怪・その55
「事故の多い三叉路」
これは、実際に体験したお話です。
私の勤め先はちょうど三叉路に面しており、
前の道路の一時停止の標識は
車がぶつかって
折れ曲がっていることが多くありました。
深夜4時。
仕事が終わって、車に乗り込み、
帰ろうとしたところ
ちょうど一時停止の標識のたもとに
中年くらいの作業服の男性の
下半身がぼうっと見えました。
ただ、
ライトで照らされているにもかかわらず
上半身が真っ暗でした。
どことなく静かな出で立ちに、
これはこの世のものではない、
そう感じました。
数日後ふたたび同じ場所で
標識の曲がるような、事故が…。
一緒に働いている方に聞くと
この付近の道路自体が、事故が多く、
首のない人を見たり、
ただならぬ雰囲気の人を見たりするそうです。
(h)