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こんにちは。
最近、落語にハマってます。
詳しくありませんが、色んな落語家の噺を本で読んだり、
CDやDVDを買って見たり聞いたり‥‥。
いま一番好きなのは、故・古今亭志ん生さん。
「えー、‥‥」で始まるマクラを聞き始めただけで
なぜかニヤニヤしてしまいます。
故・桂文楽さんと並んで江戸落語では、
“昭和の二大名人”と呼ばれていたそうですね。
でもスタイルは全く別だったそうです。
完璧主義だった文楽さんは、晩年、ある落語で
登場人物の名前を忘れて絶句してしまったときに
「勉強をしなおしてまいります」と挨拶して
高座を降り、二度と落語はしなかった。
志ん生さんは、同じようにある噺の途中で
侍の名前を忘れて絶句した後に
「ま、どうでもいい名前のお侍さん」と言って
大爆笑を取ったそうです。
このエピソードを聞いて、カレーの世界にも、
“文楽派”と“志ん生派”がいるなぁと思いました。
理想の味、完璧な味のカレーを目指すために、
玉ねぎを炒めていて焦がしてしまったら、
全部を捨ててやり直す、という人は“文楽派”。
焦げたら焦げたなりにその後リカバーして、
予定していたのとは別のおいしいカレーの味を目指す、
という人は“志ん生派”。
よく料理教室や講演会で、「玉ねぎは焦がしてもいい、
くらいの気持ちで炒めてください」と話す僕は、
完全に“志ん生派”のカレー作りをモットーにしてます。
どちらの流派も突き詰めていくのは至難の業です。 |
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046
チャッキー/女性/17才 |
我が家のカレーは野菜ごろごろタイプ。
人参もジャガイモもおっきいのが入っています。
小さい頃は辛さは甘口でしたが
私はそれでも辛かった。
からいよ~とヒーヒー言いながら食べる私に、母は
「ジャガイモをつぶしなさい」
と教えてくれました。
私は大きいジャガイモを
スプーンの背で頑張ってつぶして食べたものです。
ところが成長して、周りの人に話すと
ジャガイモをつぶすという教えを受けた人は
誰もおらず・・・
「ジャガイモをつぶす」を当然だと思ってた私は
結構なショックを受けました。
結局、信憑性がない教えだったのですが
今も無意識にジャガイモをつぶしていることが
しばしば・・・ |
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ジャガイモをつぶしても辛いものは辛いですよね。
ジャガイモをつぶすと辛いカレーが辛くなくなる、
という話は、僕も聞いたことがありません。
が、つぶれたじゃがいもがソースと混ざり合って
とろとろっとした舌触りが生まれるから、
なんとなく、辛味をやわらげてくれる気がします。
どうなんだろう?
でんぷん質が強まると辛味が弱まるとか、あるのかな?
どうなんだろう?
いずれにしてもじゃがいもがつぶれて
とろとろになったカレー、僕は好きです。
つぶすといえば、思い出すのが、イチゴをつぶすスプーン。
昔、ありましたよね? 今もあるのかな?
スプーンのすくう面がおろし金みたいにざらざらしてる。
ミルクに砂糖とイチゴを加えて、あのスプーンで
ほどよくイチゴをつぶしながら食べるんです。
おいしかったなぁ。
あのスプーンでカレーを食べたら、
じゃがいもをつぶしやすくていいかもしれません。
今度、やってみよ。 |
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047
そしてお腹をこわした/女性/34歳 |
私が小さかった頃、父(現在74歳)が
若い頃食べていた小麦粉でルーを作るカレーを
母が留守の時に作ってくれました。
父が料理を作ることが珍しかったし、
固形のルーではなく、
粉からカレーを作るなんてコックさんみたい!
と姉とワクワクして待っていました。
そして、出来上がったカレーは、
小麦粉の味が消えていない、
ネットリとしたルーのカレーで正直激不味。。。
小麦粉の分量が多い上に、
炒め方が不十分だったのでしょう。
それが鍋に溢れんばかりにあるのです。
父は昔の話をしながら楽しそうに食べていたので
「おいしくない」ともいえず、なんとか一皿食べました。
翌朝、一晩寝かせたカレーには誰も手を出さず、
製造物責任の下に父が食べ続ける羽目に。 |
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カレー粉を使ってカレーを作るのは、
実は、意外と難しいんです。上手に作らないと、
カレールウと違って味気なくなってしまう。
確かに炒め方が足りないと小麦粉の粉っぽさも
残ってしまいます。
だからその分、うまく作れたらプロっぽくて
格好いいですよね。
責任とって翌朝、ひとりでカレーを食べる
お父さんの姿は切ないですね。
でも、お父さんが昔の話をしながら嬉しそうに
カレーを食べる夕食っていうのは、いいなぁ。 |
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048
chichichi!!!/女性/29歳 |
亡くなった父が大好きだった食べ物、カレー。
土曜のカレー率は高かったナ。
自分のだけ生卵やコロッケを入れたり
自分だけ楽しんでいました。
私が高校生の頃、父が病気で自宅療養している時期があり、
ま、療養って言っても、本人はヒマーなくらい元気(笑)。
母が遅くまで働いてきて、私も部活で遅い。
何かしようとヒマな父が作ったのは、やはりカレー。
しかも、分量なんて読まないから、
鍋に入り切らないほどの野菜。
しかも、残っている野菜がザルいっぱい(笑)。
疲れて帰ってきた母は父を攻めてたが、
父は『野菜がたくさん入っているカレーが
食べたかった!!』と逆ギレ(笑)。
後日肉じゃがやら、別の形で食卓に。
その後療養生活で料理の腕はグングン上達して
もちろん分量間違えずいろいろ作ってくれたけれど、
我が家の父伝説(武勇伝?)のひとつで、
今でもカレーの時に話題になります(笑)。 |
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普段、料理をしない人にとって、
量の見当をつけるのは、
意外と難しいんでしょうね。
鍋を見て、手元にある野菜をみたら、だいたい
どのくらいが入るかな、と想像がつきそうなものだけど。
お父さん、意地を見せて、ふたつめの鍋を取り出して、
残った野菜も全部カレーにしてしまえばよかったのに。
そうしたら、翌日も家族で
おいしいカレーを楽しめましたね。 |
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049
みー/女性/45歳 |
「賑やかなお子さまや、香りの強い方はお断り」で、
店の壁ではモノクロ映画が無声で流れている
そんな田舎には珍しい洒落たレストラン。
パスタや他のお料理もおいしいのですが
駐車場にまで漂うカレーの香りに
毎回カレーを頼まずにはいられませんでした。
ここはカレーのコース料理が目玉で
大きなサラダやデザート、飲み物もそれぞれ選べ、
カレーもタンドリーチキン・ビーフ・シーフードから
選べる本格派。他では食べられないお味でしたが、
誕生日や何か記念日に取っておきたい素敵なお店でした。
店主の高齢化で来月一杯で店を閉じると聞き、
慌ててそこからは毎週のように通いました。
なかなか頼めなかったカレー以外の料理をあれこれ味わい
閉店前最後に行ける日に一番好きだった
タンドリーチキンのカレーコースを‥‥と思っていたら
予約前々日に東日本大震災。
結局それきりお店は開かないままでした。
今でも無性に食べたくなるあの味。
いつかまたどこかで出逢えるといいな~。 |
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お店が復活するといいですね。
僕の中でも復活してほしいカレー店は、
10軒や20軒はあります。
好きでよく行っていたお店がなくなったり、
閉店したり、というのはとても寂しいものです。
僕の場合、最も寂しいと思う瞬間は、
その店があった場所をたまたま通りかかって、
全く別のお店が普通に営業をしているのを
目の当たりにしたときです。
そこにあのカレー店があったという過去が
完全に消し去られているように感じてしまう。
そう考えると人の記憶ってとっても大事ですね。 |
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050
ぱおぱお/女性/48歳 |
わたしの、カレーの思い出です。
40年ちかく前のことですが、いまだに卒業式の光景
とカレーの味がリンクしてよみがえります。
小学校時代のお友達のよし子ちゃんのお母さんは、
とても明るくて素敵な人で、ときどきみんなで
よし子ちゃんの家にお泊まりに行って遊んでいました。
よしこちゃんのお母さんがつくるカレーは
優しい甘さのひき肉のカレーでした。
お肉があまり好きではなかった私には、
そのひき肉カレーがとても美味しくて、
うちのカレーもひき肉なら良いのに、
といつも思っていました。
小学校6年生のあるとき、
とつぜんよし子ちゃんのおかあさんは
いなくなってしまいました。
理由はわかりません。
母は知っていたようですが、教えてくれませんでした。
小学校の卒業式のお見送りのときに、
よし子ちゃんは私と私の母のそばにぴったりくっついて、
笑顔で歩いて校門から出て行きました。
その後別々の中学校に進学したよし子ちゃんには、
とても自慢の新しいお母さんが来た、と聞きました。
元気にしているかな、よし子ちゃん。
いまだにカレーというと、よし子ちゃんを思い出します。 |
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カレーの味と誰か特定の人が強く結びついて記憶に
残ることってありますよね。
すごくうらやましい体験です。
そういうときって、たいてい限定的な景色や
シチュエーションが鮮明に思い起こされるものです。
僕は、小学校の頃、たらこが大好きでした。
でも、自宅では、夕食にたらこが出てくるときに、
1本を家族5人で分けて食べるのが決まりでした。
多分、たらこを買うお金がなかったわけではなく、
塩分の取りすぎを母親が気にしていたんだと思います。
ある日、いとこの家に兄弟3人で泊まりに行ったとき、
おばさんは、夕食にどっさりたらこを出してくれました。
僕たち兄弟は顔を見合わせて、でもいつもの決まりを
思い出して、ほんの少しを箸で切ってご飯に乗せました。
すると、おばさんが、「もっといっぱい食べなさいよ」
と言いながら、まるごと1本のたらこを僕たちの
ご飯茶碗の上にドン。夢のような夕食でした。
未だにたらこや明太子を食べるとき、
あのいとこの食卓を思い出します。
あ、カレーと関係ない思い出話になっちゃいましたね。
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いろんな思い出をありがとうございました。
では、また次回。
みなさんの“カレーの思い出”をお待ちしています! |
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2013-06-28-FRI |
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