糸井 | こういうことを言うのも変ですけどね。 ずいぶん前から「ほぼ日」のものを、 1人のお客さんとして 買ってくださっていますよね。 それがわかったとき、ほんとにうれしかったんです。 |
|
|
石田 | そうですか。 |
糸井 | ぼくら、地味な日々を送ってますから。 |
石田 | いえいえ(笑) |
糸井 | そんなところからも声があがったっていうのは、 とても励みになったんです。 いつごろ、お知りになったんですかね? |
石田 | 3、4年前でしょうか。 |
糸井 | そうですか。 |
石田 | 天海さんの「おいら。」を見たりしてて、 |
糸井 | へえ、天海さんは、お知り合い? |
石田 | はい、わたし、大好きなんです。 「兄貴」って呼んでますから。 ずいぶん失礼ですけど(笑) |
糸井 | そうですか。 じゃあ、石田ゆり子さんから見て、 「わたしがお姉さんの役」として、 思いつく人って誰ですか? |
石田 | うーん‥‥。 わりといつも一匹狼的な存在っていうか、 あんまり人と縦の関係になったことがないので、 そういう人は、いないかも。 |
糸井 | あぁー。 |
石田 | みんな慕ってくれるんですけど、わたしがたよりないので、 逆に、「ゆり子さんたらっ」みたいな感じに なっちゃうんですね。 |
糸井 | 妹に怒られるお姉さんみたいな? |
石田 | そうですね。 わたしも年下の子に頼るほうが楽みたいな、 なんかたよりない(笑) |
糸井 | いい場所ですね。 |
石田 | でも、長女なので、基本的に長女気質ですね、わたしは。 |
糸井 | 意外に「まとめるところはまとめます」みたいな? |
石田 | わりとこう、最後は叱るみたいな。 |
糸井 | えっ? |
石田 | 最後は怒って。 |
糸井 | ここにあなたに叱られたいっていう人、 いっぱいいますよ。 |
石田 | いやいや(笑) |
一同 | (笑) |
糸井 | よろしければ抽選で3名様に。 石田ゆり子が叱ってくれる「叱る券」などを。 |
一同 | (笑) |
石田 | わりと説教したがるところもありますね。 |
糸井 | 何を言うんだろう? |
石田 | なんでしょう、言葉づかいとか。 あと、食べかたとかにも、うるさいと思います。 |
糸井 | (笛をふくマネをして) 「ピピピピッ!」って感じで? |
石田 | はい。 「肘を突かない!」とか。 |
糸井 | はぁー! |
石田 | ついこう、ババ心っていうんですか。 なんかどこかで、若い人の面倒みなきゃって、 思ってるところはありますね。 |
糸井 | ああ、なるほど。 |
石田 | あとは、動物とか、圧倒的に立場が弱いものに 弱いんですよ。 捨て猫とか、野良猫とかだめですね。 |
糸井 | 動物にもやっぱり言い聞かせたりしてますか? |
石田 | はい。 |
糸井 | (笑) 「あなたはいつまでもそういうふうにしてるから こういう‥‥」とかって? |
石田 | 言い聞かせませんか? 野良猫とかに。 |
糸井 | 正直言うと、ぼくもそれはあります。 |
石田 | ですよね? |
糸井 | ありますけど、あなたの大きさとは ちがうような気がします。 ぼくはもっといい加減で。 朝礼をするんですよ、かみさんが留守のとき。 |
石田 | ブイちゃんと? |
糸井 | そう。 「きょうもお父さんと2人で やっていくことになりますが」 |
一同 | (笑) |
糸井 | 「よくご飯食べて、元気にやっていきたいと思います。 それではいただきましょう。よしっ」 それで、ご飯を食べる。 |
石田 | へぇー。 |
糸井 | そういう朝礼をしてます。 「吐いたりしないように」とかね。 |
石田 | 「気まぐれカメら」、いつも見てるんですけど、 あれがとても好きで。 もうあれはほんとうに的確ですよね。 |
糸井 | そうですか(笑) |
石田 | はい。 もう糸井さん、やっぱりさすが コピーライターっていう感じで。 よくあんな言葉を思いつくなって。 |
糸井 | いや、あれは、なんていうんだろう、 料理人が厨房のなかで、 自分ちの目玉焼きつくってるみたいなもので。 |
石田 | はぁー。 |
糸井 | 力入れるとできないんですよ。 |
石田 | わかります。 わたしの想像ですけど、 ことばの一番上の上澄み、 淀んだものが沈んで、フッて上がってきたものを スッと書いていらっしゃるという感じがします。 |
糸井 | あぁー。 |
石田 | なんだろう? 清らかな感じ。 |
糸井 | なんでしょうね。 何かの「ため」にしてないからでしょうね。 |
石田 | ああ、はい。 |
糸井 | 手紙書くにしても、 相手の人によろこんでもらうように書こうとか、 思ってることをなるべく正しく書こうとか、 わかってもらえるように書こうとかっていうのは、 やっぱり技巧だと思うんです。 でも、ちっちゃいときに出た言葉、さっきの 「かわいい石ころとかでもよかった」のときには、 技巧ゼロじゃないですか。 |
石田 | はい。 |
糸井 | そのゼロがいいなぁって思えるんで。 で、ゼロの役、ぼくはもう、できないんです。 「おまえは大人だろう」って言われますから。 だから、お人形をこう、腹話術で動かしてると、 そういうことをできるんで、自分にとっていいんです。 |
石田 | あぁー。 |
糸井 | 腹話術ですよね。 この子(あみぐるみ)を持って、 「ぼくはもうお腹減ったんだ」って言えば、 自分のお腹が減ったっていう話が できるじゃないですか。 |
石田 | あぁー、腹話術か。 |
糸井 | フィクションって、その役割がありますよね。 あ、ゆり子さん、それは期間区切って やってみたらどうですか? おもしろいですよ。 |
石田 | 「ほぼ日」でやっていただけます? |
糸井 | いいですよ。 |
一同 | (笑) |
石田 | やりたいですね。 ブイちゃんとの交換日記みたいな。 |
糸井 | あっ、じゃあぜひ、遊んでください。 |
石田 | ほんとうですか? |
糸井 | いや、もうよろこんで。 |
石田 | い、い、いいですか? |
一同 | (笑) |
石田 | いちおう確認して。 |
糸井 | ぼくらはよろこんで。 |
石田 | ほんとうですか? わぁ、うれしい。 ありがとうございます。 |
糸井 | ああ、よかった。 こちらこそ、ありがとうございます。 |
(おわります) | |
というわけで、はじまったのが、 「はなちゃんの夏休み」なのでした。 まだご覧になっていないかたは、 ぜひこちらからどうぞ。 |
2010-08-23-MON
2010-08-17-TUE |
||
2010-08-18-WED |
||
2010-08-19-THU |
||
2010-08-20-FRI |