怪・その2
「夏の東京で」
8年前の夏、
仕事での研修で
東京に出張していました。
朝から夕方までのスケジュールを終えて
帰路についた時のことです。
ある地下鉄の駅の
エスカレーターを昇っていました。
人は多く、
エスカレーターも混み合い、
列になっていまして、
私の前にも後ろにも
当然、人が立っていました。
そして、何気に、
後ろの人は男性だなあと思いつつ
なんだか気になり、
振り向くと、
その人は
いなくなっていました。
不思議に怖いとかは感じなく、
「あれ、どこか行っちゃったよ〜
これだけ人がいると、
そりゃあ紛れてるよなあ」
と思いました。
亡くなっても
人がいる場所に行きたい魂もあるのかなあ
と思いつつ、東京を離れ、帰りました。
(Y.T)