怪・その32

「父の緑のカバン」

これは私が、小学校一年生ぐらいの話です。

特別霊感があるわけでもないのですが、
一度だけ、今でも不思議に思うことがありました。

当時は母親とお風呂に入っていて、
いつも私が先に出て
体を拭いていました。

ちょうどお風呂場から斜めに位置するあたりに、
父が使っていた仕事用の緑のカバンがありました。

いつも定位置にあるそのカバンに目を向けると、
なぜか、悪寒というか、寒気のようなものを感じました。

それから数日経った時、
いつものようにお風呂上がりに体を拭いていると、
不意にカバンが気になり
目を向けました。

すると‥‥

「え、顔‥‥?」

カバンにはうっすらと、
骸骨のような顔が浮かんでいたのです。

怖くて何も言えず、
ただ立ちすくんでいました。

しばらくすると、
あの骸骨のような顔は消えていました。

いったい何だったのか今でもわかりませんが、
あの当時は、家族に良くないことが起きないか、
毎日気が気でなかったです。

(y)

こわいね!
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2018-08-11-SAT