怪・その41
「間違い電話?」
それは私が中学三年生の時でした。
当時は部活動を引退し、
休日は他のつながりで知り合った同級生の友達と
遊ぶようになっていました。
ある日、新しい友だちに
遊ぶ約束を取り付けようと電話をかけたときです。
「もしもし、MですがYくんはいますか?」
「いますけど‥‥」
お母さんが電話に出たのですが、
明らかにようすがおかしい。
知り合って間もなかったので
自分のことが伝わっていないのかと考えた私は
「友人のMです。Yくんに代わっていただけますか?」
と言ったものの、向こうは
「友人なんですか? うーん‥‥」
と釈然としない様子です。
イライラしてきたと同時に
間違い電話をしてしまったかと不安になった私は
「T田Yくんですよね? 代わっていただけますか?」
と語気を荒げてしまいました。
しかし相手も納得したのか、
「そうです。
じゃあ‥‥代わりますね」
そして、電話口に現れたのは、
「もしもし! Yくんです!」
声が幼すぎる。
言葉を失っていると、再びお母さんが代わり、
「うちのYです。
6歳なんですけど、ほんとに友達なんですか?」
と。
何が起きたのか全く把握できないままに
「たぶん間違えたんだ、と、思います、失礼しました」
と告げ、電話を切りました。
あとYくん本人に尋ねても、
そんな電話はかかってきていない、と言いました。
電話番号をかけ間違えた先が
同姓同名の子供を持つ家だったのでしょうか?
自分にはそうは思えません。
今でも、あのときの電話は
時空を越えていたんだと信じています。
(M)
「間違い電話?」
それは私が中学三年生の時でした。
当時は部活動を引退し、
休日は他のつながりで知り合った同級生の友達と
遊ぶようになっていました。
ある日、新しい友だちに
遊ぶ約束を取り付けようと電話をかけたときです。
「もしもし、MですがYくんはいますか?」
「いますけど‥‥」
お母さんが電話に出たのですが、
明らかにようすがおかしい。
知り合って間もなかったので
自分のことが伝わっていないのかと考えた私は
「友人のMです。Yくんに代わっていただけますか?」
と言ったものの、向こうは
「友人なんですか? うーん‥‥」
と釈然としない様子です。
イライラしてきたと同時に
間違い電話をしてしまったかと不安になった私は
「T田Yくんですよね? 代わっていただけますか?」
と語気を荒げてしまいました。
しかし相手も納得したのか、
「そうです。
じゃあ‥‥代わりますね」
そして、電話口に現れたのは、
「もしもし! Yくんです!」
声が幼すぎる。
言葉を失っていると、再びお母さんが代わり、
「うちのYです。
6歳なんですけど、ほんとに友達なんですか?」
と。
何が起きたのか全く把握できないままに
「たぶん間違えたんだ、と、思います、失礼しました」
と告げ、電話を切りました。
あとYくん本人に尋ねても、
そんな電話はかかってきていない、と言いました。
電話番号をかけ間違えた先が
同姓同名の子供を持つ家だったのでしょうか?
自分にはそうは思えません。
今でも、あのときの電話は
時空を越えていたんだと信じています。
(M)