怪・その16
「窓からきたおばあちゃん」
30年以上も前のこと、わたしが高校生の時、
おばあちゃんが亡くなりました。
朝、5時前に目を開けると、
開けていた窓から、
雲の階段の様なものに乗ったおばあちゃんが
ふわふわ近づいて来て、
部屋に入ってきました。
(私のいるとこは2階です。)
私
ーなんで、おばあちゃん、窓から来たん?
おばあちゃん
ーごめんな。昨日せっかく病院来てもろたのに、
調子悪くて会えんかった
私
ーええで。また、ともちゃん(妹)と行くし
おばあちゃん
ーおとうさんとおかあさんの言うこと
ちゃんと聞いて、兄弟げんかばっかりあかんで
私
ーうん。わかった。
おばあちゃん
ーほな、行くわ
私
ーえ? どこ行くん?
下におとうさんとおかあさんおるで。
寝とるかもしれんけど
おばちゃん
ーええわ。行くわ
その直後に電話が鳴り、
母がバタバタと階段を上がってくる足音。
そして、母が、
「おばあちゃんが、今、亡くなったから」
あまりにもリアルな会話で、
まったく怖くはなかったです。
わざわざ、雲に乗って
お別れを言いにきてくれたんですかねぇ‥‥。
(ひまわりおかん)