経営とサッカー。 経営とサッカー。
今度発売される新アースボールは、
なんと本物の「サッカーボール」です!
ちゃんとした規格の本格仕様ながら、
アプリをかざすとAR地球儀にも変身します。

この新モデルのデビューを記念して、
岡田武史さんと糸井重里の対談が
11月17日発売の『Number』で
掲載されることになりました。

猪突猛進で突っ走る岡田さんに対し、
ものごとを俯瞰で観察する糸井。
あちこちに転がったふたりの特別対談、
ほぼ日編集バージョンで先行配信します!
撮影:近藤篤
01 正反対のふたり。
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糸井
岡田さんはグローバルとローカルが、
完全にいっしょくたになってますよね。
岡田
まあ、そうですね。
糸井
それっていまの日本で、
いちばん必要な発想だと思うんです。
岡田
もともとはそんなことも考えずに
ローカルでやっていたんですけど。
やっぱり地方には資産があるんですよ。
糸井
あぁ。
岡田
地方には海の幸、山の幸、
きれいな水、きれいな空気があります。
これからは一極集中型じゃなく、
いろいろ分散型になっていくと思うんですが、
地方はもっと必要とされていくんじゃないかって、
最近ものすごく感じますね。
糸井
そういう考えの岡田さんでも、
自分の生まれ育ったエリアに
こだわっていたような時期ってあるんですか?
たとえば、「俺はこの町で一番になりたい!」とか。
岡田
ぼくは出身が、大阪の柄の悪いところで。
まあ、サッカーをはじめて、
なんとかまっとうになったんですけど(笑)。
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糸井
ワルだった(笑)。
岡田
その頃は一番になりたいと思ってましたね。
中学校を卒業するときには、
「俺はドイツ行ってプロになる」って
親とかまわりに言ってたくらいで。
その頃は世間がわかんないから、
ドイツでプロになるって真剣に思ってました。
糸井
ドイツっていうのは、
急に飛んじゃってるじゃないですか。
自分のいるエリアから。
岡田
当時の日本のサッカー界って、
ドイツの情報しかなかったんですよ。
クラマーさんっていうドイツ人コーチがいて、
ドイツのサッカーはすごいって時代。
海外のサッカーといったら、
それこそドイツしかないような時代なんです。
糸井
ドイツが「すごいローカル」みたいな。
岡田
もう、とんでもないローカルでしたね。
ぼくの中では。
糸井
普通は一番になりたいと思ったら、
まずは自分のいるエリアを広げて、
そこでトップになることを発想すると思うんです。
岡田
はい。
糸井
でも、岡田さんは最初から
遠くにイメージを持ってたというのが‥‥。
それは運なんですかね。
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岡田
うーん、どうなんですかねぇ。
感覚的にいま自分のいる場所は、
単なるバス停くらいにしか思ってなくて、
そこからバスに乗って、
いろんなところに行くというか‥‥。



たぶん、ぼくのご先祖さまは
モンゴルの遊牧民だと思うんです。
顔にヒゲを生やすと、
よく「モンゴル人だ」って言われる(笑)。
糸井
それは見た目がそうなだけで(笑)。
岡田
いや、定着の遺伝子がないんだと思います。
一ヶ所にじっとしてられないというか。
まわりにも「マグロだ」って言われてて、
泳いでないと死んじゃうって。
チャレンジしてないと気が済まない性格で、
落ち着いてると物足りなくなるんです。
糸井
それはちっちゃいときからですか?
岡田
そうだと思います。
とくに子どものときは、
お日さまが照ってるうちは、
外にいないといけないって信じてました。



朝5時ぐらいに日が出たら、
「よし!」って外へ飛び出して、
近所の牛乳配達の手伝いしたり、
とにかく太陽が出てるうちは、
外にいなきゃいけないって思い込んでました。
糸井
特殊な子ですよね(笑)。
岡田
いやいや、糸井さんこそ(笑)。
糸井
そういう意味では、
ぼくはほんとうに平凡ですよ。
すくなくとも「ドイツ行こう」みたいな、
ぴょんと頭を飛ばすということが、
自分の体内にはなかった気がします。
岡田
そうですか。
糸井
たとえば、ぼくらはベビーブームだったので、
1学年15クラスあった時代なんです。
そうするとクラスで一番だ二番だってのは、
最悪、学年で30番になっちゃうわけです。
岡田
ええ、ええ。
糸井
その発想で市とか県に広げていくと、
キリもなく遠いところに一番がいるわけで、
これはもう大変すぎるぞと。
だから、そこでチヤホヤされたり、
競争したりするっていうのが、
ものすごく無駄だなって気持ちが
早くに身についちゃった気がするんです。
まわりとの競争が激しすぎて。
岡田
よく団塊の世代というのは、
そこを生き抜くために
競争への耐性が強いって言われますよね。
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糸井
耐性じゃなくて、諦めですよね。
岡田
あぁ。
糸井
ちょっとバカらしく見えるんですよ。
「お前らが争ってるのって、
こんなに低いところなんだよ」みたいに。
ぼくの場合はですけどね。
岡田
なるほど。
糸井
ちょっと脱線しますけど、
中学生の夏休みにヨーヨーに
ハマっていたことがあるんです。
で、勉強をサボってずっとやってたから、
それなりに上手にもなっていって。
岡田
はい。
糸井
当時、近くでヨーヨーの県大会があって、
あんまりできてるつもりもなかったけど、
試しに出たらそこで優勝しちゃったんです。
岡田
おぉーっ。
糸井
でも、そのときキャンペーンで来てた
代理店が用意したような人たちのほうが、
ぼくよりぜんぜん上手いわけです。
デモンストレーターとかものすごく上手い。
それを見て、一応、優勝の盾をもらったり、
トランジスタラジオをもらったりして、
半分はいい気になるんだけど、
あ、俺ぜんぜんダメじゃんって(笑)。
岡田
あぁー。
糸井
ちょっとやって一番とかっていうのは、
まさにこういうことなんだなって、
ぼくはそれで早くに知ってしまったんですよね。
(つづきます)
2022-11-08-TUE
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2022年11月15日(火)
AM11時より、一般発売スタート!
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「ほぼ日のアースボール PLAY」は、
ヨーロッパの主要リーグの公式球を担当する
パキスタンの工場で製造されたサッカーボールです。

検定球ではありませんが、
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他のアースボールと同じように、
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11月15日(火)AM11時より、
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サイズは5号球で、価格は税込7920円。
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