怪・その24
「おばあちゃんが呼んだのは」
もう、20年以上前のことです。
私が高校生のとき
おばあちゃんは入院していました。
学校から帰ってきて
喉が乾いていたので台所に行きました。
台所が薄暗かったので
電気のスイッチを押しました。
‥‥つきません。
「あれ?」と思って
何度かパチパチON、OFFを繰り返しましたが
点きませんでした。
そこへお父さんが帰ってきて
「おばあちゃん、
もうあんまり長くないから」
と言って台所のスイッチを入れました。
すると、普通に点いたんです。
これは、もしかして虫の知らせか?
と思えたので、急いで病院に行きました。
病室に着くと、
お母さんと叔母さんが泣いてます。
「ちょうど良かった!
まだ息があるから、
手を握ってあげて!」
と言われました。
「え? おばあちゃん死んじゃうの?」
と慌てて手を握りました。
すると、次第に
心電図の波形が弱くなってきました。
ドラマでよく見るシーンのようでした。
全然苦しまずに静かに亡くなりました。
あの時、台所の電気が普通に点いていたら
「病院は明日でイイかー!」
ってなっていたと思います。
おばあちゃんが一番好きな孫は、
私のお兄ちゃんだと思っていましたが、
実は私のことが一番カワイイと思っていたの?
だから、私に教えてくれたんだよね? って、
後で考えたら少し嬉しくなりました。
(うたぷー)