怪・その36
「気のせいじゃない」
幼い頃から霊感がある私。
なんだか怖いと感じることや、
なにか見えた気がすると思うことは、
だいたい「気のせいじゃない」のです。
4年前のある夏の日、
当時お付き合いしていた男性と
夜中に電話をしていました。
家族も寝静まり、
誰もいないリビングで
ウトウトしながら話していました。
すると突然、
髪の長い女性が、
這いつくばるような姿で
足元にいるのが、
フラッシュバックのように
一瞬見えた気がしました。
彼に言うのすら怖く、
「気のせい、気のせい‥‥」と
必死に心の中で
自分に言い聞かせていました。
すると、電話口の彼から
「あれ、今お母さんか誰か隣にいる?」
と言われました。
私は恐怖で内心凍りつきながらも
「え、どうして?」
と聞き返すと、
「君じゃない女の人の喋り声が
聞こえてきたから」
と。
怖くて怖くて、
猛ダッシュして
家族の寝ている部屋まで走りました。
(ぷーちゃん)