怪・その20
「激しく泣く子と」
長女を出産してから、
3か月ほどたった頃の話です。
いつものように、
おなかを空かせて泣く娘の為に、
夜中の薄暗いキッチンで、
ミルクを冷ましていました。
あまりに激しく泣きじゃくっていたので、
急がなくてはと思い、
慌てて振り返ると、
目の前スレスレに
黒髪の頭の様な物が見えました。
このままではぶつかる! と思い、
咄嗟に目を閉じ、
「すみません!」と
謝ったところで気がつきましたが、
その日は私と娘の2人しか居なかったのです。
連日の夜中の授乳で疲れているんだな、
とは思いましたが、
いつになく
激しく泣いていた娘の様子を思い返してみると、
私達以外の何かが
そこに居たのかもしれません。
(k)