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『三位一体モデル』の本文に入るまえに、
糸井重里による「まえがき」があります。
『三位一体モデル』という本が生まれた、
いっぷう変わった(!?)いきさつから、
「三位一体モデル」という考えかたが、
どんなふうに役立ちそうなのか、
どんなふうにおもしろがれそうなのか、
ということが、コンパクトに書かれています。
まえがきのタイトルは、
三つの円を描くと、何でもわかる!
「三位一体」の思考モデルは、
理解のためのメガネ。
本文へと読みすすむまえに、
『三位一体モデル』がどんな本なのか、
あらかじめ、なんとな〜く知っていただくための、
頭のウォーミングアップにあたる部分ですね。
タイトルでもある「三位一体モデル」とは、
とおくキリスト教に起源を持つ考えかた。
これを図で表すと、下の写真のように、
「父」「子」「聖霊」というみっつの存在が
組み合わさって、できているんです。
この本の大きなテーマは、
キリスト教とイスラム教の対立から
現代のビジネスの問題にいたるまで、
この「三位一体モデル」にあてはめて考えると、
さまざまな問題を
ふかく理解することができる、というもの。
その「三位一体モデル」が
どのようにして生まれ、どんな考えかたなのか、
ということを説明しているのが、この第1章です。
「三位一体モデル」を考えだしたキリスト教では、
「聖霊」とは、つぎつぎに増殖し、
その動きも予測不可能だと、されているんだそうです。
そういった「増殖する霊」こそ、
現代の資本主義やビジネスを考えるうえで、
すっごく重要なキーワードとなってくる!?
そんなことを説明しているのが、この第2章。
そういえば、前日お話をうかがった
脳科学者の池谷裕二先生も、
最近、科学の分野でも
この「霊」に似たような考えかたが
注目されているんだ、とおっしゃっていました。
ちなみに、上のページの写真は
そんな不安定な「霊」の動きを占うための儀式。
西アフリカのドゴン族という部族に伝わるもので、
満月の夜に、青いキツネが、地面に描いた方陣の
どの部分に足あとをつけたかで、占うんだそうです。
なんだか、とっても神秘的ですよね。
最後の章である第3章では、たとえば
なぜ、資本主義というものが、
西ヨーロッパだけで発達し、
ロシアや東欧では、発達しなかったのか?
などの問題を、
「三位一体モデル」にあてはめて考えています。
ちなみに、中沢先生が旧ソ連を旅したとき、
マクドナルドとジーパン屋さんに
長い行列ができているのを
偶然、見かけたことがきっかけで、
上の問題に「三位一体モデル」が
ふかく関わっているのでは、と直感したそう。
その他にも、中沢先生のお話は広がっていき、
ビートルズやセックス・ピストルズの音楽は‥‥
な〜んていう話題も、出てくるんですよ!
そして、本文の最後のところでは、
経済やビジネス、情報、広告などに関係する人は
とくに「三位一体モデル」に深い関わりがあるんだ、
という中沢先生の言葉で、締めくくられています。
中沢先生の「三位一体」講義のあとには
広告代理店のかた、商社マン、スポーツライター、
レストラン経営者、教師‥‥などのみなさんの
座談会のようすが、収められています。
「私の場合、クライアントが『父』だから‥‥」
「予備校のスター教師こそ、『霊』という増殖装置で‥‥」
「『子』の役割を負うのが、シェフの仕事‥‥」
などなどなど、それぞれの職業の立場から
「三位一体モデル」について、話し合っているんです。
この座談会を読みながら、
今度はご自分のことに引きつけて
考えてみるのも、きっとおもしろいですよ!
いかがでしたでしょうか?
ご紹介したのは、
本の内容のわずか一部分ですけれど、
すこしでも『三位一体モデル』に
興味を持っていただけたら、うれしいです。
そして最後に、たいへん唐突なのですが、
本日12月3日(日)付の
朝日新聞朝刊の読書面を、
ぜひぜひ、ご覧になってみてください。
そうです、『三位一体モデル』が
取り上げられているんです!
この原稿を書いている時点では
どんなふうに紹介していただいているのか
まだわからないのですが、いまから本当に楽しみ!
今後も、雑誌やテレビなどのメディアに
登場する予定がありますから、
詳しいことが決まりしだい、
またこのページで、お知らせしていきますね! |
2006-12-03-SUN
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