怪・その5
「うれしくて『ワン!』」
子供の頃、
叔母から聞いたお話です。
叔母の友人が誰かの家で
お茶飲み友達と集まっていた際、
飼っていた犬の思い出話をしていたら
「ワン!」
と卓袱台の端に前足を掛けて
その犬が現れたと。
一瞬の出来事だったけど、
全員見ているし、
そのお宅では犬は飼っていなかったし、
犬を連れて来ている人もいないし。
すぐに卓袱台の下を覗いたけど
もちろん、何もいなかったそうです。
きっと
自分の話をしてくれている嬉しさに
思わず参加したくなったんだと
私は思います。
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