや
え、じゃ、ユースケさんと中谷さんが恋に?
うっそー‥‥!
荒井
うーん、どうやら、
そういう関係にはならないみたいですね。
中谷美紀さんの旦那さんの玉木宏さんと、
ユースケさんの奥さんの木村多江さんが
恋に落ちるようなことが書いてあります。
あやや
まあ、でも、そういう話なわけですね。
あの、これ、ずばり、私とか森下さんみたいな、
いわゆる「主婦層」が見るんだと思うんですけど‥‥
ちょっとこう、痛そうですね。
森下
息苦しくなりそうですよね、見てると。
荒井
まず、夫婦では見られないですよね。
森下
見られない、見れらない!
ひとりで見ます(笑)。
あやや
そうなの、そうなの、そうなの?
荒井
見れないでしょー。
森下
だってこんなの夫と見たら変でしょ。
あやや
なんで、なんで?
なんで見られないの、なんで、なんで?
森下
イヤじゃん、一緒に見るの。
あやや
え? 恋してるんですか?
──
なんてことを訊くんだ。
森下
してない、してない(笑)。
──
真面目に答えなくていいですよ。
森下
まあ、夫婦仲がイヤな感じで
壊れていくようなドラマを、
わざわざ夫婦で一緒には見ないでしょう。
あやや
そうなのかー。
──
あやちゃんちは一緒に見るの?
あやや
いいえ。そもそもドラマを一緒に見ない。
荒井
恋も不倫も関係ない(笑)。
あやや
そうそうそう。
──
で、これは、不倫の話なんですか?
でも、公式ページの紹介を読むと、
そんなにドロドロしてない感じも。
荒井
どっちに転ぶかよくわからないですね。
「夫婦の日常に潜む、
不満やすれ違いをリアルに描く」と
書いてあるんですが、
「クスッと笑えるユーモラスな
夫婦あるあるネタも満載!」とも書いてある。
森下
まあ、笑えることも笑えないことも含めて
「夫婦をリアルに描く」ってことですかね。
あやや
でも、夫婦って、ほんとのほんとに、
ほんとのことなんか言っちゃったら‥‥
無理ですよね、お互い?
森下
え? どういうこと?
あやや
だから、たとえば
家事の分担みたいな話をするにしても、
夫婦にはそれぞれにそれぞれの言い分があって、
もう、要するに「お互いさま」じゃないですか。
森下
あー、そうだね、そうだね。
あやや
そこはお互い思うところあっても、
ほどよく大人の態度で接しているわけで、
それを、ぜんぶほんとうのこと言っても、
しょうがないんですよ。
森下
まあね。そうだね。
お互いに思ってることをぜんぶ言って、
もしも、言われたとおり、
悪いところをぜんぶ直したりしても、
それが互いの愛情に還元されるのかっていうと、
もはやされないと思うし。
あやや
されない、されない。
森下
だから、まあ、思うところがあっても、
ぜんぶは言わずに、ほどよく。
あやや
そうそうそう、お互いにね。
荒井
ふつうの主婦の会話が‥‥。
──
はい、くり広げられてます。
森下
だから、そういうことを、
ドラマのなかで見せてくれるなら、
「あるわー。それなー」
って言いながら見たいなと。
──
まさにそう書いてありますし。
「クスッと笑えるユーモラスな
夫婦あるあるネタも満載!」って。
森下
つまり、このドラマは、
私のためのものだなと。
私のためにつくってくれた気がします。
あやや
なるほどー。
私も見たくなってきましたが、
ちょっと気になるのは、
イヤな気持ちを引きずりたくないんですよね。
後味よく見終わりたい。
──
それもまさに公式ページに書いてあるよ。
あやや
ほんと?
──
「夫婦の絆は脆い‥‥しかし、
だからこそかけがえのないもの。
ラストに起きる温かな奇跡にも注目!」って。
つまり、リアルな夫婦を描くけど、
後味もよくするよ、ってことでしょう。
あやや
すばらしい(拍手)。
どんどん見たくなってきました。
──
荒井先生は、そのへんどうですか?
荒井
えーと‥‥すみません、
まったく興味ないです。
──
わはははは!
荒井
いや、夫婦のもめごととかを
わりとリアルに描くんだと思うんですけど、
リアル過ぎると見てられなくなるというか‥‥。
森下
まあ、とくに男性は、
いたたまれないかもしれないですね。
あやや
そうかも。
荒井
あ、このドラマがおもしろいかどうかでなく、
テーマに興味があるかということですが。
ちなみに、中谷美紀さんが主演した
『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』
はおもしろかったですよ。
森下
おもしろかったんですよー。
あやや
おもしろかったですよね。
荒井
でもあれは、結婚したあとの主婦じゃなく、
結婚を目指す女性が主人公だったから、
ちょうどよかったんじゃないかな。
あやや
あー、そっか、そっか。
荒井
まあ、だから、重くなりそうなところを、
「夫婦あるある」を入れることで
軽くしようとしてるんでしょうね。
──
あ、しかも、「夫婦あるある」のネタを
公式ページで募集してますよ!
ほら、「投稿お待ちしてます」って。
荒井
つまり、ネタを採用するかも、ってことですね。
あやや
完全にそういうことですね。
「あなたの意見がドラマに反映されるかも」
って書いてあります。
森下
まじですか!
書いて送っちゃおうかな。
そういうネタ、湯水のように出てくるよ。
──
脚本家が投稿しない。
未解決の女
テレビ朝日●木曜21時
あやや
どんどん行きましょう。
『未解決の女』木曜21時。
荒井
また「未解決」ですね(笑)。
森下
また未解決ですか(笑)。
──
やっぱ「謎」が好きなんだよ、みんな。
ツタンカーメン、最高!
森下
解決済み事件はドラマにならないのかな。
──
どういことですか。
森下
すでに解決してる事件を、こう、
ぜんぶ混ぜっ返すというドラマ、どう?
荒井
冤罪みたいなことですかね。
あやや
死刑囚が無実だった!
‥‥あれ? ふつうですね。
──
それだと無実なのに死刑判決を受けた、
っていう「謎」を
解決していくことになるから。
あやや
あああ、そっか。
森下
あ、じゃあ、混ぜっ返して
未解決にしっぱなしってのは?
あやや
未解決に?? しっぱなし??
──
はい、ドラマの話をお願いします。
あやや
ええと、この『未解決の女』、
けっこうおもしろいかも、と思ってます。
なぜかというと、脚本が大森美香さんで、
主演が波瑠さんなんです。
つまり、朝ドラ『あさが来た』の
脚本家と主演のタッグなんです。
──
あーー、なるほど。
『あさが来た』はぼくも見てました。
おもしろかったです。
あやや
「びっくりぽん」ですよ、「びっくりぽん」。
──
言いたいだけだろう。
あやや
びっくりぽん!
森下
しかし、『あさが来た』とは、
ずいぶんカラーが違いますね。
──
「肉体派と頭脳派、最強の女刑事バディが
未解決事件を鮮やかに解決!」。
ああ、なるほど、『あさが来た』とはぜんぜん違う。
あやや
局もジャンルも、なにもかも違います。
荒井
でも、テレ朝で女刑事のバディものですから、
これはなかなか信頼感がありますよ。
あやや
あります、あります。
荒井
当たったらシリーズ化ですね。
森下
間違いない。
あやや
キャストとしては、
波瑠さんの相棒に鈴木京香さん。
そしてこのふたりを支える
男性キャストがなかなかいいんですよ。
遠藤憲一さん、高田純次さん、沢村一樹さん、
光石研さん、あと、工藤阿須加くん。
永田さん、何度も言いますけど、
工藤監督の息子さんですよ。
──
ああ、工藤さんの息子!
荒井
永田さん、それ、毎回言ってないですか。
──
毎回、驚いてる気がします。
あやや
しかし永田さん、言っておきますけど、
工藤阿須加くんは、
いまや工藤監督の息子さんじゃないんですよ。
もう、「工藤阿須加くん」なんですよ。
──
「工藤監督の息子さんですよ」って、
さっき言ったじゃないか。
あやや
永田さんにわかるように
「工藤監督の息子さんですよ」って言ったんですよ。
でもね、永田さん、工藤阿須加くんは、
いまや工藤監督の息子さんじゃないんですよ。
──
なにを言ってるんだ。
荒井
‥‥びっくりぽんや!
あやや
な、なんですか。
荒井
大番頭さんも!
あやや
‥‥え?
あああ、山内圭哉さんも出てる!
びっくりぽんや!
大番頭役の山内圭哉さんですよ、
あの、友近さんといい仲になる人。
──
あーー、ほんとだ。
あれ? あれれ?
工藤監督の息子さんも出てませんでした?
荒井
あーー!
あやや
びっくりぽんや!
『未解決の女』には、
『あさが来た』組がそろってます!
──
そういえば、さっきまで語ってたドラマに
玉木宏さんや、ディーン・フジオカさんも!
あやや
びっくりぽんや!
森下
びっくりぽんや!
荒井
びっくりぽんや!
──
言いたいだけだ。
あやや
はい。
──
ドラマの話に戻るべきです!
あやや
ドラマの話に戻ります。
波瑠さんって、『あさが来た』のときは、
すっごい明るくて、前向きで、
ガッツのある役を演じてたのに、
あれ以降、じつは暗い役が多かったんですよね。
影があったり、ちょっと怒ってる人だったり。
荒井
そうですね。
『BORDER』の役とか、暗いんですよね。
森下
何か死体好きな刑事とかもなかったっけ。
あやや
はいはいはい。
荒井
このあいだ、コメディっぽいのもやってましたよね。
あれは暗くなかったような。
森下
『もみ消して冬』ですね。
あやや
『もみ消して冬』も、暗い役じゃないんだけど、
なんか「ネガティブなおねえさん」
みたいな感じだったんですよ。
荒井
ああ、まあ、そうですね。
あやや
で、『あさが来た』を見ていたファンとしては、
また、あの明るい波瑠ちゃんが見たいなと
思っていたはずなんですよ。
で、この『未解決の女』です!
波瑠ちゃんが演じるのは、
体力と柔術には自信のある肉体派熱血刑事です。
荒井
うん、それは見たいかも。
あやや
燃える正義感と情熱、
直感を武器になりふり構わず無鉄砲、
熱血バカとか、単純バカとも称される
真っ直ぐな役らしいです。
──
朝ドラっぽい。
荒井
じゃあ、さわやかな波瑠さんなのかな。
あやや
そう。
『あさが来た』の波瑠ちゃん、私好きだったので、
けっこういいんじゃないかなと思います。
──
なるほど、なるほど。
森下
大森美香さんって、
むかし『カバチタレ!』書いてましたね。
あやや
はいはい、あれ、おもしろかったですね。
森下
あれも、言ってみればバディものですよね。
常盤貴子さんと深津絵里さんが主役で。
あやや
あーー、そうだ、そうだ。
森下
だから、こういう、女性のバディもの、
きっとお上手だと思うんですよ。
荒井
なるほどーー。
あやや
無理やりっぽいかもしれませんけど、
『あさが来た』も、その分野かもしれませんね。
波瑠ちゃんと、宮崎あおいちゃんが‥‥。
荒井
ああ、そうか、女性バディといえば女性バディ。
森下
女性がふたり、ドラマの真ん中にいて‥‥
というお話を書くのが
得意なんじゃないかな、と。
あやや
森下さん、さすがの分析です!
ますます期待が高まってきました。
荒井
しかも、「明るい波瑠」さんが
帰ってきそうですし。
あやや
そもそも波瑠ちゃんの新境地を開いたのが
大森美香さんですからね。
今回また大森さんが、
波瑠ちゃんの明るいよさを
引き出してくれるのを期待したいと思います。
荒井
すみません、最後に、これ、
永田さんしかわからないと思うんですが‥‥。
──
なんでしょう。
荒井
メインのふたり、波瑠さんと鈴木京香さん。
「波瑠と鈴木」って考えると、
どうしても思い出してしまうのが‥‥
マシンガン打線。
──
ああー、ほんとだ!
「波留と鈴木尚典」!
あやや
なに?
森下
はるとすずき?
──
ベイスターズですよ。1998年ごろの。
森下
はあ。
あやや
ほう。
荒井
漢字は違うけど、
「はるとすずき」って名前がね、
昔のベイスターズの中心選手なんですよ。
森下
へえ。
あやや
またそんなマイナーな話を‥‥。
荒井
いや、マイナーではないっすよ、野球界では。
──
マシンガン打線、超メジャーだっつーの。
めっちゃ強かったっつーの。
あやや
さあ、荒井先生、永田さん、
ドラマ以外の話はそのくらいにして。
──
どの口がそれを‥‥。
(次回が最終回ですー!)
2018-05-12-SAT
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