| 糸井 |
売れてるときって、収録中に
その場を仕切ってもいいという権利が
きっと、あるでしょう？
だけど、そうでもないときには、
ここはオレが仕切っちゃいけないんだ、
ということになりますよね。
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| 有吉 |
はい。仕切っちゃいけないと思います。
気付いたことも
発言しちゃいけないと思うんです。
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| 糸井 |
そうなんですよね、きっと。
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| 有吉 |
はい。
はい。
（強くうなずく）
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| 糸井 |
うーん‥‥。
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| 有吉 |
‥‥「オレじゃない」って
思うんですよね。
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| 糸井 |
うん。
あのね、じつはぼくはもう
あんまりテレビに出ないんですよ。
テレビに出て、言うことが
もうないんです。
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| 有吉 |
（笑）そんな。
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| 糸井 |
つまり、いまみたいなこういう場所で、
「発言していいよ」と言われて
しゃべるのはいいんだけどもね。
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| 有吉 |
ええ。
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| 糸井 |
オレがわざわざしゃべる意味もないし、
発言する人が順番を待ってるのに
オレみたいなもんが出て行って
何かを言って
聞いてもらったら聞いてもらったで
申し訳ないし、
という気持ちになって。
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| 有吉 |
はい、はい。
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| 糸井 |
だから、
「自分の中でテレビが終わったんだ」
と思うに至りました。
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| 有吉 |
ぼくはいまだにそうですが、
誰かがおもしろい話をしてると、
「ちゃちゃ」が入れられないんです。
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| 糸井 |
うん、うん。
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| 有吉 |
きっとオチがあって、
それについてのみんなのチームワークが
あるんだろうから、
ぼくは‥‥、と思って
ついつい引いちゃうんです。
だから、この世界にはあんまり
向いてないと思います。
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| 糸井 |
だけど、ノリノリのときは
オッケーなわけでしょ？
みんなが、
「有吉が何言うかな？」と
待っててくれるんだったら、言うことができる。
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| 有吉 |
ええ。
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| 糸井 |
有吉さんはいま、
そのあたり、揺れてますよね。
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| 有吉 |
揺れてます（笑）。
すごく揺れてます。
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| 糸井 |
おもしろいねぇ。
でも、ほとんどの芸人さんは
仕切っていいなんていう権利は
なかなか与えられないわけです。
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| 有吉 |
はい。
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| 糸井 |
トーク番組で
ひな壇に座るとたいへんですよね。
何というか、あれは
縄張り争いみたいなものがあるんですか？
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| 有吉 |
そうなんですよねぇ、
結局、肉食のやつが仕切ってて‥‥。
ぼくら、ホントに草食なので、
入っていけないんですよ。
やっぱり、天下取れないな、と思います（笑）。
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| 糸井 |
うん、うん。
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| 有吉 |
ほんっとに、
底抜けに明るい人とか、ね？
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| 糸井 |
うーん、うんうん（笑）。
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| 有吉 |
ぜんぜんおもしろくないけど
お客が異様に笑う人とか、ね、
いるんですよ。
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| 糸井 |
わかる、わかる。
あれは不思議だけど、そうだよね。
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| 有吉 |
そうするとやっぱり、
ぼくなんかは
ふてくされちゃいます。
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| 糸井 |
そういう人が、
「赤上げて！」って言うだけで
みんなが笑うよね。
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| 有吉 |
はい。
こっちはもう、
「なんだよ！」って思っちゃって。
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| 糸井 |
うーん。
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| 有吉 |
自分が話に入っていけないだけなのに、
「客がバカだ」という言い訳で
逃げちゃうんです。
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| 糸井 |
おそらく、ダメな時期というのは、
そのあたりの悪循環があるわけですよね。
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| 有吉 |
はい。そのとおりです。
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| 糸井 |
そういうことがあったときも、
上島竜兵さんに
思いをぶつけるんですか？
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| 有吉 |
はい。
あんな聞き上手、いないです。
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| 糸井 |
うん（笑）、存在として、
上島さんは天才ですよね。
（続きます） |
