| 糸井 |
有吉さんが出演された回の『アメトーーク！』を
スタジオで観覧させてもらったんですが、
とてもおもしろかったです。
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| 有吉 |
ありがとうございます。
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| 糸井 |
途中で有吉さんが
ひとりでお話しされる場面がありましたが、
あれって、事前に
どのくらい打ち合わせしたんですか？
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| 有吉 |
あれに関しては、ほぼゼロです。
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| 糸井 |
えっ？ ほんとに？
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| 有吉 |
はい。
事前にスタッフから渡された
アンケートのようなものにさらさらっと書いて、
「じゃ、お願いします」
で、おしまいです。
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| 糸井 |
だけど、台本は、
ほかの人が書いたんでしょ？
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| 有吉 |
大まかな流れの台本はいただきましたが、
ぼくが話す内容は
チェックなしでした。
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| 糸井 |
それは、すごい！
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| 有吉 |
えへへへ。
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| 糸井 |
うーん‥‥それは、すごい！
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| 有吉 |
自由にやらせてもらってます。
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| 糸井 |
いま、ホントに驚いてるんです。
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| 有吉 |
はい（笑）。
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| 糸井 |
「最近の一発屋事情」という
テーマだったんですが、
有吉さんが番組の終わりのほうで
ひとりで講義のようなことをしたんです。
「講義をする」ということについては、
事前に打ち合わせがあったわけでしょ？
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| 有吉 |
はい。
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| 糸井 |
内容については
自分で考えたんですか。
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| 有吉 |
はい。いっさい、
任せてもらいました。
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| 糸井 |
このところ、有吉さんは
言ってる内容を
わりと固めてきてはいるけど‥‥
内容が、つまり、ホントにおもしろいんで（笑）。
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| 有吉 |
ありがとうございます。
「一発屋」に関しては、
何かがにじみ出るのかもしれませんね。
ほんとうに仕事がない時期に、
もやもやしたものが
心の中に、ずーっとあったものですから。
それを当時は上島竜兵さんとかに
ぶつけてたんですけど。
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| 糸井 |
（笑）
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| 有吉 |
ぼくのもやもやを。
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| 糸井 |
はい。上島さんに。
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上島竜兵さん。
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| 有吉 |
そこで上島さんは、
「まぁまぁ、そう言うなよ」
と言ってなぐさめるんじゃなくて、
「うーん、たしかにな、わかるわかる」
と、ぼくの言うことにどんどん
圧倒されていっちゃうんです。
あれ？ という感じで。
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| 糸井 |
先輩ヅラしない、上島さんは。
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| 有吉 |
しないです。
ですからぼくは、
「けっこう理屈が通ってるのかな？」
「もしかしたら、自分の立場に
説得力があるのかな？」
そう思いはじめたんです。
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| 糸井 |
ぼくは『アメトーーク！』で
「おしゃべりクソ野郎」が出てくる
その日の放送を観てたんですよ。
（註：番組中、有吉さんが
品川庄司の品川祐さんに
「おしゃべりクソ野郎」という
あだ名を命名した）
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| 有吉 |
あ、はいはい、もう（笑）、はい。
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| 糸井 |
あれはね、「通」な人たちは
おしゃべりが一回止まったと思うよ。
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| 有吉 |
はははは。
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| 糸井 |
オレもあんとき、
ひっくり返ったんです。
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| 有吉 |
はい（笑）。
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| 糸井 |
あの瞬間は、有吉さんにとっても
ちょっとカミナリみたいだったでしょ？
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| 有吉 |
出ちゃったな、という感じでした。
ホントにずっとくすぶってたので、
あのとき、５年ぶりぐらいで
爆笑というものを感じました。
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| 糸井 |
（笑）
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| 有吉 |
「あ、こういうことなんだなぁ」
と思いました。
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| 糸井 |
うん、うん。
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| 有吉 |
気持ちよかったです。
ぼくはそれまで
笑われるといっても、
失笑されることしかありませんでした。
猿岩石時代から、ずうっとそうです。
笑いといえばそれが基本。
それが、あのとき
「こういうのがお笑いなんだなぁ」
とわかったんです。
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| 糸井 |
打った球がビューンと、
スタンドに入っちゃったんですね。
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| 有吉 |
はい、そんな感じでした。
どういうツラしていいかも
わかんなかったです。
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| 糸井 |
でも、平然としてたよね？
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| 有吉 |
はい。
それは、もう、わかんなかったからです。
うれしいのか、どうしていいものなのか、
これで、品川に
潰されちゃうんじゃないかとか（笑）。
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| 糸井 |
（笑）
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| 有吉 |
不思議な感じでした。
（続きます） |
