怪・その14
「袖口から飛び出す」
これは、私がスーパーの
衣料品売り場で働いていた、
4年程前のお話です。
スーパーと言っても、
食料品売り場と建物は別で
昼過ぎになると、衣料品売り場は
お客様もまばら、
従業員のレジ係も1人の時が多くありました。
8月の暑い盛りで
もうすぐお盆で、忙しいなー。
なんて思っていたその日、
わたしは、昼休み明けのレジ係でした。
意外と、レジに立っていると
お客様の匂いというものはよく匂って、
香水の良い香りの方も居たり、
夏なら汗の匂いのきつい人など様々です。
そんな時、年配の女性がやってきました。
年の頃は、70代後半から80代ぐらい。
レジの前にそのお客様が立った時から
生臭い匂いがしてました。
港などで、魚を放置してるような
なんとも言えない匂いでした。
でも、お客様なので、
嫌な顔なんて失礼、
いつも通り対応したのですが
お金をいただく時に、
お客様の袖口から
白っぽい物がピン! と
飛び出して来ました。
それを、よーく見ると
私が、子供の頃、汲み取り式の
小学校のトイレの中でよく見た
.......うじむし!? でした。
取り乱してはお客様に失礼なので
ウニウニ動いているウジムシを
さっとティッシュで包み
お客様に気付かれないように、ゴミ箱へ。
その、年配の女性は何事も
無かったように帰って行きました。
これが、私の経験した恐怖体験です。
仕事とはいえウジムシを捨てた自分を
褒めてあげたいです。
(あっちゃん)