おさるアイコン ほぼ日の怪談2006

怪・その39
「車にぶら下げて」

小さい頃から、人に見えない人をよく見ました。
でも、「怖い」と思うことはあまりなかったです。
しかし5年ほど前の夏、
ほんとうの「恐怖」に出会いました。

彼氏(現:ダンナ)と夜にドライブに出かけ
高速道路を走っていると、
なんだか急に涼しく感じました。
エアコンを強くしたのかな? と思ったのですが、
なにげなく隣の車線を見ると、
ものすごいスピードで白い乗用車がやってきました。

あぶないなぁ。と思いよく見ると、
窓という窓が真っ黒で、中はまったく見えません。
でも不思議と乗っているのは
「若い男性が二人」とわかるのです。

そして、後のドアから
「何か」をぶら下げていました。

「何だろう?」と思ったとき、
「何か」がこちらを向きニタァと笑いました。

「何か」はセミロングの黒髪の、
女性の頭部だったのです。

彼女の首には
ベージュっぽい1cmほどのロープが
からまっていました。
そして、アザもハッキリと見えたのです。

私は視力が悪く、
メガネをかけても「0.6」程度なのです。
本来なら、ロープの色やアザなんて
見えるはずがないのです。

彼氏(現:ダンナ)に話すと、
「車しか見えなかった」と言っていました。

(N)


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2006-09-01-FRI