イタリアのカンピオナートで現在１位のインテルは、
UEFAチャンピオンズ・リーグで健闘しています。
ユヴェントスも同じように健闘しているのですが、
イタリア３大チームのもうひとつであるACミランは、
昨シーズンのカンピオナートで４位内にはいれず、
UEFAチャンピオンズ・リーグには出場できなかったので、
UEFA杯のみの参戦です。
ACミラン会長であるシルヴィオ・ベルルスコーニは、
彼のチームは常に大舞台に出るべきだと思っています。
劇場で言うなら地方の小さな劇場ではなく、
オペラの殿堂である、まさにミラノのスカラ座に
出演してほしいと思っているでしょう。
大いなる野望の持ち主である彼は、
政治家としてはイタリア政府の現首相でありますが、
話がサッカーのこととなると虚栄心むきだしになります。
何ごとにもハンパは好まず、
彼のACミランが試合に勝てないのを見たとしても、
何が何でも世界のトップであることを望みます。
彼は、ここ数年に渡って世界一有名な選手をマークし、
入手してきました。
２年前にはロナウド、
数ヶ月前にはロナウジーニョという具合です。
それにも関わらず、
期待していた良い結果は出ませんでした。
同じミラノをホームとする永遠のライバルのインテルは、
これとは逆に、この２年間負け知らずで、今シーズンも、
確実では無いにせよ、印象としては
スクデットを取りそうな勢いでスタートを切りました。
そして先週のこと、ベルルスコーニは、
カルチョ・メルカートのベテランたちに
「現在、世界一有名なサッカー選手は誰かね？」と
たずねました。
答えは、この上なく簡単、
「デイヴィッド・ベッカム」です。
ベルルスコーニの命令も単純明快、
「それなら、彼を買いなさい」でした。
ベッカムはロサンジェルスの
ギャラクシーと契約していますから、
ベルルスコーニの命令を実現するのは
そう単純ではないと、
だれにでもすぐに分かるのですが、
それらも早急に解決されそうです。
というのも、次期のＷ杯に
イングランド代表として招集されたいベッカムは、
プレイし続けていなければ「ならない」のです。
イングランド代表チームの監督である
イタリア人のファヴィオ・カペッロも、
彼がプレイし続けている状況に期待をかけています。
しかしベッカムが現在拠点にしている
アメリカのカンピオナートは１月までお休みです。
そこを狙ってACミランは
１月から６月までのベッカムを「借用する契約」として、
約２百万ユーロという高額な契約を申し出ています。
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現在のイタリア・サッカーでもっとも人気があるのは、
マンチーニの後を引き継いでインテルの監督になった、
ホセ・モウリーニョです。
モウリーニョがテレビ、ラジオ、
または新聞などを通して語るたびに、
それが月並みで取るに足りない事であったとしても、
賞賛の対象になります。
それが今のインテルの勢いにもつながっています。
宿敵インテルの活躍を
目の当たりにしているACミランは、
ふたたび大舞台に躍り出ることを望んでおり、
世界一有名になりたいがために、
すでに入手したロナウジーニョの次は、
ベッカムに注目するというわけです。
ベッカムはジョルジオ・アルマーニと
大変に高額な契約をしており、
下着の宣伝の写真を撮っています。
誇らしげにおヘソを出し、
アルマーニのロゴ入りの下着を身に付けたベッカムの、
巨大なポスターが、ミラノのあちらこちらの壁に
大量に貼られています。
イギリスの新聞社がスポーツ面に掲載した写真には
白い下着のまま、上半身には
赤黒のシャツを着たベッカムがいました。
赤黒シャツと言えばACミランです。
今やACミランのティフオーゾたちにとって、
夢見る動機が増えた格好です。
しかし、これでスクデットを勝ち取るに充分でしょうか？ |
