ほぼ日 | 赤塚不二夫さんとの直接の出会いは、 文庫版『天才バカボン』のときですか? |
そうです。 あのね、漫画文庫ってね、 一度盛り上がったんだけど、 ダメになったことがあるんですよ。 大手出版社も苦戦して、 どこも手を引きはじめた時期があったの。 ところが、秋田書店の 『ブラック・ジャック』の文庫が 猛烈に売れちゃったことを機に 盛り返したんです。 そんなとき、竹書房が、 よし、赤塚不二夫を文庫でやるぞ、と いうことでスタートしました。 ぼくも、どうせやるんだったら、 バッチリンコに決めちゃおう! やっぱりこれまで単行本には うっかり収録されてなかった回も含めて 全集みたいにていねいに 描かれた順番どおりに作っちゃおう! ということになって がんをはったわけなんだ。 |
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ほぼ日 | すなわち、頑張った‥‥わけですね。 |
そう。文庫なのに いちばんのパーフェクト版じゃん、 というふうにしたかったの。 |
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ほぼ日 | 以前我々が、よしもとばななさんの 『ベリーショーツ』の制作のため コズフィッシュ(祖父江さんの事務所)に 通いつめていたときは 『天才バカボン』は 手にとりやすいところにあって、 よく立ち読みしていました。 |
いまも、手にとりやすいところにあるよ。 ほら、バカボン1、2、3。 |
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ほぼ日 | ‥‥BOXの中が空っぽのようですね。 |
なかなかの人気商品なので ついつい揃ってないですね。 |
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ほぼ日 | 事務所内でね。 |
よしっ! さがそう、事務所内を。 15、16、17、18、 19‥‥が抜けてるのか。 |
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ほぼ日 | 19、ありました! |
ほいっ、20もありました。 ひとまとまった! |
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ほぼ日 | ‥‥あ。この巻、 お名前が‥‥山田一郎??? 誰??? |
あー。 わかりました? ここ、大事なとこですよ。 著者名が「山田一郎」ってとこが とっても〜、大事です。 |
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ほぼ日 | あ! そうか‥‥赤塚さんは、 お名前を変えられたときが あったんでしたよね。 |
そーそー。 この巻のはじめの回から変わったの。 |
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ほぼ日 | 背は帯で隠れているから 気づきにくいですね。 |
書籍化されたもののなかで 「山田一郎」の名前がメインになったのは これが初のはずですよ。 ほかの出版社では みんな「赤塚不二夫」で出てますから。 |
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ほぼ日 | 『天才バカボン 山田一郎』 と書いてあっても 誰かわからないですもんね。 |
結局、この第16巻は、 |
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山田一郎に改名して。 |
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また赤塚不二夫に戻った。 |
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ほぼ日 | どうして山田一郎に? って訊きたいですけど、 それはやっぱり そうするのがおもしろかったんですよ、 ということなんでしょうね。 |
ギャグひとすじ。 |
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(つづきます) |
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