ブタフィーヌさんのぬいぐるみができました。
ぬいぐるみをつくるたくさんの経験とたしかな技術をもっている
「バンプレスト」さんと、
とあるお仕事でご一緒したのがきっかけで、
「もしかしたら、つくれるかもしれない」という夢が、
ほんとうになりました。
1年以上かかって実現したこのプロジェクト。
担当である阪田典彦(さかた・のりひこ)さんのところに、
たかしまてつをさんといっしょに、お邪魔してきました。
かわいいブタフィーヌさんのぬいぐるみができあがるまでの
いろいろなこと、全3回で、おとどけします。
第1回 300体のブタフィーヌさん。 |
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第2回 ブタフィーヌさんらしさをつくるには。 |
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第3回 実物の「6分の1」になってます。 |
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阪田さんは中国の工場には 何度か足を運ばれているんですか? 大変なこととか、なかったですか。 |
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生産ラインの確保ですね。 ちょうどクリスマス向け商戦で アメリカからの発注がすごい時期なんです。 さらに、2月になれば、旧正月があって、 1月は、こちらが正月で 休みがあるってところで、 スケジュールを管理するのが ほんとうにたいへんなんです。 だれもが知っている、 アメリカ生まれの有名な 動物キャラクターのぬいぐるみなど、 ものすごい量がつくられていくなか、 ブタフィーヌさんをつくってもらいました。 見ていると、勇猛果敢にアメリカの兵士の中を 突破していくブタフィーヌさん、 みたいな感じでしたよ。 |
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ははははは。 | |
アメリカものって 生産数がすごそうですね。 こちらは300ですが‥‥ |
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あちらは、数百万という数です。 | |
ええ? | |
日本で売れるおもちゃって、 ものによりけりなんですけど、 20万個、30万個で大ヒット、 100万台いくとすごい、となりますけど、 アメリカは市場規模が違いますから、 それは、ざらにある数字で。 |
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そっかー。 その中、300個を つくってもらったんだ。 実際にどのくらいの時間かかるんですか。 |
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準備にはとても時間がかかりますが、 最終工程で、製品をつくるのは、 実質、2、3日だと思いますよ。 |
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それでも3日かかるんですね。 | |
1日でさくっとっていうわけには、 やっぱりいかないんです。 |
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今回タグもオリジナルですね。 | |
作っていただいたんですよね。 ロゴを入れて。 |
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あ、ここに阪田さんの OKサインが入ってますよ。 |
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あ、そうです。 それが見本として ライン長みたいな人のところに置かれて、 これと合わせなさい、みたいな感じで。 |
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なるほど。 これは、見本になった、リーダー格の ブタフィーなんですね。 |
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うちのカピバラさんとかもそうなんですけど、 シンプルな顔立ちものほど、 ちょっとバランスが崩れると すごく不細工になったりとか、するので。 正直、見せられないような ブタフィーヌさんもおりました。 |
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一同 | はははははは。 |
鼻が下に、にゅーんと降りてたりとか。 | |
はははは。 こわいけど、見てみたいです。 |
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そういうときはミリ単位で、 こう合わせてくれって 何ミリに合わせてくれと指示を出したり。 やっぱり、生地って難しいらしいんですよね。 つけ位置が。 |
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伸びたりもしますしね。 | |
生地って縦横があるんで、 実は難しいですよね。 この毛の方向は、前から後ろに流れてるとか、 そういうところが適当だと かわいいぬいぐるみにならないですもんね。 最後に修正したのが、たしか、 鼻の穴をプリントにするか、 アップリケみたいな付け鼻にするか。 |
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はい。 | |
飛び出しすぎるのはヘンだねって プリントにしてもらったんでした。 |
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鼻の中が硬いですけど 何が入ってるんですか? |
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ボタンのような素材を 布でくるんでいますね。 |
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たかしまさん、こんなところで こんな質問をして、なんですけど、 ブタフィーヌさんの耳は ほんとはどうなってるんですか? |
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耳ですか? あはははは。 一応、やっぱり、あるはずですね。 でも、ぼくも、まだ見たことはないです。 |
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あ、たかしまさんも見たことがない! | |
はい。 | |
おじさん酔っ払って 髪を短く切ったときがあって。 |
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はい。あのときは、 一応、シュミレートして、 耳ぎりぎりのところを残したんです。 この辺にきっとあるだろう、 っていう位置ぎりぎりに。 |
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じゃあ、耳はけっこう 上めについているんですね。 |
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そうですね。 | |
でも、ぬいぐるみが届いた方、 髪をめくっても、耳はないですからね、 めくらないでくださいね。 |
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はははは。 | |
ところで、『ブタフィーヌさん』5巻と 同じくらいのタイミングで バンプレストさんが始められる ネットショッピングサイトがあるんですね。 |
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「熱中ネット」っていいます。 | |
そこにはブタフィーヌさんは並びませんが、 そのオープン記念とも言える時期に 世の中に出るのは、うれしいですね。 「熱中ネット」では どせいさんの、ほぼ実物大ぬいぐるみが 登場すると聞きましたよ。 |
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せっかくなんで、連れてきましょうか。 どせいさん。 |
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えっ! 見られるんですか。 | |
ちょっとお待ちくださいね。 (部屋を出る) |
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たぶん違和感ないですね、 どせいさんとブタフィーが並んでても。 |
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ちょっと友達になれそうですよね。 阪田さんがいない間に カピバラさんと遊びましょうか。 |
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あ、組み体操。 | |
すっごいかわいい。 | |
安定してますよね。 | |
戻りましたー。 | |
うわー、でっかい! | |
すごい大きいですね。 | |
きれいな球になってますね。 | |
こちらもネット販売専用商品です。 | |
どのくらい大きさがちがうか ブタフィーヌさんと比べてみましょう。 このぐらい大きさがちがいます。 |
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無人島にいるみたいな感じですね。 | |
ほんとですね。 | |
どせいさんが実物大だとすると ブタフィーヌは「何分の1」スケール なんでしょう。 |
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ブタフィーは立つと88センチです。 ぬいぐるみが、ええと(測る) 体長15センチくらいですね。 |
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88÷15。 | |
約、6分の1スケールの ブタフィーヌさんということになりますね。 |
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はい、そうですね。 | |
こうしてぬいぐるみを監修する技術は 阪田さんはじめ、バンプレストの方、 みなさん、おもちなんですよね。 すごいなあ。 |
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担当するキャラクターによっても ぜんぜんちがうんですけども、 専任で担当キャラクターを持ってると、 経験値はどんどん積まれていきますね。 例えばどせいさん、ぼくは2回目なんです。 以前UFOキャッチャーで、 つくったことがありまして、 その時もそうだったんですけど、 鼻がすごく重いキャラクターなので 普通に綿を詰めただけだと、 前に倒れちゃうんですね。 後ろに、ペレットっていう 重い球みたいのを詰めて 後ろに重心がいくようにしたり。 |
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阪田さんはこれまでに、 どんなキャラクターを担当してきたんですか? |
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いまも「ドラゴンボール」と 「ルパン三世」がメインですね。 |
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わぁ! | |
ちょっとうれしいですね。 ドラゴンボールと、ルパン三世の人が ブタフィーヌさんを、ですよ。 |
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ビッグネームですね(笑)。 うれしいです。 |
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他部署のかたから聞きましたが、 阪田さんはエースと呼ばれているそうです。 |
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いや、そんなそんな! |
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エースに作ってもらった(笑)! | |
でも、ぼくはフィギュアばっかりやってるので、 ぬいぐるみをつくると、 80年代ふうになるって言われるんです。 |
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それは、どういう意味ですか?(笑) | |
ほんのり、なつかしい感じになる。 | |
あっ。それが、かえって、 よかったんじゃないですか! |
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ちょうど、雰囲気に合っていますよね。 | |
ブタフィーヌさん、どうですか? | |
自分でもかわいいと思います! | |
かわいいですか! やったー。 |
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ありがとうございます。 (しみじみと見て) ほんとに、かわいくできてます。 300のブタフィーが いろんなかたのところに届くんだなあと思うと、 胸がいっぱいになります。 どうも、ありがとうございました。 |
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こちらこそ、たのしいお仕事を どうも、ありがとうございました。 |
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(終わります) | |
2008-12-10-WED |
ブタフィーヌさんのぬいぐるみは、限定300セットで 単行本『ブタフィーヌさん5』とともに 12月10日午前11時から、「ほぼ日ストア」で販売をいたします。 *おかげさまで、限定300セットは完売となりました。 どうも、ありがとうございました。 |
セット内容:ブタフィーヌさんぬいぐるみ1体
+『ブタフィーヌさん5』1部
+単行本購入特典としてたかしまてつをさんのミニ絵本『おばけやしき』付
価格:セットで2400円+税