魔法の武器。
2009-08-24
(また、文体変えちゃってます、よろしくね~)
「魔法の武器」みたいなものが、あるって、
信じられてるわよねー。
その「魔法の武器」さえあれば、
もうみんながぶっ倒れちゃうとかさ。
「あんたについていきます」って、めろめろだぜとかさ。
「魔法の武器」があるから、あいつは無敵だとかさ。
あんなやつ、大嫌いだけど、
「魔法の武器」を持ってるからねー、だとかさ。
そういうものが、あることになってるわよ。
「魔法の武器」って、なんだっていいわけよ。
そう信じられてるものが、「魔法の武器」よ。
腕力だとか、暴力だって、「魔法の武器」よね。
あいつは強ぇから、かなわねぇ、なんてね。
金とか、権力っていうのも「魔法の武器」でしょ。
どんないやなオヤジでも、金持ってりゃモテるなんてさ。
それはそういうことも、あるわよ。
エライだの、たいしたもんだの、権力も「魔法の武器」よ。
よぼよぼのじじいが、怖がられてるとかね、あるわけよ。
美貌だって、「魔法の武器」なんじゃなーい。
この武器を磨くために、がんばってるわよ、女は。
イケメンだかソーメンだか言っちゃって、
男だって、お顔の方面の「魔法の武器」を
信じきってたりするわよね。
怒るとキレてなにするかわからない、
なんていうさ、強いんだか弱いんだかわからない
「魔法の武器」だってあるしさ。
ちんこだってなんだって「魔法の武器」よ。
それがあるから、強くいられるって、
信じているかぎりは、魔法は効くもんだからね。
笑ってる人がいそうだから、言ってあげるけどね。
知性だとか教養だとか、資格だとかだって、
みんなおんなじような「魔法の武器」よ。
これこそは、実の力、なんて思わないほうがいいわね。
知性だって、教養だって、
ナイスボディと同じように「魔法の武器」ってものよ。
そんでね、ぼうや、お聞きなさい。
「魔法の武器」はね、
もっと強い「魔法の武器」にやられるのよ。
もっと強い「魔法の武器」なんかないと思ってても、
ひょいとあらわれるものよ。
1000円より、10000円が強いみたいなこと、
当たり前にあるでしょ。
それにね、「魔法の武器」のおかげで
言うことを聞いてた善男善女の皆さまはね、
あんたの「魔法の武器」が、
とんだ食わせ物だとわかったときにはね、
あっかんべーって逃げていくわよ。
逃げるときに、石ぶつけていくかもしれないわよ。
だいたいさー、「魔法の武器」って、
関係ない人には、ただのゴミだったりするものなのよ。
しかも、「魔法の武器」って、
使わないでいると、減るしねー。
みんなに持ってることさえ知られなくなるのよ。
持ってることを知られないと、
「魔法の武器」にはならないの。
すっごい「魔法の武器」を持ってるらしいぞ、なんてさ、
噂されてるくらいの時が、いちばん魔法が効くんじゃない?
さて、ぼうや。
あたしが、なにが言いたかったかっていうとね、
「魔法の武器」は、ないほうがいいってことなのよ。
そんな武器なんかなくたって、っていうか、
ないほうが、いろんなことができるはずよ。
「魔法の武器」なんか持ってるつもりになると、
重さがかかりすぎて、バランスがこわれるのよ。
いつまで、その「魔法の武器」が使えるかとか、
ほんとうに効くだろうかとか、
魔法が破られたらどうしようとか、
心配ごともふえるばかりなのよ。
それにひきかえ、あなたなんか、
「魔法の武器」とか持ってないでしょ。
それそれ、それこそが、無敵よ。
そのつど、じぶんの頭で考えて、
じぶんのこころに訊いてみて、
じぶんのことばでしゃべって、
じぶんのからだで、どうにかするしかないんだから。
「魔法の武器」に頼ってる人たちは、
それこそがうらやましいのよ。
え?
わからないって?
「魔法の武器」のほうがほしいって。
‥‥まったくもう。
そんなばかには、魔法をかけてやる!
超イケメンにして、1000億持たせて、
ちんこ5倍にして、宇宙飛行に出発させてやるわ!
そんで、無事帰還してから、大統領にしてやる!