怪・その27
「夜の車の窓から」
私が通っている美容院の
担当美容師さんから聞いた話です。
ある時、彼のお父さんが
真っ蒼な顔をして帰って来たそうです。
幹線道路から家までは、
街灯もない、
両脇が林の田舎道だそうです。
夏の夜、仕事が遅くなり真っ暗な中、
お父さんは窓を全開にして車を走らせていたところ、
イキナリ開けた窓にかけていた腕を何かに掴まれ、
物凄い勢いで引っ張られたそうです。
前後に車は1台も走っていないし、
第一走っている車に追い付ける人
なんている訳ありません。
反射的にこれはまずい! と思い、
車の速度を上げたそうですが、
一向に腕を離す気配がないまま、
車から引きずり下ろされそうな勢いだったそう。
お父さんは必死で運転し続け、
何とか力を込めて腕を振り払ったら、
やっと離れて行ったと。
そこから家まで
必死の思いで帰ってきたそうです。
そう云うものを全く信じていないお父さんに
思いがけず起きた出来事で、
お父さんは恐怖のあまり、
暫く口もきけないほどだったそうです。
あの日、1回だけ話して以来、
この話は一切しないんですよ、
余程怖かったんでしょうねと、
美容師さんは云っていました。
(なん太郎)
「夜の車の窓から」
私が通っている美容院の
担当美容師さんから聞いた話です。
ある時、彼のお父さんが
真っ蒼な顔をして帰って来たそうです。
幹線道路から家までは、
街灯もない、
両脇が林の田舎道だそうです。
夏の夜、仕事が遅くなり真っ暗な中、
お父さんは窓を全開にして車を走らせていたところ、
イキナリ開けた窓にかけていた腕を何かに掴まれ、
物凄い勢いで引っ張られたそうです。
前後に車は1台も走っていないし、
第一走っている車に追い付ける人
なんている訳ありません。
反射的にこれはまずい! と思い、
車の速度を上げたそうですが、
一向に腕を離す気配がないまま、
車から引きずり下ろされそうな勢いだったそう。
お父さんは必死で運転し続け、
何とか力を込めて腕を振り払ったら、
やっと離れて行ったと。
そこから家まで
必死の思いで帰ってきたそうです。
そう云うものを全く信じていないお父さんに
思いがけず起きた出来事で、
お父さんは恐怖のあまり、
暫く口もきけないほどだったそうです。
あの日、1回だけ話して以来、
この話は一切しないんですよ、
余程怖かったんでしょうねと、
美容師さんは云っていました。
(なん太郎)