4月初旬に『cocoon』の
出演者オーディションが行われました。
300人を超える応募者。
この中にぴったりの人材はいるんでしょうか‥‥?

一次審査は、
「マームとジプシー」主宰の藤田さんが
ひとりひとりに話をきいていきます。
お題は「今日起きてから家を出るまでの話」。
とにかく時間がかかって、
なんという面倒な作業をやるんだろう! と
見学しながら思ってしまいました。
オーディションについて、
審査員の前で歌ったりダンスしたり、
水着になったり、、というようなイメージを
抱いていたので、
この「面接方式」には、ちょっと面食らいました。



二次以降は朗読をしたり、
出演が決まっている役者さんと組んでみたり、
実際に『cocoon』の舞台を
念頭におきながら審査していきます。
そして、演技させる以上に走らせる!動かす!
「走る」ということについては、
『cocoon』舞台化がきまった当初から
藤田さんが言っていることで、
作品において重要な動きです。
戦火の中を命がけで走った少女達と同じように走れること。
指示を受けて一斉に走り出す女の子達はものすごい迫力です。
容姿端麗な子ばかりなのに、
休まずに走り続ける苦しさで、
手足の動きがままならなくなったり、
次第に顔がゆがんでいくのがリアルでした。
(あまりにもきついため
 『まだやるの!?』と独り言を漏らす人も…)。



最終審査はとにかく慎重に進めていきます。
あまりの張り詰めた空気に、
見学に来ていた音楽担当の原田郁子さんは
休憩に出て行ってしまったくらいです。
一つの舞台のオーディションですが、
応募してきた人それぞれに、
これで人生を変えるぞ、
というような気迫がありました。

私たちは、なんだかそういう
「選ぶ・選ばれる」で人生が決まるという
シビアな世界になれていないよね、
ということを原田さんと話しました。

審査には役柄をあてはめてみるのはもちろんですが、
協調性や性格なども考えました。
いくら能力のある人でも、
一緒に出演する役者さんやスタッフと
意思疎通できなければだめなのです。  

マームとジプシーの舞台は、
稽古のときに役者さんが話した、
なんでもないエピソードが
実際の脚本に反映されたりします。
演じるだけではなくて、一緒に作っていける人。
そして、
舞台はひとりでつくるものではなく、
みんなで作るもの。
合格した人たちの顔を眺めながら、
いよいよ、本当に「役者がそろった」、
舞台がはじまったのだと思いました。




2013-07-05-FRI


今日さんの今回のレポートにもあるように、
今回の舞台『cocoon』の
オーディションは、
役者さんに「体力があること」が
大切な選考ポイントだったようです。

マームとジプシーの舞台では、
役者さんがとにかく動く!
歩き続けたり、ひたすら走ったり、
屈伸をし続けたり、ジャンプをしたり。
何度も何度も繰り返す動きは
とってもハードそうに見えます。
ときには、役者さんが、
ハァハァと息を切らしながら
台詞を言ったりも。

マンガ『cocoon』でも、
登場人物たちは、よく動きます。
切実な思いをかかえて
脇目もふらずにとにかく「走る」。
そんなシーンも出てきます。




©今日マチ子(エレガンスイブ・秋田書店)

本番だけでなく、
稽古でもたくさん「走る」ことになるだろう
役者さんたちの運動量は、
きっとアスリート並。
『cocoon』公演まで、あとちょうど一カ月、
みなさん、体をこわさずに稽古してくださいね!

(おおたか)


2013-07-05-FRI