その7 群れの争い
先週twitterで「エナガのねぐら」を検索してみて、
「エナガでご飯三杯ところか、ビール五杯いけますね」
と書かれてらっしゃる酒豪さんを見つけました。
というわけで、エナガ酒豪のみなさん、こんにちは。
今日は、エナガの群れ同士の争いについて、お話します。
昨年12月11日、いつものように早朝から
エナガの群れ(J12)について歩いているときのこと。
Jグループは12羽とただでさえ大所帯なのに、
急に人数が増えて周囲に20羽くらいいるように感じて、
「ん?へ?あれ?」などとあたりを見回していると、
突如ピピッッ!などと鳴きながら、
盛大な追いかけあいが始まりました。
何組ものエナガたちが、互いを追いかけたり、
となりで追いかけあってる組に乱入したり、
単に枝に止まってピーピーと声をあげていたり、
と、まさに上を下への大騒ぎです。
はじめての体験ながら、
中村先生の著書で読んだ知識があったため、
「エナガの群れ同士の喧嘩騒ぎだな」とピンときました。
よおし撮影してやろう、と思ったのですが、
あまりにも高速で追いかけあっているので、
まったく撮影できません。
かろうじてエナガの形がわかる写真が、
1枚だけ、撮れました。
▲くっ。ピンボケ。残念!
取っ組み合いをしている2羽のエナガが、
ピンボケながらも、かろうじて写っています。
ぐるぐる追いかけたり、
向き合った状態で羽ばたきながら、
地面までスルスルーっと落ちたりするのですが、
その、地面まで落ちている瞬間の写真です。
冬のエナガの群れは、
テリトリーが隣接する他の群れと出会った時に、
こうしたとっくみあいの喧嘩をすることで、
群れの境界=テリトリーを形作るようです。
はじめて眼にするエナガの争いは、
ふだん仲良く暮らしているエナガからは、
まったく想像できないくらいの激しさでした。
見ているこっちがドキドキするくらいの。
騒動はほんの1分ほどで収まり、
あっというまに両群とも消え去りました。
あとには、静まりかえった冬の森に、
胸を高鳴らせたオッサンが、
ひとり佇むばかりなり。
年が明けて1月30日の早朝、
今度はE6とL10の争いに遭遇しました。
この時の私はピピッッの声にコンマ5秒で反応して、
なんとか2羽の衝突の瞬間を捕らえました。
その写真がこちらです。
▲右下の2羽に注目。
拡大してみましょう。
▲ゴフゥッ!
ああ…なんか…エナガさん、
スッゴイ蹴ってますね。
(おもわず「さん」付け)
争いの瞬間でさえ、
どことなくおかしみがあるエナガたち。
ああ…かわいい。
それでは皆さん、また来週〜!
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