石田ゆり子さんの「好きなもの」。
第4回 わたし、しつこいんですよ。
石田 いま、ファストファッションが流行ってて、
それを否定する気もないけど、
わたしはやっぱりいっしょに年とって、
自分自身になっていってくれるものを
買いたいなぁと思いますね。
 
糸井 ぼくは、マッチ棒とライターで考えたことがあるんです。
マッチ棒のようなファッションもあって、
擦って燃えて、おしまいっていうのも、
それはそれでオッケー。
だけど、ライターだと、何回も使える。
で、「オレはいつも、このライターなんだ」って、
言えるじゃない?
みたいなことだと思ってるんですけどね。
石田 ああ、はい。
糸井 うちで出してるTシャツは、社内でみんなが、
以前のやつも、とっかえひっかえ着ているんですよ。
それが自分としてもちょっとうれしくて。
そういうものを、つくれてるっていうのは、
ちょっと誇りですね。
 
石田 ええ、ええ。
糸井 タオルもハラマキも、そうですけど。
それを支持してくれるお客さんに
出会えてるのがうれしいですね。
まあ、「高い」って言われちゃうときも、
正直言うと、あるんですけど。
石田 Tシャツですか?
糸井 Tシャツでもなんでも。
今回は特にまた、思い切っちゃったんで、
ゆっくり売れればいいやと思っています。
高いって思ったひとも、いつか、
「ああ、いまなら買える」って、
買ってくれるかもしれないし。
で、5年たっても着られるからね、下手したら。
石田 そうですよね。
あのう、なんでしたっけ?
吊り編み?
糸井 はいはい。
石田 あれは、どういうことなんでしょうね?
編み針が輪になってるんですか?
糸井 輪ですね。
石田 で、ゆっくりゆっくり、
編地が1時間に1メートル、ですか?
糸井 1時間に1メートル。
石田 それは、ふつうの機械とくらべると、
どのくらいの?
糸井 50分の1とか、100分の1とか、
そのくらいの生産量みたいですね。
石田 へぇーっ!
糸井 ふつうの工場も見にいったんですけど、
もう、超高速度で。
石田 (笑)
糸井 シャーーーーーッて、できてました。
石田 この風合いは、ゆっくりの産物ですもんね。
糸井 そうなんです。
石田 すそのマークも、かわいいですよね。
糸井 はい、雨がプリントで。
石田 お花のは刺しゅう?
はなの刺繍
雨の模様のプリント
糸井 そうですね。
石田 わたし、これを見て、
自分で刺しゅうしようかと思いました。
糸井 してください、してください。
石田 なんかステッチとか。
糸井 そういうお誘いでもあるんです。
石田 入れようかなって気になりますよね?
糸井 そう、誘い水なんです。
石田 なるほど。
糸井 あんまり無地だと、プレゼントしたりするときに、
名前のないものを渡したような気がしちゃって、
ちょっと寂しいかなぁと思って。
石田 ああー、そっか。
それと、やっぱりこの
「ピヨン」っていうやつですよね?
※ピヨン 首もとの「しっぽループ」のこと。
糸井 そうですね。
石田 ね。ピヨン。
 
糸井 ピヨン(笑)
石田 これで、絶対にわかる。
糸井 ピヨンもね、かたちとか、いろいろ悩んだんですよ。
それなりにね。
石田 いいアイデアだなと思いました。
どこかに、かけてもかわいいし。
糸井 たたまなくていいよっていう、サインでもあるしね。
石田 ああー、なるほど。
糸井 干すときに、きれいにしなくてもいいよっていう。
石田 あと、このタグが印刷されてるっていうの、
いいですね。
 
糸井 はい、はい。
石田 痛くない。
糸井 これは、けっこう「ほぼ日」では前々からね、
コツコツとやってきたんですけど。
石田 あ、そうなんですね。そうか。
タグが首もとに当たって、
かゆいときとか、ありますもんね?
糸井 ありますね。
初期のころね、それ言われたことがあって。
やめちゃってからは、そういう苦情はないですね。

しかし、なんですか、
ものすごく「ほぼ日」を読み込んでて
知っててくれてますね。
石田 わたし、しつこいんですよ。ほんとうに。
糸井 そうみたいですね(笑)
石田 しつこい性格なんです。
糸井 いつ見てるんですか? 夜ですか?
石田 毎朝、毎晩です。まず起きて見るんですね。
糸井 油断ならないなぁ。
一同 (笑)
石田 きょう起きて見たら、きのうのままだったんです。
糸井 11時前ですね?
石田 そう。なんだぁと思って。
一同 (笑)
石田 そうか、糸井さん、忙しいんだと思って、わたし。
糸井 ちがいます、11時更新なんです。
‥‥あ、そうか、そういうことじゃなくて、
「気まぐれカメら」か。
ブイヨンね。
石田 そうそう、ブイちゃんの。
糸井 はい。
  (つづきます)

2010-08-20-FRI