ほぼ日には、見習い乗組員として働いていた
「フェザード・シジュ」という名の
おかしな銀色の宇宙鳥がいました。
その鳥が、ある日活動を止めてしまいました。
Twitterの更新も滞り、
「体調が悪くなったのではないか」などと
心配の声もいただきました。はたして何が起こったのか。
これはそれを解明しご報告するコンテンツです。

銀の宇宙鳥シジュちゃんは、
前回の分析で、
「星に行くべくして行った」ことがわかりました。
ひきつづき、みうらじゅんさんとお話をしています。

みうら
予定していた福島のイベントは、
シジュちゃんなしでどうやって乗り切ったんですか?
ほぼ日
魂は残っていますので、
急遽録音したシジュちゃんからのメッセージを
会場のみなさんに聞いていただきました。
みなさんほんとうに、あたたかいお客さんで‥‥。
▲不参加となった福島のツリーハウスイベント。
みうら
いやあのぅふつう、
魂が来られないことは、あると思うんですよ。
例えば病気になったりして。
ほぼ日
はい、はい。
みうら
だけど、魂が抜けたガワがいないとは、
どういうことなんだ? 
ということに、主催側はなりますよね?
ほぼ日
はい、主催者側はそうなりますね。
魂だけがやってくる意味がわからないと思います。
説明もむずかしいので、
宇宙に帰ったらしい、ということで、
すべてをそのままにしています。
‥‥今後はいったいどうしたらいいでしょうか。
みうら
いや、ですから、前からご提案しておりますように、
バルーンタイプ、もしくは小さく畳めるようにして、
制作することが最も重要でしょう。
ほぼ日
はい。
みうら
大きなゆるキャラが、久しぶりに会ったとき、
急にコンパクトになってることは、
よくありますよ。
ほぼ日
ああ、そうなんですか。表情もちょっと変わったり。
▲ゆるキャラ事情通のみうらさん。
みうら
そんなとき、ぼくも役割上、
「ちょっと雰囲気変わりましたよね」
と、一応はツッコむようにしています。
そこで「一緒ですよ」と言い張ることも、
ゆるキャラ界では日常茶飯事なので、
もしもシジュちゃんが
バルーンタイプになったところで、
魂さえ変わっていかなければ可でしょう。
ほぼ日
なるほど。
みうら
ときには魂すら変わっている場合だってありますよ。
「妙に動きがいい」「あれはプロだな」
などと気づいてしまうことも多いです。
そんなとき‥‥なんなんですかね、
田舎の友達みたいな感じで、
「なんか変わったな、あいつ」
という気持ちになってしまうのも、
しかたのないことです。
ですから、いくらでも復活可能ですよ。
ほぼ日
大丈夫でしょうか。
みうら
ぜんぜん大丈夫です。
いままでのシジュちゃんは正直、
ちょっとつつけばコロリとする、
手作りの学祭感がありました。
そこがバルーンタイプになれば、
お肌もピンと張るし、可動性がよくなって、
活躍の場もひろがります。
子どもたちも容赦なく
バンバン抱きついたりできるでしょう。
そのあたりは子どもだってわかってますからね。
ほぼ日
ゆるキャラの見栄えで判断してるんですか。
▲子どものイベントが不得手だったシジュちゃん。
みうら
「これは強度がないな」というものに対しては、
あんまり近づかない傾向はありますよね。
壊したら、「怒られる」ってのがあるから。
ほぼ日
現代っ子には節度がありますね。
みうら
シジュちゃんが宇宙に還っているいまのうちに、
キャラ設定を考えたらどうでしょう? 
これまで特に考えてなかったですよね?
正直言いまして、設定もなしに活動をするのは
いかがかという向きもあったと思うんです。
ほぼ日
たしかにそうですね。
じゃあ、考えるようにしましょう。
みうら
シジュちゃんはそもそも、
東北のツリーハウスを応援することから
はじまったんですよね? 
そうなったら、ツリーハウスのキャラクターを
もう1体作るのはどうでしょう。
描いてみますね。
▲みうらじゅんさんが描いた「ツリーハウスくん」
ほぼ日
友達がほしいと思っていたところだったので、
うれしいです。
みうら
そうでしょう。
そろそろ要りますよね、これ。
かなり要るんじゃないですか
ほぼ日
シジュちゃんの財力を考えなければ、
かなり要ります。
みうら
そして、たしかシジュちゃんは
「ゆるゆるキャラ」と呼ばれてましたね。
ほぼ日
はい。
中に魂がまる見えで入っている、
ゆるキャラよりさらにゆるい、と
みうらさんに特徴づけていただきました。
みうら
「これはゆるゆるキャラだね〜」
なんて言っていたときには、
ここまで来るキャラクターだとは
到底思いませんでしたね。
ほぼ日
ここまで、とは?
みうら
ゴミになることまでOKというのは、
いままでのゆるキャラには
ちょっとなかった器ですよ。
しかもちゃんとした「ほぼ日」という会社が
やっているにもかかわらず、
捨てられているという現実。
このギャップがおもしろいです。
ほぼ日
ほんとうに、魂としては、
反省することばかりです。

シジュちゃんの今後を考えるあいだに、
みうらさんとのお話は、
ほぼ日の組織に切り込むような、
思わぬ方向に発展します。
明日につづきます。

2018-03-31-SAT