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こんにちは。
アンチエイジングと言う言葉をよく耳にします。
辞書を引くと「老化防止」と書いてある。
ずっと若くありたいという人たちに響く言葉なのでしょう。
でも、カレーの世界ではエイジングの方が大事です。
この場合、その意味は「老化」ではなく「熟成」です。
先日、代官山蔦屋さんで実施している
「白熱カレー教室」で、
「自分史上最高のカレー粉を作ろう」と題して、
カレー粉についてたっぷり90分語る機会がありました。
カレー粉を作る上で重要なのが、エイジングなんですね。
ブレンド(混合)してロースト(焙煎)したカレー粉を
最後に密閉容器に入れてエイジング(熟成)させる。
そうすることでまろやかな香りが生まれるんです。
問題は、どのくらいの期間、エイジングさせればいいのか。
開発メーカーによって、推奨期間は異なります。
1週間でいいというのもあれば、数か月というのもあるし、
半年とか1年、2年‥‥と要するに、バラバラです。
僕の中でのエイジング目安は、期間ではなく感覚です。
香りをかいで経過を観察すると、
その香りがぐっと深まるというか、
変化するタイミングがあるんです。
なぜかはわかりませんが、ほんのりと
“杏子”のような甘酸っぱい香りがする。
これがエイジング完了の合図。
イベント会場に持ち込んだ僕のオリジナルカレー粉の
香りをかいだある参加者がアンケート用紙に
「私は梅干しの香りがしました」と書いてくれました。
そうそう、それそれ!
実は僕も昔は梅干しだ、と思ってたのですね。
ただ、梅干しというほど強い香りではない、と考え、
今は杏子を基準にしてるんです。
ただ、カレー粉の完成の合図が梅干しや杏子だなんて、
おかしな話だな、と思います。 |
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051
マドベーゼ/女性/32歳 |
10年ちょっと前、当時好きだった彼の家によばれ、
彼が作った大きなじゃがいもがゴロゴロ入ったカレーが
懐かしいです。
料理はあんまりしないと言ってたのに、おいしくて。
彼がカレーに失敗はない。と言ってたことを思い出します。
ついでに、当時大好きで二人でよく聴いていたくるりの
『カレーの歌』の『とても小さな窓の側で〜♪』の歌詞が、
彼の小さいアパートの窓とリンクして
懐かしい気持ちになります。 |
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カレーに失敗、ありますよ〜。
ただ、失敗しにくい料理ではあるのかもしれません。
くるりの『カレーの歌』は、切ないメロディで
しみじみする歌ですよね。
歌ってよく聴いていた頃の気持ちとすごくリンクして
いい思い出になりますが、カレーの味もそうなんですよね。
そのカレーの味の記憶と当時の出来事や
一緒にいた人のことをよく思い出す。
そんなカレーと歌が昔の恋とリンクしてるだなんて、
最強じゃないですか!
うらやましいです。 |
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052
mica/女性/50才 |
小学生の時。
法事で母が泊まりがけで出掛けたため、
父が夜、カレーを作ってくれたことがありました。
我が家のカレーは、父も当時のワタシも
脂身が苦手だったので
使うのは「合い挽き肉」が定番でした
(ルーはグリコのワンタッチカレー甘口)。
が、父が作ったカレーには、ウィンナーが入ってました。
わたし的には「それもありだな。おいしいかも」と
肯定的に見ていた記憶があります。
が‥‥、
ルーを入れる前、鍋が煮立った時
父は‥‥、煮汁を全部、流しに捨てました。
自分で作ったことはなくとも
「捨ててはならない」ことくらいは、知っていました。
でも、黙々と作っている父を前に言えませんでした。
その後、水を新たに足して再び煮る父。
ドキドキ見守るわたし‥‥。
これがわたしの「人生で一番不味いカレー」です。
おそらくコレを上回るものは出て来ないでしょう。
大正生まれで赤紙ももらった父は、
食べ物は「空腹を満たせばいい」という考え方で、
あそこまで食べ物に執着のない人を見たことはありません。
出来上がったカレーも、フツーに食べていました。
わたしも‥‥、黙って食べたと記憶しています。
父が料理らしい料理を作っている姿は、
後にも先にもその時1度しか、見たことがありません。
父も母も亡くなり、今のわたしのカレーはおそらく
母由来の味なのだと思います。
母が料理好きで、つくづくよかったと思います。
今でもひき肉のカレーは作りますが、
ウィンナーのカレーは作ったことはありません。
もちろん、煮汁を捨てる勇気はありません! |
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なにか胸に迫る思い出ですね。
ドキドキします。
なぜ、お父さんは、煮汁を捨てたんでしょう?
味見して「失敗した」と感じたからなんでしょうか。
具はもったいなくて捨てられなかったのでしょうか。
煮汁がおいしくないなら具を残して水を足しても
また煮汁はおいしくなくなる可能性があることや、
煮汁をすてたら具に味は残っていないから
その具を再び煮ても味がしない可能性があることは、
おそらく想像がつかなかったんでしょうね。
いずれにしても小学生のときに目の前で父親が
黙って煮汁を捨てる行為を見た衝撃は、
相当なものだと思います。
人生で一番不味いカレー、すごい思い出ですね。 |
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053
ふく/女性/43歳 |
我が家のカレーの付け合わせは
福神漬、らっきょう、しらすでした。
中でもしらすが一番人気で、
何がなくてもしらすは絶対ありました。
まぜると即席シーフードカレーっぽい味になって
好きでした。
そして、子供の頃からカレーの時も箸。
(スパゲッティの時も箸でしたけど。)
高校時代に友達を呼んでカレーをごちそうしたときに
しらすも箸も普通じゃないと知って、目から鱗でした。
両親が岡山出身なんですけど、何か関係あるのかなぁ。 |
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付け合せにしらす!!!
初めて聞きました。
ちょっといいかも。
即席シーフードカレーってなんとなくわかります。
しかもお箸でカレー!!!
これも珍しい。
日本一歴史のあるインド料理店「ナイルレストラン」の
オーナー、G・M・ナイル氏は、カレーを食べるときは
必ずフォークを使うそうですよ。
それにしてもなんだかすごい家庭ですね。
岡山とは関係ないと思います。
独創的なセンスを持ったご両親を
誇りに思ってください。 |
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054
ロンリーでオンリー/女性/41歳 |
大学を卒業し、社会人となって3年がすぎた頃。
就職して海外へ行っている友人が久しぶりに帰省するので
仲間数名で集まることになりました。
当日待ち合わせの地元居酒屋へ行くと、
幹事役の友人がきていません。その理由は、
「家の晩ごはんがカレーだから」。
私はそのマンガみたいな理由が真実の理由だと考えられず、
もしやメンバー間で揉め事でもあったかと勘繰るも、
本当に、素直に、カレーだから。
さらに驚いたのは、その理由をその場にいた全員
(私を除く)があっさりと、
しかも大いなる共感とともに受け入れていることでした。
私はひとり、心の中で
おうちカレーへの認識を改めたのでした。 |
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よっ! 名幹事!
すごいなぁ。
この幹事さんは、仲間の間ではカレー好きで知られてる
存在だったんでしょうか‥‥。
「ま、あいつが言うなら仕方ないか」と。
そうじゃなかったら、仲間も戸惑いますよね。
「は!? カレー? なにそれ?」と。
これは東京カリ〜番長の僕がマネしても、
「は!?」と言われそうな気がして自信ありません。
そう考えると幹事よりも素敵なのは周りのメンバーですね。
おおいなる共感と共に受け入れるだなんて、
どんだけ器が広いんだ!
本当に本当にいい仲間を持ってますね。
うらやましいです。 |
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055
それで梅干が・・・/女性/50代 |
短大進学で初めて県外生活をしたときのこと。
友達の話、町にある店、寮のご飯、所変われば
ご飯の常識って違うんだなぁ‥‥と思っていました。
衝撃的だったのは入学して半年ほど経ったある週末、
地元自宅通いの友だちのうちに泊まりに行ったときのこと。
夕ご飯はカレー。具はお肉、ジャガイモ、にんじん、
たまねぎといたってスタンダード。
カレー皿にご飯とカレー、福神漬けとらっきょ、
梅干(梅干?)はご自由に。
そして左手側にお茶碗に盛った白いご飯。
?????
友だち一家は元気良く「いただきま〜す!」。
どどど、どうして、カレーライスに白ご飯?
尋ねる私に「もぉ〜カレーライスはおかずじゃん。
ご飯とおかず、なんでびっくりするん?」
これは地域の風習じゃなくて
友だちのうち限定の風習でしたが。
ちなみに箸とカレースプーン両方置いてありました。 |
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す、すごい。
カレーライス with ライスって‥‥。
カレーライスがおかずで主食がライス。
ライスだぶっとるがな!
と関西人でもなんでもない僕でも
へたくそな関西弁で突っ込みたくなります。
そういえば、関西の人は、お好み焼きをおかずに
ライスを食べると聞いたことがありますが、
それって本当ですか?
本当だとしたら、そのカレーライス版だと思えば‥‥。
いや、それでも変です。
カレーライス with ライス、ではなく、
カレーソース on カレーライス、というのはありますよ。
これは単純に「カレーソースの大盛り」ですから。
カレーソース on カツカレーライス、もあります。
神保町の「まんてん」では
カレーライスの上にトンカツが乗り、
さらにその上からカレーソースをかけてくれる。
でも、カレーライス with ライスはすごいです。
規格外です。いい話を聞けました。
しばらく余韻を楽しみます。
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いろんな思い出をありがとうございました。
では、また次回。
みなさんの“カレーの思い出”をお待ちしています! |
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2013-07-19-FRI |
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