花宇(はなう)は、幕末から続く植物生産卸の会社。
プラントハンターの清順さんは、
創業から数えて5代目となります。
糸井重里が7月初旬、
雑誌「BRUTUS」のための対談収録を兼ねて、
(この「BRUTUS」は8月1日発売号です)
花宇を訪れ、清順さんにお会いしてきました。
![](../images/ph8-120727_1.jpg)
清順さんの花宇は兵庫県にあります。
いくつかの温室と庭、そして、
植物を育てたり実験するための広い畑が
いくつかあります。
温室の中では、めずらしい植物が
たくさん栽培されています。
なかにはもちろん、
「砂漠のバラ」、つまりアデニウムもありましたよ。
![](../images/ph8-120727_2.jpg)
清順さんの手にしている「砂漠のバラ」は
ちいさな鉢ですが、
かわいい花がいちりん咲いてます。
見えますか?
![](../images/ph8-120727_3.jpg)
敷地の中には見たこともないような植物が
たくさんあって、
糸井重里はたびたび足を止めます。
![](../images/ph8-120727_4.jpg)
![](../images/ph8-120727_5.jpg)
いちばん気に入ったのは、
どうやらこちらの木。
「ポニーテール」というそうですよ。
![](../images/ph8-120727_6.jpg)
花宇の中を歩いていると
いろんな表情の植物に出会います。
自らの姿をどうやってこんなふうにしてきたのか、
何種類もの植物を見ていると、
とても不思議に思えてきます。
![](../images/ph8-120727_7.jpg)
![](../images/ph8-120727_8.jpg)
![](../images/ph8-120727_9.jpg)
繁殖のしかた、養分の取りかた、
それぞれの植物で
「生き残るために取ってきた方法」が
ちがいます。
清順さんに質問を投げかけるように、
糸井は言いました。
「植物って、根っこは動かないから
限りなく受け身に近い繁殖をしますね。
受粉も、ハチにまかせたり、風にまかせたりする。
日陰にいればそのように育つし、
太陽も雨も養分も、ただ受け身で浴びたり
吸い上げたりするだけでしょう。
だからこそ、いろんなものと
深い関わりをもって生きているとも言えます。
だって、考えてみれば植物だけではありません。
太陽、虫、風、空気‥‥他者とかかわらない
生きものなんていないのです。
植物は、そこがわかりやすいんですね。
『へぇ、おまえはそういうところで
他者と関わって生きているのか』
と思いやすい。
だから、ひとつひとつの植物を見て、
感心して立ち止まってしまう」
![](../images/ph8-120727_10.jpg)
![](../images/ph8-120727_11.jpg)
![](../images/ph8-120727_12.jpg)
![](../images/ph8-120727_13.jpg)
ここには世界中から清順さんが
「ハンティング」してきた植物が集まっていますから、
ほんとうに多種多様です。
清順さんはやっぱり
おもしろい植物が大好きなんですね。
清順さんは愛犬モコを抱っこしながら
糸井にこう応えてくれました。
![](../images/ph8-120727_14.jpg)
「ここに集まっているものは、
そんなふうに、不思議に思える植物が多いです。
極端な植物ってね、
人の心に強烈に植物を植えることができるんです。
人の心を呼び起こす、というか‥‥。
そうして、みんなの心のなかにエデンの園を作りたい。
そのことが、もしかしたら
ぼくら『そら植物園』の
やりたいことなのかもしれません」
清順さん率いる「そら植物園」は、
植物に関するさまざまな企画を提案したり
サポートする活動をしています。
植物といっしょになにかをはじめられたら、
植物とつきあっているときの、
自分のあたらしい心に
出会うことができたら。
そんな思いをお互いに持ちながら
「そら植物園」と「ほぼ日」が
いっしょに制作したキットが
「そら植物園とつくった、花BEGINNINGキット
Vol.1 砂漠のバラ」
です。
清順さんやみなさんといっしょに
砂漠のバラを種から育てるキットです。
最初の植物を「砂漠のバラ」にしたのは、
心の中に植物を植えることができるような、
キュートで、ユニークで、
清順さんが大のお気に入りの木だからです。
清順さんのハンティングしてきた
おもしろい植物は、
東京の代々木VILLAGEでも見ることができます。
お近くにいらしたら、寄ってみてくださいね。
みなさんも
植物、はじめてみませんか?!
それでは、また。
![](../images/ph8-120727_15.png)
8月1日発売
BRUTUS No.737
「木と花と草のこと。」
花宇の敷地、畑のなかを歩きながら
清順さんと糸井重里が話したことが
4ページにわたって掲載されています。