怪・その6
「祖母の心霊写真」
当時は私は、関東に住んでいました。
毎年お盆か冬休みに実家に帰っていて、
数年前のお盆もちょうど実家に帰っていました。
久しぶりに自宅でお茶をしながら
世間話をしていた母がふと、
「そうそう、
そういえば心霊写真があるの。
見てよ」
とさらっと言ってくるのです。
なんでも数年前になくなった祖母の
法事の写真が、えらいことになってると。
正直みたくない。
しかしこわいものみたさな気持ちも少しある。
えいやっとめくった写真には‥‥。
写真に映った祖母の遺影が、
蛍光ペンで書いたようなヒモ状の何かで
ぐるぐる巻きになっています。
想像と違うし、冗談みたい。
なにより、不気味!
(おばあちゃん、ごめんなさい〜)
こんなものみせないでよー!!
と絶叫する私を尻目に、
母は、
「ねぇ?
まだ成仏しきってないのかしらねぇ。」
と落ち着いた様子。
なんでそんな落ち着いてるの?
びっくりしなかったの?
「生きてて驚くようなことは
もうあまりないのよ」
ですって。
写真も怖いけど母も怖い。
夏になると思い出すエピソードです。
(TOM)