怪・その43
「覗きこんでいる人」


次男が生まれ、
産院から退院してきて10日ほどたったころでした。

寝室にはベッドを二つ並べ、
壁側にパパ、真ん中に2歳の長男、端にママ(私)と
「川の字とベビーベッド」で
並んで寝ていました。

ベビーベッドはママの横に、
赤ちゃんがすぐ見られるように置きました。

夜中にふと私が目を覚ますと
ベビーベッド周辺が
明るく金色に輝いています。

枕元に付けていた小さなライトを消し忘れていたのかな。

と、腰をかがめて、
赤ちゃんの顔を覗きこんでいる人がいます。

パパかな? と思いました。

その時、その人がこちらを振り向いて、
目が合いました。

やっぱりパパだ。


でも、

あれ?

おかしい。

髪が長髪でふわふわしている。

パパは短髪‥‥。


私はベッドのパパ方を見ました。
普通に、長男と並んで、寝ていました。

もう一度ベビーベッドの方を振り返りました。
すでに暗く、誰もいませんでした。

(j)
この話、こわかった! ほかのひとにも読ませたい。
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2011-09-02-FRI