- さあ、では次にいきましょうか。
どのあたりにいきましょう?
- 気仙沼といえば‥‥
- フカヒレ!
- はい。フカヒレです。
フカ、ということは、サメです。
- フカヒレはヒレだけですが、
ヒレがついてた部位、
つまり、ボディーがあるということですね。
- はい。
それが珍味になっているのです。
ちなみに今回もってきたのは、
モウカザメという種類のサメから作られている
珍味です。
- モウカザメの身は、アンモニア臭がするんですよ。
- はい。
- そのアンモニア臭をどう処理するか、というのが
珍味の味の方向性になるんじゃないかなと予想します。
サメにもいろいろ種類があって、
たとえば青森のアブラツノザメなんかだと、
アンモニア臭がまったくないんです。
- サメの種類によって、値段も違いますね。
気仙沼にもいろんな種類のサメが
水揚げされるんですよ。
今回サメの珍味は2種類ご用意しました。
珍味No.KSN-004
星のジャーキー
珍味No.KSN-005
シャークジャーキー
- サメ対決。
- シャークジャーキーはサメの肉を
ジャーキーにしたシンプルなもの。
- この、星というのは?
このパッケージがちょっとこわい‥‥。
- 脅しとしか思えないんですが、
サメの心臓です。
- わたし、こわくない方からまず行きます。
- 「こわくない方」!
シャークジャーキーですね。
- あ、これは。
意外とびっくりはしません。
- 味が濃いですよね。
- やはりこの濃さにしているというのは、
アンモニア臭を消すためなんでしょうか。
- サメの味もそんなにしませんね(笑)。
スモーキーで、ちょっとピリ辛になっている。
- 私はサメのもともとの味はわからないのですが、
それでも言えることは、
口の中でなかなかなくならないということです。
長旅に適していますね。
- 意外と普通においしいじゃない?
パッケージにあるような強烈な印象は無いですね。
あとで説明されて、
「あ、これサメだったの?」
という感じです。
- サメの身自体は、練り物の材料になるくらい
淡白です。
- このパッケージだと「俺、キワモノだぜ!」と
言っているような感じなんですが、
中身はぜんぜんキワモノではないという。
あ、淡白ななかにオイル感がありますね。
- ほんとだ。
- もしかすると、キワモノ感をだしたいのだったら、
そこはかとなく、サメの特徴的なアンモニア臭を残すと
インパクトがぐっと上がりますね。
あの、気仙沼でしか食べられない強烈なやつ、
と言われるような。
- でも、癖になっちゃうんだよね、
というようなものですね。
- そうそう、
エイもすごいアンモニア臭がする魚なんですが、
やっぱりエイが好きな人って、
あの臭いが好きだっていいますよ。
- では、こっちのおっかないほうはどうでしょう?
サメの心臓です。
心臓を薄切りしたものかな?
- なんかイチジクっぽいですね。
つぶつぶがついてて、なんかイチジクっぽいです。
- みんなの顔にハテナマークがみえるんですが。
- いや、インパクトがそんなにあるわけではないのです。
パッケージがおそろしいのに、中身は穏やかです。
- すごいジャーキー感満載です。
これ、ビーフジャーキーですよ、ってだされたら、
ああそうかって思う肉な感じがあります。
- 心臓だからかな。筋肉の部分ですからね。
たしかサメの心臓の大きさは、
人間の心臓くらいだったと思うんです。
- で、でっかいのですね。
- 仙台の駅前で生のやつを売ってるのを
みたことがあって。
頭と心臓を売っていました。
たしか青森のほうでは、
魚屋さんで頭をみたこともあります。
- 魚市場でも頭は取ってしまったものが多いので
頭まであるのは珍しいです。
- 頭はひとつ100円くらいで安かったです。
- どうやって食べるんですか?
- うろこを取って頭を茹でて身をほぐして
煮こごりにするそうですよ。
身だけ容器にいれておいても
自分のゼラチンで固まっちゃうくらいだそうです。
- 気仙沼ではサメの心臓はスーパーで売ってます。
基本的にはスライスして酢味噌や醤油で食べます。
- ということは心臓は臭くない部位なんですね。
- そのとおりです。
見た目はレバーっぽいんですが、
味は‥‥あまりしないです。
肉っぽい食感があるだけで。
- じゃあ、これはもしかしたら純粋に
ビーフジャーキを目指してこうなった、
ということかしら。
臭いが強くないっていうことですし。
- おみやげに買ってきて、
「パッケージはこれだけど、
味はだいじょうぶ!
おいしいから!」
と言える珍味ですね、これ。
- おいしくいただきました。
(サメ珍味はキワモノではありませんでした。つづきます。)
2015-05-24-SUN