怪・その36

「いつもひとり足りない」

怪・その28「一人、多い」を読んで、
足りない話なら私も知ってると思って
メールしました。

私は4人姉妹の二番目に生まれて、
父母も合わせて
6人家族で暮らしてきました。

小さな頃から、
家族団らんをしていると、

「あれ、一人足りないな、全員揃ってるのに」

という気持ちになることが多くありました。

実際に言葉に出してもいて、
姉妹皆が同じ感覚でいることが
分かっていました。

子供だったので、
家族とはそういうものだと思っていました。
揃っているのに、
誰かが帰って来ていないような、
少しさみしい気持ちになるものだと。

中学生になったあたりで
そんな感覚になることはだんだんなくなり、
忘れていきました。


6年前に私が子供を産んでから、
母とはそれまでしなかったような話も
するようになり、

実は私たちは
4人姉妹ではなかったかもしれない
ということを知りました。

5番目の子は、
生まれることができなかったと。

その時に、
足りなかったのはその子か!
とさみしかった気持ちを思い出して、

「私たちが
 1人足りない気がするって騒いだ時に
 複雑な気持ちになったでしょ、ごめんね」

と母に謝りましたが、
母はそのことは覚えていませんでした。
足りないって感じてくれてありがとう、
と言われました。

年も近い4人姉妹なので、
いつでも本当によくしゃべりました。
そばにいたのかもしれません。

大きくなって感じなくなって、忘れてごめんね。

(トミイ)

こわいね!
2015-08-31-MON