怪・その39

「ユウタ」

今から三年前の冬。
16年一緒に生活していた犬のユウタが亡くなりました。

寝るのは私のベッドで一緒に。
寒い日も暑い日も。
ユウタは寝る時は必ず私の左側。
先に寝てる時もあれば
私が先に寝て、後から入ってくる時も。
その時は必ず、右側からベッドにあがって
寝ている私の上を踏みつけて左に移動。
14キロもあるビーグル犬でしたので
かなり重たく感じました。

ご飯を食べなくなり
点滴しながら頑張りましたが
とうとう、最期の日がやってきました。

ずっと通っていた獣医さんに連れて行き、
もう点滴しても元気になることはなく
動かなくなったユウタを泣きながら連れて帰りました。
その晩はずっと側についてあげました。

翌日、骨だけになって家に帰ってきました。

それからずっと泣いて暮らしました。
長く一緒に暮らした生き物が死ぬ経験は
初めてだったのです。

そして、二週間ほどすぎた頃の夜。

何となく寝つけなくて
横になっていたら、
金縛りになったあとに
部屋に足音が入ってきました。

足音は、ベッドの右側からあがって、
私の上を踏みつけて、左に行きました。

そこで金縛りがとけました。


ユウタだ!


不思議と怖くありませんでした。
むしろ嬉しかったです。
メソメソしている私を元気づけにきたんだ。と。


その年の秋に
偶然ユウタと同じ誕生日の犬に出会いました。
まだ生まれたばかり。
迷わず飼うことにしました。

(冬野)

こわいね!
2013-09-13-FRI