経営とサッカー。 経営とサッカー。
今度発売される新アースボールは、
なんと本物の「サッカーボール」です!
ちゃんとした規格の本格仕様ながら、
アプリをかざすとAR地球儀にも変身します。

この新モデルのデビューを記念して、
岡田武史さんと糸井重里の対談が
11月17日発売の『Number』で
掲載されることになりました。

猪突猛進で突っ走る岡田さんに対し、
ものごとを俯瞰で観察する糸井。
あちこちに転がったふたりの特別対談、
ほぼ日編集バージョンで先行配信します!
撮影:近藤篤
06 あったほうがいい会社。
──
そろそろ終わりの時間なんですが、
最後にいくつか質問してもいいでしょうか?
糸井
どうぞ。
──
ありがとうございます。
サッカーというスポーツは、
世界で最もグローバルなスポーツだと思うんです。
糸井さんは野球やラグビーが
お好きというイメージがありますが、
そのへんの違いについてはどう思われますか。
糸井
感心しますよね。
やっぱりルールがフリーに近いほど
広がっていくと思うんです。
──
あぁー。
糸井
ぼくはすぐ野球と比べちゃうんだけど、
たとえば、野球帽をかぶらないと、
野球ってはじまらない気がするし、
チームつくろうぜっていったら、
おそろいのユニフォームがいるだろうし。
でも、サッカーの物語ってそうじゃなくて、
ボールを蹴り合った瞬間に、
もうそこからはじまってますよね。
ベースにあるのが「ボール」だけっていう。
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岡田
即興ではじまりますよね。
糸井
それ、いまのぼくの憧れなんです。
つまり、一番ゆるいものなのに、
ルールが自己発生していくっていうのが、
やっぱりいちばんかっこいいじゃないですか。
定義に合わせてやるんじゃなくて、
自然に生まれるものにいますごく興味があって、
ぼくはそこをサッカーからもっと盗みたいですね。
──
おぉー。
糸井
野球はゲームとしてつくられた
おもしろさと欠点がやっぱりあるんです。
ゲームってルールのものだからね。
でも、サッカーは自由な部分があって、
なおかつ緻密な作戦もつくれるっていうのは、
やっぱりすごいものだなと思いますね。
もうすぐワールドカップもあるしね。
岡田
そうですね。
──
そのワールドカップのことでいうと、
岡田さんはいまの日本代表を、
どう見ていらっしゃるんでしょうか?
岡田
どう見てるって?
──
いろいろ批判もありますけど、
ほんとにこのチームで勝てるのかとか‥‥。
岡田
ほんとに批判されてる? 
俺に比べりゃ、ぜんぜんマシやろ。
──
あぁ(笑)。
岡田
森保監督とは電話したり、
ごはん食べたりもするんだけど、
いつも彼に言ってるんです。
「お前いいなぁ。みんなに支持されて」って(笑)。
──
岡田さんから見たら、
そういう感覚なんですか(笑)。
岡田
あいつは4年間というタームを
まっとうして本大会を戦う、
はじめての日本人監督なわけですよ。
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糸井
途中でクビにならなかったってことですね。
岡田
ぼくの1回目のときは、
加茂さんが更迭されたあとの
8ヶ月か9ヶ月くらいでした。
2回目のときもオシムさんが倒れたあとで、
2年半か3年弱です。
西野朗さんが代表監督になったのも、
たしかロシア大会の直前でしたよね。
──
ハリルホジッチ監督が
直前で解任されたんですよね。
岡田
そういう意味ではこの4年間、
やっぱりアジア予選の最中も、
家族含めてめちゃくちゃ大変だったと思う。
その気持ちが俺にはわかるから、
もうずーっとあいつを応援してるし、
評価しようとかぼくの中にはまったくない。
──
なるほど。
岡田
だから今回の日本代表の解説、
俺は外してくれって頼んだんです。
もう、解説できないと。
あいつの試合見てると俺も苦しくなる。
こう、グーッとなっちゃう。
だから誰がどんだけ批判しても、
俺はあいつを応援するって決めてます。
──
岡田さんがそういう存在であれば、
森保さんも力強いですね。
岡田
ちょっと話が脱線するけど、
俺がコンサドーレ札幌の監督を引き受けたとき、
J1からJ2に落ちたあとだったんだけど、
「んなもん、1年で上げたろ」って、
いつもの軽い感じで引き受けたんですね。
──
はい(笑)。
岡田
それで1年間、選手もみんな
必死にがんばったんだけど、
結果5位かなんかでJ1には上がれなかった。
あのときはものすごく落ち込みました。



その頃マンションに住んでたんだけど、
ファンとかみんなに声かけられるから、
しばらくホテルに移ってたんです。
でも、ホテルだとやることもなくて、
ずっと部屋でビデオばっかり見てたから、
気分もだんだん落ちてきちゃって‥‥。



そんなときにあるサポーターから
手紙をポンと渡されたんです。
「朝が来ない夜はありません」と。
「必ず朝が来ます。私は信じてます」
その一文にぼくはものすごく救われた。
もう、いまでもはっきり覚えてます。
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糸井
それはうれしいですね。
岡田
うれしかったですねぇ。
あと、ぼくが叩かれまくってるとき、
元日本代表の横山謙三さんという
監督さんがおられたんですけど、
謙三さんが電話してきてくれて、
「岡田、お前の思う通りやれ。
何か文句言う奴がいたら俺に言え。
俺がやっつけてやるから」って。
一同
おぉーっ!
岡田
もうそれだけで、すごく心強い。
だからぼくは森保のそういう存在に
なってやんなきゃいけないと思ってる。
だからぼくは常にサポーターです。森保の。
糸井
そのサポーターの手紙じゃないけど、
ぼくも苦しかったときに、
「糸井さんの会社はあったほうがいい会社です」
って言われたことがあるんです。
岡田
あぁ、いいですね。
糸井
それでどれだけ助かったことか。
「あったほうがいい会社です」って。
もうそれ以上の言われ方ないですよね。
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岡田
それはうれしいですね。
そうやって言ってくれるっていうのは、
ほんとにうれしいですよね。
糸井
うれしかったなぁ。
「励み」ってありますよね。
岡田
そういうのありますね。
この前の今治での試合のときも、
ちょうど台風で大雨が降ってしまって、
500人来たらいいかなと思ってたら、
なんと1500人の方が応援に来てくださった。
杖をついてまで来てくれた人もいましたし。
もう、試合終わったらすぐ出口に飛んでって、
「ありがとうございました!」って全員に言いました。
糸井
うんうん。
岡田
試合に勝ったからとか、
そんなの関係なかったですね。
あれはうれしかった。
認めてくれてんだなという感じがして。
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糸井
その人たち含めて「チーム」ですよね。
岡田
そういう感じですよね。
もうほんとに感動しました。
糸井
まだまだ話し足りないのですが、
きょうはこんなところにしましょうかね。
そろそろ時間のようですので。
──
ありがとうございました。
すごくおもしろかったです。
糸井
やっぱり想像通りというか、
話があっちに転がる、こっちに転がる。
ボールだけに(笑)。
岡田
はははは。
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糸井
やっぱ「おもしろい」がいちばんですね。
岡田
ほんとにそう思います。
ぼくも糸井さんのような
人間になれるようにがんばります。
糸井
どうしたんだ急に(笑)。
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岡田
目指していきます。ほんとに。
糸井
いやぁ、弱ったなぁ。
競争はしないでください(笑)。
きょうはありがとうございました。
とてもおもしろかったです。
岡田
ありがとうございました。
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(おわります)
2022-11-13-SUN
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2022年11月15日(火)
AM11時より、一般発売スタート!
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