| 糸井 |
上島（竜兵）さん、最近も泣いたんですって？
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| 有吉 |
はい。
「おまえらに会えてうれしい」
「おまえらと飲めて幸せだ」
って、泣いてました。
すごいなと思うんです。
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| 糸井 |
それは、心からだもんね。
あの人がいなかったら、
いまの「有吉」は、ないですよね。
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| 有吉 |
はい、絶対ないです。
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| 糸井 |
まずは自信を全部失っちゃうでしょ？
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| 有吉 |
ホントに。
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| 糸井 |
芸能界で、そういうケースって
はじめてかもしれませんよ。
親方が拾ってくれて「がんばれよ」という
パターンはあると思うけど、
上島さんの場合は、まるで
空中ブランコの下のネットですよね。
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| 有吉 |
はい。
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| 糸井 |
しかも、汚れた‥‥はははは。
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| 有吉 |
はははは。
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| 一同 |
（笑）
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| 有吉 |
ホントにびっくりさせられます、あの人には。
仕事がまったくないぼくに、
「お前がいないとオレは生きていけないんだ」
って言うんですよ。
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| 糸井 |
（笑）
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| 有吉 |
世間の、どこからも必要とされてないぼくを、
ただひとり、必要としてくれるんです。
「じゃあ、この人のためにがんばろう」
って、ぼくは思えました。
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| 糸井 |
なるほどねぇ。
‥‥有吉さんの
「売れない時期」ということよりは、
テレビの変化ということにもなるんだけど。
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| 有吉 |
ええ。
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| 糸井 |
テレビで「おもしろいこと言えよ」と
要求されること自体が、
すでに選ばれた人だと、ぼくは思うんです。
「出てるけど、要求されてない人」
というのが、じつは山ほどいて
そういう人たちは、
「隙間だけ埋めろよ」と
言われてるわけでしょ？
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| 有吉 |
はい。ぼくもわりと
信じられない気持ちでいるんですが、
何の発言もなく、
たのしくやったらもうそれでいいと、
ご機嫌に帰って行く人たちがいます。
それをまのあたりにすると、
そうなんだな、って思います。
自分も、そういうふうに
なりたいとは思うんですけども。
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| 糸井 |
うん。
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| 有吉 |
だけどぼくは、やっぱりいまだに、
ひとつうまくいかなかったことがあると、
もうやめよう、
いなくなっちゃったほうがいい、と
思っちゃいます。
だから、たのしくやって、
番組盛り上がったからよかったね、
というふうには
なかなか割り切れないです。
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| 糸井 |
たのしく帰って行く人たちを
うらやましいと思います？
それとも、コノヤローと思います？
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| 有吉 |
どっちでしょう。
‥‥かきまわしたいな、壊したいな、
というのが正直なところです。
「和気あいあい」ってのが、どうもダメで。
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| 糸井 |
それは、一種の、血なんだね。
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| 有吉 |
はい、たぶん。
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| 糸井 |
むかし、不良だったんですか？
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| 有吉 |
ぜんぜん不良じゃないです（笑）。
けっこう快活なスポーツマンでした。
文科系でサブカルやってたとか、
そういうことはないんです。
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| 糸井 |
そのあたりについても、有吉さんとしては誤算で、
自分の場所をつくるのが
きっと難しかったんでしょうね。
つまり、有吉さんは、いちいち、
持ってる資質とちがうところで
うまくいっちゃったんですね。
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| 有吉 |
ふはははは。
そうなんです、
おかしいですよね。
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| 糸井 |
お笑いをやろうと思った理由は？
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| 有吉 |
それは、単純で、もてたくて。
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| 糸井 |
うん、うん。
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| 有吉 |
『オレたちひょうきん族』とかが好きで、
みんなの人気者になりたくて、
明るい人間になりたくて‥‥。
だけど、どんどん逆の方向に行ってしまいました。
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| 糸井 |
芸人さんって、よく
明るい人と暗い人とに分かれる、と言われます。
明るいに決まってる人と、
暗いけど笑わせる人と‥‥
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| 有吉 |
はい。どっちかですね。
真ん中の人はいないです。
ぼくはたぶん、陰湿なほうです。
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| 糸井 |
暗いほうだったわけですね。
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| 有吉 |
はい、暗いほうです。
（続きます） |
