ほぼ日には、見習い乗組員として働いていた
「フェザード・シジュ」という名の
おかしな銀色の宇宙鳥がいました。
その鳥が、ある日活動を止めてしまいました。
Twitterの更新も滞り、
「体調が悪くなったのではないか」などと
心配の声もいただきました。はたして何が起こったのか。
これはそれを解明しご報告するコンテンツです。
銀の宇宙鳥シジュちゃんは、
前回の分析で、
「星に行くべくして行った」ことがわかりました。
ひきつづき、みうらじゅんさんとお話をしています。
- みうら
- 予定していた福島のイベントは、
シジュちゃんなしでどうやって乗り切ったんですか?
- ほぼ日
- 魂は残っていますので、
急遽録音したシジュちゃんからのメッセージを
会場のみなさんに聞いていただきました。
みなさんほんとうに、あたたかいお客さんで‥‥。
- みうら
- いやあのぅふつう、
魂が来られないことは、あると思うんですよ。
例えば病気になったりして。
- ほぼ日
- はい、はい。
- みうら
- だけど、魂が抜けたガワがいないとは、
どういうことなんだ?
ということに、主催側はなりますよね?
- ほぼ日
- はい、主催者側はそうなりますね。
魂だけがやってくる意味がわからないと思います。
説明もむずかしいので、
宇宙に帰ったらしい、ということで、
すべてをそのままにしています。
‥‥今後はいったいどうしたらいいでしょうか。
- みうら
- いや、ですから、前からご提案しておりますように、
バルーンタイプ、もしくは小さく畳めるようにして、
制作することが最も重要でしょう。
- ほぼ日
- はい。
- みうら
- 大きなゆるキャラが、久しぶりに会ったとき、
急にコンパクトになってることは、
よくありますよ。
- ほぼ日
- ああ、そうなんですか。表情もちょっと変わったり。
- みうら
- そんなとき、ぼくも役割上、
「ちょっと雰囲気変わりましたよね」
と、一応はツッコむようにしています。
そこで「一緒ですよ」と言い張ることも、
ゆるキャラ界では日常茶飯事なので、
もしもシジュちゃんが
バルーンタイプになったところで、
魂さえ変わっていかなければ可でしょう。
- ほぼ日
- なるほど。
- みうら
- ときには魂すら変わっている場合だってありますよ。
「妙に動きがいい」「あれはプロだな」
などと気づいてしまうことも多いです。
そんなとき‥‥なんなんですかね、
田舎の友達みたいな感じで、
「なんか変わったな、あいつ」
という気持ちになってしまうのも、
しかたのないことです。
ですから、いくらでも復活可能ですよ。
- ほぼ日
- 大丈夫でしょうか。
- みうら
- ぜんぜん大丈夫です。
いままでのシジュちゃんは正直、
ちょっとつつけばコロリとする、
手作りの学祭感がありました。
そこがバルーンタイプになれば、
お肌もピンと張るし、可動性がよくなって、
活躍の場もひろがります。
子どもたちも容赦なく
バンバン抱きついたりできるでしょう。
そのあたりは子どもだってわかってますからね。
- ほぼ日
- ゆるキャラの見栄えで判断してるんですか。
- みうら
- 「これは強度がないな」というものに対しては、
あんまり近づかない傾向はありますよね。
壊したら、「怒られる」ってのがあるから。
- ほぼ日
- 現代っ子には節度がありますね。
- みうら
- シジュちゃんが宇宙に還っているいまのうちに、
キャラ設定を考えたらどうでしょう?
これまで特に考えてなかったですよね?
正直言いまして、設定もなしに活動をするのは
いかがかという向きもあったと思うんです。
- ほぼ日
- たしかにそうですね。
じゃあ、考えるようにしましょう。
- みうら
- シジュちゃんはそもそも、
東北のツリーハウスを応援することから
はじまったんですよね?
そうなったら、ツリーハウスのキャラクターを
もう1体作るのはどうでしょう。
描いてみますね。
- ほぼ日
- 友達がほしいと思っていたところだったので、
うれしいです。
- みうら
- そうでしょう。
そろそろ要りますよね、これ。
かなり要るんじゃないですか
- ほぼ日
- シジュちゃんの財力を考えなければ、
かなり要ります。
- みうら
- そして、たしかシジュちゃんは
「ゆるゆるキャラ」と呼ばれてましたね。
- ほぼ日
- はい。
中に魂がまる見えで入っている、
ゆるキャラよりさらにゆるい、と
みうらさんに特徴づけていただきました。
- みうら
- 「これはゆるゆるキャラだね〜」
なんて言っていたときには、
ここまで来るキャラクターだとは
到底思いませんでしたね。
- ほぼ日
- ここまで、とは?
- みうら
- ゴミになることまでOKというのは、
いままでのゆるキャラには
ちょっとなかった器ですよ。
しかもちゃんとした「ほぼ日」という会社が
やっているにもかかわらず、
捨てられているという現実。
このギャップがおもしろいです。
- ほぼ日
-
ほんとうに、魂としては、
反省することばかりです。
シジュちゃんの今後を考えるあいだに、
みうらさんとのお話は、
ほぼ日の組織に切り込むような、
思わぬ方向に発展します。
明日につづきます。
2018-03-31-SAT