怪・その24
「いわゆる、出る家」
私の実家は
いわゆるオバケが出る家らしく、
新築で引っ越してきた当時から
他に人はいないのに、
階段を上がり
部屋に入っていく足音がしたり、
母が寝ていたら金縛りにあい、
男の人に首締められたり、
そういったことがちょいちょいあります。
そんな家に
ずっと住んでいた私が経験した中で
一番すごかったのは
今から5年ほど前の夏。
夜にお風呂から出て
洗面所で髪を乾かそうとしたときのこと。
小窓と洗面所と廊下を繋ぐドアを
少しだけ開けて
熱風で汗だくにならないようにして
乾かしていたのですが、
洗面所に近づいてくる足音がしたので
「今、入ってるよー」
と、開けておいたドアの隙間から
誰が来たのか見ようと覗きつつ、
声をかけたら
ドアの隙間から
瞳孔が開いた目がこちらを見ていて
目が合いました。
咄嗟に「びっくりしたー!」と叫び、
すぐドアを開けたのですが
誰もいない。
リビングにいた母に
誰か洗面所に来たかと聞いたら、
来ていないと‥‥。
それからしばらくは
ドアの隙間を覗くのが怖かったです。
(J)