みんなと シルク・ドゥ・ソレイユ。  2008年の年明けから、「ほぼ日」は シルク・ドゥ・ソレイユへの取材を続けてきました。 『ZED』をごらんになったみなさんからのメール、 「ほぼ日」スタッフの感想、 取材班が集めた写真の思い出アルバムなど、 この1年を振り返ったさまざまをもちまして、 この連載シリーズの中じめにしたいと思います。 ちなみに、もうおなじみになった 『ZED』の「ほぼ日 専用シート」もご用意しています。 最後はなんだかんだで、もりだくさんでお送りします!

我々ほぼ日刊イトイ新聞は、社内の研修として、
去る10月30日に、
スタッフ全員で『ZED』を観に行きました。
そのときの感想を紹介します。
今日は、その2の後半分です。


普段、芝居やミュージカルなんかの
ライブを観にいった時は、
観終わってから、あの人のあの歌がよかったよー、とか、
あの群衆のダンスシーンがきれいだったねーとか、
あの役者さんがどうの、と
割と冷静に言えたりするんですが、
『ZED』に関して言えば、
観終わってもぼーっとしちゃって、
もうスゴカッタネ!とか、
ホント、スバラシカッタネ!とか、
なんだか、カタコトみたいな、感想になってました。
シャガールの絵の中に放り込まれて、
空を飛べる住人たちの祝宴に招待されて、
一緒にぐるぐる飛んだような感じだった
からかも知れません。
なかなか醒めない夢のひとときでした。

クラウンの一挙一動に、見惚れていました。
とくに、舞台から去りぎわ、何かをあきらめたかのように、
それまでの物語の流れを断ち切って、跳ねていくうしろ姿。
体の芯がしびれました。
また、さいごには、
とにかく感情を動かされて、
泣いていいのか笑っていいのか
どうしていいかわからなくなってしまいました。
これらを見て、シルク・ド・ソレイユのショーは、
芸も、演出も、音楽も、実に洗練されているけれど、
まぎれもなく「サーカス」なのだと思いました。
ぼくはフェリーニの映画が好きなのですが、
シルク・ドゥ・ソレイユの舞台にも、
同じよろこびがあると感じます。
すばらしかったです。

場面がかわるたびに、次はなんだろう? とわくわくし
ひとつも見落としたくない! と目を見開きました。
外のことも、まわりのことも、わたしのことも忘れて
ただただ目の前で繰り広げられていることに夢中でした。
ああ、たのしかった。
プロに魅せられた帰り道、
いっしょに行ったみんなの顔はきらきらしていました。

今回初めて観たのですが、
なぜか時間がたてばたつほど、
もう1回観たいという気持ちが強くなっています。
また山に登りたいとか走りたいとか、
そういう「体を動かしたい」気持ちに近いかんじで、
また観たい、と思っているような気がします。
自分にはぜったい無理な動きなのに、
疑似参加(?)して爽快な気持ちになっていたのかも。
クラウンの笑い声もたまらなかったです。
つられてずっと笑ってしまいました。

ただただ、人間ってすごいな〜と思いました。
想像していたものは、簡単に超えられてしまいました。
見逃せない、いま、とか
その瞬間、で一杯です。
とにかく、すごく楽しかった!
会場全体を包んでいる高揚感とか緊張感もよかったのです。

「来た、見た、驚いた」
初めてシルク・ドゥ・ソレイユを観ました。
己の限界に挑戦するかのようなパフォーマンスの数々に
ただ驚き、ハラハラし、気がつくと体に力が入りまくり、
手が痛くなるほどの拍手をおくっていました。
一瞬たりとも目を離すことができず、
コンタクト入れた目が途中で痛くなったほどでした。
とても素晴らしい内容にもちろん満足しましたが、
「でも、もう一度観てみたい!」と思わせる
不思議な魅力に満ちていると思います。

はじめて観たサーカスが
シルク・ドゥ・ソレイユだったというのは
幸せなことだと思います。
圧倒されました。
あるアクロバットで失敗がありましたが、
あれがあったからこそ、
そういうレベルでの技術のやりとりなのだ
ということが実感できました。
すごいもんみちゃったなー、という感じです。
アルバイトにもかかわらず
連れて行ってもらって、うれしかったです。

最初から絶句!すごぉいっ!の一言。
クラウンは面白いし、パフォーマンスは美しい、
艶やかな衣装に、舞台が精巧、
さらに生演奏と‥‥、挙げれば切りがないです。
公演の中ではミスもありました
が、それをうまくフォローして
良いハプニングに変えてしまうのも
見所の一つだと思いました。
それぞれが毎回一度きりの体験を楽しんで、
何かを発見できるのが
シルク・ドゥ・ソレイユ『ZED』の
ナイスな魔法ですね、きっと!

最後にパフォーマー全員が登場したときは
涙がぽろっと出てきてしまいました。
わたしは、東京ディズニーランドのパレードを見ると
すごく楽しいのと同時に
つい泣いてしまうんですが
そのときの気持ちに、なんだか似てました。

「あんなふうにできたらいいだろうなぁ〜」
「ほんとすっごいなぁ」
「いまのなんだ!?」
と、子どものように興奮していました。
驚きとか、うっとりとか、いろいろな要素が
ごちゃ混ぜになっていて、
リアルにため息が漏れる経験をしたのは、
(もう今年は終わりかけているけれど)
今年初めてのことでした。
また観に行きたいです。

そういえば昔、サーカス見たことあるなー、などと
思い出しながら席につき、最初少し圧倒されながらも、
うまくいかなかったところを
あ!と見ていたのですが、
緊張感を持続させながら続く演技に、
次第に引き込まれ
手に汗握る、あっという間の2時間でした。

あの高さやら、スピード感やらボリューム感など
事前にいろいろ聞いていたものの、
目の当たりにして感激しました。
目にも汗かいた、すごい!面白い!
家族にも、見せてやろうかな!

去年見た『ドラリオン』が初めて見た
シルク・ドゥ・ソレイユだったのですが、
同じ人間とは思えない信じられない動きと、
パフォーマンスに感動しっぱなしでした。
結局3回観にいったのですが、感じること、
気づくことがその度にちがって全く飽きません。
今回観た『ZED』も同じく感動の連続でした。
すでに2回観たのですが、また行くと思います。
ホント面白い!

事業として、すごいと思いました。
自分は観客として、パフォーマンスに驚き、感動し、
また見たい、家族や友人にも見せたい、と思っています。
でも、作り手はおそらく全く感動していなくて、
どこまでやればお客が驚き感動するか
その水準を冷静に見極めているはずです。
その水準をちょっとずつ超える努力を
毎日していると思うのです。
その構想力や、構想したものを毎日実現し続ける
オペレーション力に驚愕しました。



『ZED』を観ているときの不思議な気持ちは、
眠って、夢を見ているときに似ていたな、と思いました。
予想のできない展開、不思議な動き、繰り返し。
わけもなく幸せな気持ちになったり、少し不安になったり。
これが夢なら、なんとなく過ぎていくのですが、
その時『ZED』は目の前ではっきり起こっているので、
ただひとつひとつに驚いていました。
でもやっぱりあとから
『ZED』を思い出すときに感じるのは
いい夢を思い出すようなふわふわとした、
よい気分なのです。

自分でびっくりするくらい、
靴の中で足がグーになって、見入っていました。
最初から最後まで目と気持ちが
ステージから離れることがありませんでした。
今は、丈夫なカーテンにつかまって
びろーん、びよーーんとしたいです。
ステージのはじっこや、奥、高いところで
いろいろなことが起きていたから、
いろんな場所から見たいです。

「ええっ、なんで?」
「どうやったらそんなことできるの??」
驚きと感動がどどどっと押し寄せてきて、
もう、まばたきもしたくないくらい
ステージに釘付けでした。
人間の身体が
こんなに自在に動いて、
こんなに美しいものだなんてこと、
すっかり忘れていたような気がします。
ほんとうにすてきな3時間でした!

『ドラリオン』に続いて2回目の
シルク・ドゥ・ソレイユ体験です。
今回の『ZED』では、
男と女が各々を絶妙なバランスでささえあっている
演目がいちばんびっくり!
「俺たちの肉体どうだー!」って感じじゃなくて
「信頼してささえあってます。」という
しっとりした雰囲気が感じられて
全体的に「おっとな〜」って思いました。
友だちや家族はもちろんたのしいけど、
『ZED』は、デートにぴったりじゃないでしょうか〜。

かなり期待して臨んだのですが、
最初から最後まで、期待以上に驚かされました!
どのパフォーマンスも圧巻だったのですが、
とくに印象に残ったのが「歌」。生声なんですねー。
パフォーマンスをしっかり焼き付けるような
素晴らしい声色と声量で、
あんなにのびのび歌えたらと
あれからお風呂カラオケに燃えております。
年内、家族でもう一回いく予定にしております。
いまからまた楽しみです。



トライアウト公演も観てたんですが、
今回も圧倒されっぱなしでした。
ステージのすみずみまで
力強さと美しさに満ちていて、
なにからなにまで、ぜんぶ目に焼き付けたい。

2回じゃまだまだ足りません。
トライアウト公演でさえ
ものすごく完成されたステージだったのに、
そこからさまざまな変更を加えて
それをきちんとこなすパワーにも
心から感動しました。
大切なことを教えられたと思っています。

そうそう、
開演前のクラウンのパフォーマンスが
とっても楽しいので、
ちょっと早めにお席につくことを
おすすめいたします。

ショーの最中で、ミスを見ました。
大技で落ちてしまった演者の表情が忘れられません。
くやしさと、わきあがる意地と、汗と。
演者は、はしごをよじのぼりもう一度同じ大技を。
こんどはみごとに。爆発する拍手。
ぎりぎりなんだ、ぎりぎりなんですね。
それを連日‥‥なんていう人たちだろう。
「生」で観られる、ものすごいもののひとつが、
あそこにあると思いました。

あそこにいけば、いつも
『ZED』があるんだなぁ、
きっと今夜もやってるんだなぁ、と思うだけで
勇気みたいな、あの世界に対する信頼みたいな、
よくわからない気持ちになります。

取材でシルク・ドゥ・ソレイユの様々な
ショーを見る事ができましたが、
みれば見るほど、どのショーが一番だ。
と決められなくなりました。
それぞれのショーに特徴があって、おもしろい。
一番を決める必要がないな。と
思えるような公演の数々でした。
その一つである、『ZED』。
見るたびに、どんどん良くなっていくんです。
ショーが終わってシアターから出たとたんに、
また見たくなります。
あ〜、大好き。

シルク・ドゥ・ソレイユのショーは
ただのサーカスじゃないんだ。
どうやってそれを伝えたらいいだろう?
そう思いながら、このコンテンツをつくってきました。
ラスベガス、カナダ、そして東京と、
いくつものショーを見て、舞台裏を取材して、
最後の最後に職場のなかまたちと
『ZED』を観ました。
終了後、興奮して口々に感想を言い合う
なかまたちの表情を見ているうちに、
あれこれ難しく考えることが
あまり意味のないことのように思えてきました。
それで、いまはこう言いたい気分です。
シルク・ドゥ・ソレイユの
『ZED』はサーカスです。
すごいサーカスです。超すごいサーカスです。
想像するよりもずっとすごいサーカスです。
どんな人にも無条件にすすめられるものって
この世の中にそんなにはない。
ぼくにとってそのひとつが『ZED』です。

「シルク・ドゥ・ソレイユ」というチームが
この世にあること自体が、
ぼくにとってはうれしいことなんです。
だから、ひとつひとつの小さなアクトを見てても、
その背景に「シルク・ドゥ・ソレイユ」という
チームがあるんだということを、感じながら
よろこんでいるんです。
ぼくは、シルク・ドゥ・ソレイユという共和国の
ファンなのかもしれない。

以上、スタッフの感想を
お送りいたしました。
明日は、みなさんの感想を掲載します。
では、恒例となりました
次は取材班の思い出アルバムです。
スライドショーになっていますので、
写真をクリックしておたのしみください。
今日のタイトルは、
「舞台裏。」です。どうぞ!




2008-12-10-WED

(C)HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN
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