怪・その18
弟の初盆
この話は私が弟を亡くしてから
初めて迎えたお盆の時の話です。
もう9年前になりましょうか。
月命日で墓参りに行くという時の前の晩、
居間でテレビを見てました。
母親は霊感が強く、
その日は朝から何かそわそわしてました。
当時住んでいた家の居間は
囲いのない駐車場に面しており
だれでも通り過ぎることができました。
私自身は霊感はないと思ってたのです、
その時まで。
急に部屋の気温が下がったなあと感じて
母にそのことを言うと
今、弟が来ているというのです。
私自身は不快ではなかったので
心の中で弟の名を呼び、
来ている証拠を見せて、と思いました。
その瞬間、
網戸がガラーッ、と開いたのです。
母も私もびっくりしました。
でも別に怖くはなかった。
誰も通ってないのは確認しましたが。
「あの子はいたずら好きやったからね。」
母の一言でなんか和みました。
そして次の日、墓参りに行き、
束の線香に火をつけて納めた瞬間、
一瞬にして凄まじい燃え方で燃え尽きたのです。
弟が生きたかったのがわかって
思わず全員で大泣きしてしまいました。
一時期は盆の時は
閉め切った部屋にも関わらず
仏壇の蝋燭が激しくゆれたり、
線香がひとりでに折れたりしてましたが
この5年間、もうなくなりましたね。
きっと見守ってくれてるんだと思い
神仏への感謝が強くなってきました。
(K)
2009-08-16-SUN