怪・その26
「百物語を読んだ夜」


3年前ほど前に実家で起こった出来事です。

わたしは怪談好きですが
まったく霊感は無く、
今まで一度も霊らしきものは
見たことも感じたこともありません。

それは、発売したての
某百物語怪談の単行本を購入し、
一日で完読した日の夜のことでした。

その本の中には、
一日で百物語を完読すると何かが起こるため、
いっぺんに全て読まないように注意書きがありました。

何かが起こることなど
まったく気にしていなかったその夜、
わたし以外の他の家族は寝静まり
ベットに入ろうとした時でした。

ブーン

と、機械音のようなものが聞こえることに
気がつきました。

気にせず寝ようと思いましたが、
どうやら家の中からきこえてきます。

恐る恐る音のする方に近づくと、
洗面台に掛けてあるドライヤーのスイッチが
オンになっていました。

なにかの拍子にスイッチが入ったのかと思い、
普通にオフにしてベットに戻ろうとした時、

ブーン

またスイッチが入ったのです。

怖い! と思って
あわててもう一度スイッチをきった時、
気がつきました。

ドライヤーのプラグが
コンセントにささっていませんでした。

ハッとしたのと同時に、
隣の妹の部屋から
同じようにドライヤーのスイッチが入り、

ブーンと音がなり始めました。

妹は外泊していたため、
部屋には誰もいないはず‥‥

怖くて妹の部屋には入れませんでしたが、
しばらくしたら
ドライヤーの音はとまってしまいました。

そんなことがあったのはその夜だけでした。
怖くなって、怪談の本は人に上げてしまいました。

(みっこ)
この話、こわかった! ほかのひとにも読ませたい。
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2011-08-19-FRI