Drama
バンドマンという幸福な商売
沼澤尚さんと、とてもホンネな話。
あなたの好きなミュージシャンのアルバムの、
演奏者クレジットをよく読んだら、
きっと、沼澤尚という名前を発見するでしょう。
「BeautifulSongs」以来、すっかり縁の深くなった
沼澤さんと、音楽のことなどなどを、
いっぱい話しました。
そして、彼らエクセレントなバンドマンたち「J&B」の
うらやましくて、カッコよくて、気持ちいいアルバム
『THE TIME 4 REAL』を、
とんでもない特典付きで、「ほぼ日」で販売します。
よくぞ、こういうことが実現したと、驚いていいです。

「ほぼ日」だけの特典をつけて、沼澤尚さん最新参加アルバム
「THE TIME 4 REAL」をこのページから販売します。


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3/25更新!!「沼澤の皮&大皮」制作レポートっ!

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J&B「THE TIME 4 REAL」は売り切れました。
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Photo:Toshihiko Imai
(Rhythm&Drums magazine)

ほぼにちわ。
CD「THE TIME 4 REAL」が届いたよっ!
ってメールがほぼ日にも届き始めました。
ちょっとだけご紹介させていただきますね。

今日「THE TIME 4 REAL」届きました。
今、聴きながらメールを書いています。
かっちょいいですねー!!
『沼澤の皮』も素敵です。
昨日の発表では、
「何も当たらなくて、くじ運ないなぁー」
なんて落ち込んでいたのですが、
今日届いたサインを見て
大満足しています。とってもステキッ!!
(たまさん)


沼澤の皮、感動でした!!
あの微妙にはじけて滲んだ感じが
妙に生っぽくて♪素敵です。
忙しい時にも関わらず、
沼澤さんが一生懸命に
心をこめて書いて届けてくださったこと
ほんまに感謝です、
ありがとうございました!!
(汐音さん)


「THE TIME 4 REAL」届きました!!!
すげーなんだこれ!!!
やばいです、気持ちよすぎです。
こいつはみんなに広めないと〜。
J&B最高!!!
それにしても、
J&Bのタカさんのドラム好きだなあ。
CDきいて、タカさんが今回は自信作っていうの、
わかったような気が、します。
(美樹さん)


CD「THE TIME 4 REAL」
現在、絶賛発売中です。

「THE TIME 4 REAL」(J&B)

VICJ-61087 / ¥3,045
(tax incl.)
J&B:
梶原 順 - guitars, vocals
浅野 "ブッチャー" 祥之
- guitars, vocals
松原秀樹 - electric bass, vocals
沼澤 尚 - drums, vocals
Guest Artists:
BIG HORNS BEE - horns
マルコス・スザーノ - pandeiro
森 俊之 - keyboards

8月までライブスケジュールも
決まっているようなので
こちらのページでスケジュールを
チェックしてくださいね。

さて、今回でこの対談、最終回を迎えます。
最後は「技術」のお話です。
アメリカの音楽学校で技術を学んだ沼澤さんに
とって技術ってどういうことなんでしょう。
ぜひ!お読みくださいね。

第10回
技術がないと続かないんですよ
沼澤 「経験を盗め」を読ませてもらったんです。
今までやってきた音楽の話もそうですけど、
糸井さん、もう各分野の方と
対談されてますよね。
なんかすごい驚異なんですよ。
糸井 ただ質問してるだけですよ(笑)。
客席のいちばん前にいて、
手を叩いてる人なんです。
ぼくはそういう人になりたいんですよ。
沼澤 手叩いてる人(笑)。
糸井 客席の一番前で観ていると後ろのほうで、
「今日はちょっと良くないよな」
とかいってるときに、
「お前らわかんのかよ?
 ちゃんと聞いてから文句言えよ。」
って思うんです。
プレイヤーがどういうことをやってるか、
みたいなことがわかると、
表現の前の気持ちの部分が
聞こえるじゃないですか。
ミュージシャンじゃないのに
ミュージシャンになれる
みたいな気持ちがあるし、
あなたがわたしで、わたしがあなたになる
瞬間があるわけです。そこで、
「そんなに斜めに聞いてても面白くないよ」
っていう役が、ぼくなんです。
それはスポーツでもそうだし。
だから、わかるまではそのスポーツって、
ぼくには面白くないんですよ。
案外、サッカー見ないです。わかんないから。
沼澤 あー。
糸井 まだサッカーってわからないんですよ。
ゴールが決まったのを見ても
たまに「運じゃねえか?」って
思ってしまうこともあるし。
沼澤 入っちゃったー、みたいな。
糸井 運を呼び込むための仕組みを作ってる、
ってとこまではわかるんだけど。
沼澤 サッカーの話を聞いていると
すごいみたいですけどね。
糸井 そうなんですよ。
優勝するチームがいつも同じ
だったりすることでも
本当に凄いんだなってわかるし。
ぼくはやらないんですけど、
端で見ていると、
マージャンとかでも
強い人は強いじゃないですか。
沼澤 なるほどねー。
一方で、たまにドラムを叩いてて、
自分が何気なくやってることが、
いろんな感じに伝わってて、
「そういうふうに聞こえてるんだぁ、
 なるほどねえ。」
っていうことがよくありますね。
糸井 何気ない……。
沼澤 べつにそんな意味でやってなかったのに、
「そういうふうに聞こえてたんだ」
っていうことなんです。
糸井 お客って、みんなそんなこと思ってるんです。
恐ろしいですよ(笑)。
ぼくは原理みたいなものを理解して
シンプルに思いたい人だから。
例えば、沼澤さんが言ってた
「太鼓は通信から始まったもんですからね」
という、一言を知ってるだけで、
見方が全然、変わりますよね。
沼澤 原理はそうですからね。
糸井 「原理は通信なんだ」ってことがわかったら、
今やっていることって
そこからたどってきたものだから、
理解できることがいっぱいありますよね。
沼澤さんもそういうことを
自分でもやってたし。
通信するときには通信する内容が
必要なんだってことも。
その内容のことを考えると、
ドラムって、他の楽器が
頼りにする場所にいるんですよね。
沼澤 実はそうなんですよね。
糸井 ええ。頼りにされるっていうことで、
何が生まれるんだろう、とか。
沼澤 だから、演奏してても
言ってることが、よくわかんない人って
すごい嫌なんですよ。
糸井 はぁー。
沼澤 「自分で演奏してるのに、
 なーにを言ってんだよ」
って感じなんです。
ミュージシャン同士で通信の
行き来がないときはそこで判断しますね。
今、何のために、この人は
楽器を弾いて演奏してるんだろうってことを、
自分の中で判断するんです。
それは人選にも影響しますよね。
糸井 それはもう、大変なロスですよね、
ドラムのソロとか叩いていたら、
その人の持ってるものが
全部出ちゃうじゃないですか。
沼澤 だから僕はやらないですけどね。

糸井 沼澤さんはドラムソロって
しないんですよね。
大きい音を出したりしながら、
クライマックスを作ったつもりの人が、
そのあと、どういうふうにお客さんの感情を
引っ張っていくんだろうってことを、
考えてないはずはないわけでしょうから。
思いつきでやってる人がたまにいたりすると、
ちょっと興醒めしちゃいますよ。
沼澤 ぼくが言ってる
「わかんなくなったら辞める」
っていうのは
そういうことなんです。
糸井 たぶん音楽家がいちばん苦労するのは、
ファースト・インプレッションって
いくらでも作れるんだけど、
ずーっと集中してると、
お客が疲れるときがありますよね。
お客が疲れたころっていうのは、
ミュージシャンも同時に疲れてるし、
「お互いに疲れたからいいよな」
っていう時間が存在しますよね。
そんな時間をもう一度何かで刺激するのか、
それとも疲れた時間として溜めておくのか、
設計することも必要だと思うんです。
その場所で「何をするか」によって
そのコンサートの実力がだいたいわかるんですよ。
沼澤 なるほど……。
糸井 永ちゃんなんかだったら、
その疲れた時間は一番走るとこなんです。
沼澤 あ、逆に盛り上げておく。
糸井 うん、とにかく必死さを
フルに使う時間にする。
「ちょっと1回休みたい」
ってお客は思うときに、
ダメ押しで早い曲続けるとか。
沼澤 やりますよね!
糸井 やりますねー。
やっぱ頭のいい人なんだなーって
思いますよね。
沼澤 「疲れてんじゃねーぞ、ついて来い!」
的なことになるわけですね。
俺の方がパワーがあるだろうっていう。
糸井 そうなんです。
ぼく、こないだブルーノートで
沼澤さんを見て、
「音楽っていいなぁ」って思いましたよ。
沼澤 たまにやっぱり、いいですよね。
僕は毎日やってますけど。
糸井 毎日やってるっていうのが、
またすごいですけどね。
沼澤 毎日やってますね。やってない日ない。
やれるうちはやっておこうかと。
だって、絶対にいつかやれない時が来るんで。
糸井 全部が技術に結びついてるから、
ますます面白いですね。
ちょうど今、うちのスタッフに対するお説教が、
技術を磨けってやってるんですけどね。
技術がなくて「思い」だけでできるはずがないんで。
沼澤 それ、音楽にものすっごく似てますよ!
「思い」へ逃げやすいんですよ。
糸井 やっぱ技術ですよね。
技術がないと感情も何も表現できないよね。
沼澤 ダメなんですね、
技術がないと続かないんですよ。
そのとき偶然ポッと出たものって
「お、面白いじゃん」
ってなるんだけど……。
糸井 もう1回やれないんですよね。
沼澤 「面白いな」って一瞬耳がいくんですけど
あきちゃうんです。だったら、
「面白さもあって技術があるこの人のほうが、
 ぜんぜんものを言ってるじゃないか」
って思います。
時代の流れで、昔よりもっと
逃げやすくなってるんですよ。
楽器を弾かなくても
音楽作れるっていう時代なので。
糸井 そうなんですよねー。
すごく長い間、喋り続けましたけど
今日はこんなことにしときましょうか。
またゆっくり喋る機会をつくりましょうね。
沼澤 そうですよね。

(これでこの対談は終了です。
 今まで読んでいただいてありがとうございました。
 CD「THE TIME 4 REAL」や読後の感想が
 ありましたら、postman@1101.comまで
 ぜひ、送ってください。
 沼澤さんも楽しみにしてるそうですよ。)

沼澤尚 参加最新アルバム
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第1回
この二人の関係だからここまで言えるんです。
「音楽は楽しいぜ!」って、当たり前のこと言って売れるレコードですよ

第2回
ドラマーのソロアルバムを聞いて
「歌わなきゃいいのに」って思った

第3回
奥田民生を知らなかった
外タレ・沼澤尚の幸運

第4回
ロシアマフィアのパーティから
チャカ・カーンのバックへ

第5回
演奏中はどんな時も
いっぱいいっぱいなんですよ

第6回
一流は、まわりを信用していない

第7回
ドラムが叩けなくなっても
困らないですよ

第8回
俺の好きなドラムは
俺の叩くドラムじゃないって場合もある

「もりもりだくさんプレゼント」当選者発表!!

第9回
ドラムって伝統芸能なんですよ

沼澤さんとタカタカタカ。
あのドラマーと練習気分のフリー対談。

(2000年12月4日〜19日)

沼澤尚さんへの激励や感想などは、
メールの表題に「沼澤尚さんへ」と書いて
postman@1101.comに送ってください。

2003-04-02-WED

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