経営とサッカー。 経営とサッカー。
今度発売される新アースボールは、
なんと本物の「サッカーボール」です!
ちゃんとした規格の本格仕様ながら、
アプリをかざすとAR地球儀にも変身します。

この新モデルのデビューを記念して、
岡田武史さんと糸井重里の対談が
11月17日発売の『Number』で
掲載されることになりました。

猪突猛進で突っ走る岡田さんに対し、
ものごとを俯瞰で観察する糸井。
あちこちに転がったふたりの特別対談、
ほぼ日編集バージョンで先行配信します!
撮影:近藤篤
05 自信は永遠に持てない。
岡田
昔っからずっとそうですね。
おもしろいと思ったらすぐ突っ込む。
「おもしろそうだ」は
自分を動かす価値観のひとつです。
糸井
それはぼくにもあります。
いちばん嫌なことは「飽きる」。
岡田
まったく一緒です。
ぼくも同じことができない。
糸井
同じことに見えてるけど、
ほんとうは違うっていうことだったら、
それはシメシメと思ってやります。
岡田
そうそうそう(笑)。
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糸井
あと、価値観ってことでいうと、
ぼくがもっと好きなのは、
「仲間ががんばるのがいちばんうれしい」ですね。
ぼくが出してないアイデアで、
企画がスクスク成長してたりすると、
自分がアイデア出したときよりもうれしいです。
歳を取るごとに、どんどんそうなります。
岡田
いやー、すばらしい。
糸井さんは人間が違いますね。
糸井
岡田さんは違う?
岡田
ぼくはまだそこまで進化してない(笑)。
昔、河合準雄さんがご存命の頃に、
「ほんとうに相手をリスペクトするには、
自分に自信がないとできません」
って言われたことがあるんですけど、
最初、まったく意味がわかんなかったんです。



サッカーの監督をやってた頃、
当時ってどこかのチームが優勝すると、
監督同士で花を贈りあったりするんだけど、
内心はみんな闘志むき出しで、
「次は俺が優勝してやるぞ」って思ってる(笑)。
糸井
内心はね(笑)。
岡田
ところが、55歳を過ぎたぐらいで
人と比べてどうこうじゃなくて、
いままで自分でやってきたことに対して、
ちょっとだけ自信が持てるようになったんです。



その頃にトニーニョ・セレーゾが
アントラーズで優勝したことがあって、
「トニーニョ、おめでとう」って、
心から花を贈ってる自分がいたんです。
その瞬間に河合準雄さんの言葉が浮かんで、
ああ、河合さんが言ってたのはこのことかと。



それまでは絶対負けたくないとか、
俺が勝ってやるとか、そんな人間でしたから。
それがちょっとだけ進化しました。
糸井
それは「自信」の問題というよりは、
「おもしろさ」の意味が変わったんじゃないかな。
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岡田
あぁ。
糸井
自信って永遠に持てないと思うんです。
たぶん、ピカソだって何かに対して、
ずっとコンプレックスはあったと思うし。
そういう意味でいうと、
自信を基準に考えてないのかもしれない。
岡田
ぼくはいまだに自信がないままです。
糸井
たぶん、世界一になったって怖いですよ。
ギャングの親分の心を描いた映画とか、
世の中にいっぱいありますけど、
みんな、ほんとに怖がりですよね。
防弾ガラスの車に乗ってる人だって、
撃たれると思ってるから乗ってるわけで。
どんなに自信があっても、そこは無理ですよね。
岡田
それはそうかもしれない。
糸井
ぼくは戦後生まれだから、
ここまでの長い間に、
生きづらいと思うようなことは
やっぱり避けますから。
だから、嫌いな人にもあまり会わないで
生きて来られたんです。
それはぼくのラッキーだったと思う。
岡田
それは戦後のドタバタを
生き抜くための知恵というか。
糸井
うん、知恵だと思いますね。
競争があるほうがやる気を出すとか、
団塊の世代は競争に慣れてるとかいうけど、
そんなものにほんとに巻き込まれたら、
みんな生きていられないですよ。
だって大変すぎるもん。
そんなことより、こっちがいいなって。
岡田
違う生き方というか。
糸井
だから、ある時代に植木等がいたり。
岡田
ああ(笑)。
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糸井
ぼくも植木等に憧れてたときもあるし、
長嶋茂雄に憧れたときもあるし。
いまの若い子たち見てても、
それぞれの時代のお薬がありますよね。
踊りそろえてるだけでもうれしい、とか。
岡田
糸井さんの原点というか、
そういう価値観は子どもの頃からですか?
糸井
たぶん、子どもの頃から、
ちょっとずつ覚えていったのかもしれないけど。
ぼく、そんなに明るい家庭に育ってないんで、
「それでもたのしくやるには」
っていうふうになるじゃないですか。
岡田
でも、それがいちばん幸せかもしれないです。
糸井
ただ、それはそれで、
そういうのが大っ嫌いっていう人もいますから。
でも、主観的にはいいですよ。
岡田
いやいや、主観がすべてですから。
人にどう言われようが関係ない。
糸井
岡田さんの年齢だと、
「明日死んじゃってもいいや」はないでしょ? 
まだまだやりかけのことだらけだし。
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岡田
うーん、いまはもう大丈夫ですかね。
糸井
大丈夫ですか。
岡田
さすがに今回の資金調達のときは、
30年の土地無償貸与が議会で決まって、
スタジアムの設計図もできて、
「あとは岡田さんが40億円集めるだけです」
って言われたときは、正直、自信なかったです。
集められんかったら、俺、どうしようかと。
糸井
うん。
岡田
みんながこんなに期待して信頼して、
人が集まって、議会も通してくれて、
それで無理だったらどうしようって。
死んでお詫びせないかんだろうなぁとか。
だから、そういう覚悟はずっとありました。
糸井
ある年齢からいままでやったことのない、
たとえば、お金を40億集めるみたいなことを、
誰かに「やれ」って言われても
なかなかできることじゃないですよね。
岡田
まあ、そうでしょうね。
糸井
自分がやるんだって思わないと。
岡田
ぼくは自分が40億も集めるとは
思ってなかったんです。
「スタジアムつくるぞ」って言ったら、
「あ、お金、ぜんぜんない」ってなって(笑)。
じゃあ、集めるしかないぞって。
糸井
「スタジアムつくろう」から
考えたってことですよね。
40億で考えたわけじゃなくて。
そのへんが最初からぶれてないですよね。
岡田
ぶれてないのが、
いいのか悪いのかわからないですけど(笑)。
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(つづきます)
2022-11-12-SAT
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2022年11月15日(火)
AM11時より、一般発売スタート!
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