じぶんで決める、じぶんの仕事。 『アルネ』の大橋歩さんに、糸井重里が聞きました。
 


第10回 川久保玲さんに会うときには、ご一緒しましょう。

大橋 『アルネ』をやっていくなかで、
「この人に会いたい!」
っていうような気持ちがあって。
糸井さんはね、人が、
会ってくださるじゃないですか。
私の場合はそういう立場に、
今、まだないので、
会ってくださいって言うのは、
とっても難しいんですよ。
糸井 いえ、似たようなもんだと思います。
つまり、どういう考えで、
どういう誌面にどう出るかっていうことが
ちゃんと提示できれば、
断られても恨んだりしませんから。
多分大橋さんもそうなんですよね。
重要なのはそこなんですよ。
断られたときに恨みそうな人の話って、
断るのも難しいんですよ。
大橋 ああ、そうか。
糸井 でしょ。
大橋 はい。

 
   
『アルネ』には、大橋さんが興味をもった
さまざまな人物が登場している。
写真も、大橋さんがみずから撮影している。
糸井 大橋さんの『アルネ』の話も
多分そうだろうなって思ったんですけど、
2人が断られるなって思ってた、
会いたい人の代表が川久保玲さんですよね。
  【註】
川久保玲:1942年、東京生まれ。ファッションデザイナー。
慶應義塾大学文学部哲学科卒業、1969年にコム デ ギャルソンを立ち上げる。
大橋 ちょっと今のところ、諦めていますけど(笑)。
糸井 僕もほとんど諦めてるし、
オファーもしてないんですけど、
何か、ものすごいいいアイデアがあって、
川久保さんに今だっていうタイミングが
もしかして来たら、
実現するんじゃないかなって
僕はずーっと忘れないで思ってます。
僕は川久保さんから、
仕事を頼まれたことはありますから。
大橋 はい、私も。
糸井 同じことですよね。
大橋 (笑)
糸井 頼んだんだから、逆だってあるぞ、って。
で、川久保さんの、
こんなこと聞かれたくないっていうのも、
だいたいほぼわかりますよね。
大橋 わかります。
糸井 ねえ。
大橋 わかります。
糸井 で、どんな話したい? っていうのも
僕としては、多分、できるんですけど、
今のまんまじゃだめですよね。
それはね、いずれね、
どっちが先でも手伝いましょう。
大橋 はい、そうしましょう(笑)。
糸井 僕は、もし僕が
川久保さんのコンテンツを
始めることができたら、
大橋さんにぜーったいに
絵を描いてもらいたいです。
大橋 お願いします。はい。
糸井 大橋さんが『アルネ』で
そのインタビューがあったら、
僕は、どういう役割でもいいから手伝います。
大橋 はい、お願いします(笑)。
糸井 僕、やっぱりね、
川久保さんのインタビューって、‥‥
大橋 ねえ‥‥
もうちょっとこうね、
身近なところで話をしていただけると。
糸井 やっぱあの人の
普段のジャッジメントというか。
大橋 うん、興味ありますよね。
糸井 ありますよねー。
ジャッジ人生みたいなことですよね。
大橋 そうですよね。
糸井 右に行ったらダサい、
左に行ったらかっこいい、みたいなところを、
もう、ピンポイントで、
はい、こっちって。
大橋 すごいですよ。
糸井 ですよね。人の選び方とか。
大橋 素晴らしいです。
糸井 客の選び方まで、
今、いってますよね、きっと。
大橋 そうですか(笑)!
糸井 店長さんたちはいろいろ
語ってくれるんですけど、
川久保さんから聞きたいですね。
大橋 そうなんですよねー。本当に。
糸井 それは、よし実現させるべく!
大橋 はい!
 
(つづきます!)
2007-02-12-MON
協力=クリエイションギャラリーG8/ガーディアン・ガーデン
 
 


(C) HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN