先輩、後輩、そしてなかよし。
たのしい仲間といっしょに一泊だけ、
緑あるところに出かけてみましょう。
おなじものを食べ、火をたいて、
終わりのない夜をむかえます。
ふだんとちがうおしゃべりが花開き、
いつの日か、
「そういや、あんなこともしたよね」と思い出す
時間になるにちがいありません。
- 糸井
- ところでみんな、
アサリの潮干狩りは行ったことある?
- みうら
- ありますよ。
- 糸井
- 潮干狩りで疑問に感じたことはない?
貝はなぜか、必ず固まりで浜辺にいるんだよ。
- 南
- ああ、はい、はい。
- みうら
- グループをつくってるってことですか?
- 糸井
- それをふと思い出して、
こないだネットで調べてみたの。
だって「どういうこと?」と思うわけだよ、
アサリのどんな都合があって、
固まっているんだ? ってさ。
そしたら「アサリの巣」という言葉が出てきた。
- 南
- ほう。
- 糸井
- 「アサリの巣を見つけるには」
みたいなHOW TOがネットに書いてあるんだ。
- みうら
- それは、アサリのご家族ってことですか?
そんなことしてたら、
潮干狩りされるばかりじゃないですか(笑)。
- 糸井
- そうそう(笑)、おかしいだろ?
で‥‥、
- 南
- 俺はちがうこと考えたよ。
- 糸井
- あぁ、伸坊が正解だ。
- 南
- うん(笑)、あのね、潮干狩りっていうのは、
撒いてるんですよ。
- みうら
- あー!
- 糸井
- うん(笑)。
- みうら
- いや‥‥、ぼくもそれについては、
ちょっとだけ思いましたけれども、
それを言ったら糸井さんの話がつづかないと思い、
いま、ショックであめを噛んでしまいました。
- 糸井
- 俺は舐めてるよ。
- 南
- 俺も舐めてるよ。
- みうら
- いばらないでくださいよ(笑)。
- 糸井
- でもまぁ、
みうらもそう思ったわけですよ、
みんながそのことだろうなと思ってる。
しかしネットには「アサリの巣」という
言葉まで出てきていた。
そのことに俺はちいさく感動しました。
‥‥あっ、すでに八王子だよ。
- みうら
- 八王子で高速を降りるんですか?
- 糸井
- 八王子にはどうやら
東京都唯一の道の駅があるらしいよ。
- みうら
- 東京都の道の駅って、
どんな産物を置いてるんでしょうか。
- 糸井
- 道の駅ってあんがい、よその産物も置いてるよね。
沖縄のちんすこうが東北にあるのを見たこともある。
「めずらしいちんすこういかがですか」なんてさ、
それはめずらしいだろうよ。
- みうら
- まぁ、あっちからしたらね(笑)。
- 南
- ピーナッツはだいたい中国ですね。
- みうら
- ピーナッツって、どうして
たくさん食べると鼻血が出るんですか?
- 糸井
- 出ないよ。
- みうら
- じつはぼくも出ないんです。
でも、昔から
「鼻血が出るからあんまり食べるな」
と言うじゃないですか。
- 南
- チョコレートは?
- 糸井
- チョコレートも出ないねぇ。
- 南
- でも、言うよね。
チョコレートとピーナッツは必ず。
- 糸井
- 当時にしては栄養があるものだったから、
精がつきすぎるというイメージなのかな。
俺はすっぽんで鼻血が出たことはあるよ。
- みうら
- それは本当に精がついたんですね(笑)。
- 糸井
- うーん、たぶん偶然だと思う。
- みうら
- でも、精がつくとどうして
鼻血が出るんでしょう。
- 南
- そうだよね。おかしいよね。
- みうら
- 血は下のほうに行かないとだめなのに、
上から出ててってどうする、
ってことですよね。
- 南
- 鼻血はね、出だすと、いつまでも出る。
- 糸井
- 年取ると鼻の穴が乾くから、
それも原因になるね。
- 南
- いろんなところが乾くね。
- 糸井
- 指とかも。ページめくれないもん。
だから、つい、
床屋で2万円払おうとしちゃうの。
- みうら
- ぼくはスマホの画面が反応しないこと、ありますよ。
- 南
- そうなの?
- みうら
- はにかみながらやりなおしますけどね(笑)。
- 糸井
- それは乾きに関係ないんじゃないか‥‥
あっ、いま仕上げのように、
ついにあめを噛みました!
- 南
- 俺は、あめをね、自然に、
はじめてくらいだよ、
まったく噛まずに。
- 糸井
- 舐め切った?
- 南
- いましがた舐め切った。
いや、すごいわ。舐め切ったよ。
- 糸井
- 俺はだいたい舐め切ってるよ。
子どものころ、おばあちゃんに言われたね、
「あめは舐めるもんだから」って。
- 南
- 「舐めるもんだ。かじるもんじゃない」
たしかにそう言われた。
- 糸井
- 「重里:キャラメルは?」
「おばあちゃん:キャラメルも舐めろ」
それは無理だ。
- 南
- それは、おばあちゃん、
もたそうとしてる(笑)。
- 糸井
- そうだね。
- みうら
- ぼくなんて、
あめを最初から噛むこともありますよ。
- 糸井
- それじゃガムだよ。
- みうら
- ぼくらの時代はやけに風船ガムが流行りました。
風船ガムって、ふくらますと
味が一気に薄れません?
- 糸井
- あぁ、あぁ、そうかもしれない。
- みうら
- ブーンとふくらますと
何かが拡散するんでしょうか、
味がどっかに行っちゃうんです。
- 南
- 蒸発するかもね成分が。
- みうら
- 風船をパーンと割って口に戻すと、
そこからはもう、味がカッスカスになるんですよ。
だからぼくの友達のあいだでは、
「風船ガムはあまりふくらませてはいけない」
が定説になってました。
- 南
- それ、おばあちゃんには言えないね。
- みうら
- おばあちゃんは、ほら、
風船ガム食べたことないから。
- 糸井
- 入れ歯がついていっちゃうからね。
- 南
- あぁ、それは気がつかなかったな。
- 糸井
- チューイングガムでも、
安いやつのなかには噛むとすぐ
ユルユルになるのがあるよね。
- みうら
- 年月が経ってたりすると、
口に入れたとたんに
バラけるやつもありましたよ。
- 糸井
- あるある、あるある(笑)。
- 南
- あれ、怖かったね。
(コーヒーキャンディが終わったところで、
お昼ごはんがたのしみに。明日につづきます。)
2019-12-10-TUE
(C) HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN