怪・その2

「窓いっぱいに」

それは中学二年生の夏休み。
母の実家で不幸があり、
両親は山形県まで一泊で行き、
その夜は私と弟が家で留守番することになったのです。

二人だけだと不安だったので、
友達二人にも泊まりにきてもらいました。

親もいなくて、妙にはしゃいで、
ご飯作ったりして楽しかったのですが、
夜は興奮してみんなで布団を並べて
ちょっとエッチなラジオを聴きながら、
おしゃべりをしていました。

多分、夜中の2時頃だと思うのですが、
外は晴れていて、
月明かりが窓からさしこんでいました。

寝そべっていたので、ちょうど窓からは
前の家の屋根が見えてました。

そんな時、なぜか、
友達とおしゃべりしてたのに、
ふと二人して止めて、
窓の方を見たんです。

そのとたん
明るかった窓が暗くなり、
右から左へバァンっと

窓一杯の大きな人の影が横切ったんです。

まるでまえの家の上を、巨人が走ったみたいでした。

その一瞬はラジオも聞こえず、
なんの音もしない無音状態でした。

友達と二人顔を見合わせて

「今の見た?」

びっくりして、
そのあとはなかなか眠れませんでした。

もう一人の友達と弟は寝てたので、見ていません。

でもその友達とは、
今でもあれはなんだったのだろうと話しています。

ただ、あの当時の住んでいた家は借家で、
古くあまり良くない感じはしていました。

(みい)

こわいね!
2013-08-01-THU